本作は『セブンナイツ』や『ディズニーマジカルダイス』といった大作モバイルゲームを多々作り出している韓国のゲーム会社「ネットマーブルゲームス」によるRPGで、2016年7月から配信が開始されたばかりの新作である。
内容は、スキルボタンをタップするだけの超お手軽なバトルシステムで、誰でも気楽にプレイすることができる作りとなっている。
そうした画面を所狭しと駆け回る賑やかなバトルだけでなく、ステージのオートリピートや、繰り返せる転職などといった育成機能も充実しており、やり込み系RPGとしても評価できる作品だ。
ちなみにiOS用の方はSoulKing Global(ソウルキンググローバル)と名称に「グローバル」がついており、Androidの場合はSoulking(ソウルキング)のみのタイトルとなっている。
ストーリー
舞台は王道の中世ファンタジー世界で、主人公は騎士団に入団しようと王国を訪れた若者。
無事に見習い騎士となった主人公は、個性的な登場人物と次々に出会い、友好を深め、やがて世界を危機から救うための壮大な物語へと展開していく。
ゲームシステム
配信開始から間もないわりにはコンテンツ多め。長く遊び続けられるよう、初手からしっかりと作り込まれている。
特殊装備やアイテムを入手できるいわゆるダンジョンクエストとなる挑戦の塔、対人戦が楽しめる決闘場、キャラクターをレベルアップさせることのできる「料理」を作ることができるレストラン、ゴールドを生産することができる金鉱など、多種多様な施設が揃っている。
各施設は通常クエストを進めればどんどん解放されていく。
通常クエストも量が実に豊富で、普通に物語を進めていくだけでもかなりの時間を要するだろう。
このステージ数の割にはスタミナ制というのが少々ネックに感じられるが、序盤ではわりと簡単にスタミナが回復するように設計されていたので、どんどん進めていくことはできそう。
また本作にはスタミナが続く限り何度の同じステージをリピートできるシステムが搭載されており、アイテムや成績を求めての繰り返しがスムーズにできるといったスマートフォン向けRPGらしいゲームシステムの追求がなされているのであった。
バトルはオートで進行する。プレイヤーはスキルボタンをタップするだけだが、このスキルにはエネルギーとマナといった2種類のものがあり、それぞれ別のゲージを消費して使用することができる。
スキルの種類は攻撃から回復にアシストまで豊富で、それぞれをしっかり把握し、最適なタイミングで発動させることが求められる。
ストーリーはクエストを挟んで、アドベンチャーパートによって進行する。
ユニットはバトルかガチャで入手可能。既に370以上のユニットが用意されており、しかもその育成と進化は何段階も用意されていて、かなりのやり込み度となっている。
グラフィックやBGMなど
グラフィックは良質で、特に背景の描き込みなどかなり凄く、厚みがあり、絵に物語すら感じることができるほどだ。
またキャラクターは立ち絵以上に、ホーム画面やバトル画面でわちゃわちゃと動き回るSDグラフィックがとてもよく描かれていて、見ているだけで楽しくなってくる。
ただキャラクターデザインはいまいち定まりがないというか、各時代の流行りの絵を集めましたといったような感じのバラバラ加減で、どうにも違和感を覚えてしまう。また明らかに他作品に似た……
というか、もはやそのままといったキャラクターもちらほら見受けられて、言いたくはないが韓国クオリティだなぁと感じてしまうものがあった。たいへん残念である。
総合評価
全体的にクオリティが高く、特にオート機能の充実と徹底は実によくできていて、良質のスマートフォン向けRPGであることは間違いない。
しかしながら大きな特徴というか、独自性を感じられる部分がほとんどなく、この手のRPGにもはや飽きてしまったという人にはあまりオススメできない。また、ほとんどがオートで進められるといった簡単な内容であることから、深いゲーム性を求めるテクニカル系のヘビーユーザーにも向かないろう。
ただ育成や進化などといったやり込み度は高く、じっくりとリプレイを繰り返したり、育成やコレクションを追求していくタイプのヘビーユーザーには適している。
もう少しバトル画面に面白さというか、せめて派手さや爽快感があれば、もっと高く評価できるゲームになっただろう。上記のような、ビジュアル面の貧弱さも残念。色々と惜しい作品である。