『魔法科高校の劣等生 LOST ZERO』は電撃文庫より発売中の人気ライトノベル『魔法科高校の劣等生』を題材としたスマートフォン向け魔法バトルRPGである。
原作者である佐島勤が監修したオリジナルストーリーが展開するので、原作ファンにとっては嬉しい作品といえるだろう。TVアニメファンにとっても放送されたのは2期のみで、全編を通しての放送がなかったために、原作を題材としているのであればとても嬉しいのではないだろうか。
また製作配信はスクウェア・エニックスということもあって、グラフィックやシステムなどはかなりクオリティが高く、原作未読のRPGファンなどでも充分に楽しめるようになっている。
ストーリー
原作者監修のオリジナルストーリーということで、様々な物議をかもしたアニメ版と違い、多くの原作ファンが称賛するデキとなっているようだ。
プレイヤーは原作では登場しないオリジナルの「兄」となって、オリジナルの「妹」である零乃まやかと共に、原作の舞台となる学園へと転校してくるところから物語は始まる。
様々な事件やミッションなどに挑みつつ、恋愛アドベンチャー風に原作キャラや妹のまやかとイチャイチャコミュニケーションをとったり、コスチュームチェンジを楽しむことができたりと、ボリューム感満点の作品だ。
ゲームシステム
『魔法科高校の劣等生 LOST ZERO』では基本的には任務をこなし、物語を進めていくことがメインとなる。だが他にも様々なイベントが配信されたり、時には他作品とのコラボ企画などが始まったりもする。
原作にも登場したミニゲームなどにも挑戦でき、遊び応えは充分。
本作最大の特徴は、キャラクターの育成が経験値やアイテム使用などではなく、コミュにて様々なコミュニケーションをとることでレベルを上げることができる、という点であろう。
自分の好きなキャラと会話したり、触れたり撫でたり、時にはデコピンすることで、どんどんパラメーターが上昇し、強くなっていく。RPGである以上に、ギャルゲーの要素が強い作品である。
バトルはちょっと変化球気味のカードバトルといったシステムで、プレイヤーは好きなキャラクターカードをセットして、ステータスや属性、コスチュームを設定する。あとは好きなようにバトルデッキを構築し、任務に挑むことになる。
敵とは属性の相性などもあるので、多少の戦略性も要求される。
カードはスマートフォンゲームでは定番のガチャで排出されるので、課金するか、もしくは報酬で、好きなキャラクターのカードが出るように祈りながら回そう。
バトルはスクウェアお得意のアクティブタイムバトル。出撃したユニットの魔法ゲージが溜まったところでタップすると、魔法を発動させることができる。
複数のユニットが連続して魔法を放つことによりコンボが成立。またフリックで繋げることで必殺魔法という強力な一撃を放つこともできる。
バトルにはアドベンチャーパートも挿し込まれ、大いに物語を盛り上げてくれるぞ。
総合評価
グラフィック・BGM
さすがスクウェア・エニックスといったところか。グラフィックは美麗で、演出も迫力があり、音楽も美しい。とりわけゲームデザインは見事なもので、実に見易く、遊び易く作られているのが高く評価することができる。
またアニメ版と同じキャストによるボイスも魅力的。オリジナルキャラクターである妹のまやかにも、大人気声優・内田真礼がキャスティングされており、RPGパートだけでなく、恋愛アドベンチャーパートも存分に楽しむことができるだろう。
ユーザー評判と口コミ
平均評価は5点満点中3.9点とそこそこな評価になっている。魔法科高校の劣等生のように人気アニメとなってしまった作品は、どうしてもガチャに対する風当たりが厳しくなる傾向にある。ファンからの期待というのもあると思いますが、現実的な話として原作へのロイヤリティ支払いも関係しているのだろう。
これはもう諦めるしかないが、ガチャ石の配布が少ないという声も多く、なかなかバランスが難しいところだ。
当然ながら高評価をつけているユーザーも多いので、ガチャやガチャ石に対する不満さえ我慢出来れば原作ファンは間違いなく楽しめそうだ。
評価レビュー
『魔法科高校の劣等生 LOST ZERO』は全体的に仕上がりのクオリティが高く、たいへん遊び易い良作RPGであるといえる。
原作ファンにとっては、女性キャラクターだけでなく男性キャラクター相手でもちゃんとイチャコラできるように作られているので、かなり深く楽しめるのではないだろうか。
ところどころで解説など原作未読者へのケアもそこそこ揃っているので苦痛にはならなかったし、わからないからこそオリジナル主人公と同じ視点で楽しむことができるもあしれない。
原作ファンであればすんなり入り込める内容だが、未読者にとってはブラコン・シスコンのアニメと感じる可能性はあるが、魔法科高校はそこをシュールなお笑いとして楽しむアニメなので、そこも含め楽しんでほしいところだ。