『エアリアルレジェンズ』は空飛ぶ巨大な大砲船「ウィングリット」を操作しつつ、多種多様なユニットを繰り出して戦わせていくといった、バトルにタワーディフェンスの要素を取り入れたRPG作品である。
福岡県のアプリ開発会社グッドラックスリーと、長崎県のリゾート開発会社ハウステンボスによる共同開発といった、なかなか珍しいコラボによる制作で、ゲームアプリと実際の大型テーマパーク「ハウステンボス」が連動する企画が盛り込まれているなど、大いに注目できる現代的ゲームとなっている。
ゲームレビュー
ストーリー
舞台となるのは、妖精やドラゴンが存在する王道のファンタジー世界。
主人公(プレイヤー)は、記憶を失くした王国守護騎士「ガード」で、王女ティアと共に、王国の平和を脅かすモンスター軍団と戦いながら、記憶を取り戻す手がかりを探していく。
ストーリーを進めていくと、城下町モードで遊べるようになり、拠点となる街の発展が可能となる。
そこで採取や交易などを行って城下町レベルを上げていくと、人口が増え、新しい施設も作れるようなり、仲間キャラクターとの会話イベントなども発生する。仲間との絆をどんどん深めていこう。
システム
エアリアルレジェンズのコンテンツは初めこそ少ないが、ストーリーを進め、レベルを上げていくと、城下町モードなどのコンテンツが解放されていく。
キャラクターや大砲船の育成要素なども充実しており、ゲーム内容は濃いといえるだろう。
「暗黒のエア」と呼ばれる災厄に反抗するハイスティン王国を舞台にした物語は、やがて巨竜「ヘイトレッド」との戦いなど、世界規模の大きな物語へと動いていく。
そうした物語は、絵本調のアドベンチャーパートによって語られていく。
バトルは大砲船「ウィングリット」を防衛しつつ、向かってくる敵を倒し、敵陣奥に控えるボスを撃滅すれば勝利となる。
基本的な操作は、大砲船を操作しつつ、時間で蓄積する「エア」というゲージを消費してユニットを出撃させるだけと簡単。
また特殊な「エアリアルタイプ」のユニットは、船から引っ張りアクションで撃ち出し、敵にぶつけて大ダメージを与えることも可能。
さらに蓄積した「アーツエナジー」を消費して、大迫力の超必殺技を繰り出すこともできる。
総括
グラフィック・BGM
とにかくキャラクター描写が魅力的。
立ち絵のグラフィックが美しいだけでなく、バトル時のSD調にデフォルメされたグラフィックがまたたいへん可愛らしく、また動きも個性豊かで、見ているだけで楽しい気分になり、心が癒される。
さらにバトルのエフェクトやカットイン演出、必殺技のムービーなど、全てがド派手で、セミオートのゲーム内容でありながらも、ステージ中は見応えあるシーンが満載で、目が離せなくなることだろう。
ただそうした見応えも、爽快感も、演出の気軽なスキップができないために、10回くらいも見てしまえば、あとはただただテンポが悪くなるだけの要素になってしまうのが難点。
スマートフォン向けゲームに相応しいお手軽感がないことが、このゲームの評価を大きく下げてしまっているように思える。
口コミ
スマホ向けというよりも、もう少し大局観を持って作られたRPGアプリなのだろう。この手の作業に慣れているプレイヤーであれば苦に感じることはないだろうが、現在のスマホアプリゲームに慣れてしまっているプレイヤーからすると、少々面倒に感じるのかもしれない。
実際に口コミでもそういった内容の書き込みが目立ち、RPGゲームとしての評価は高いものの、面倒さがマイナス要因となっていることが多いようだ。
城下町はもう少しめんどくささを取り払ってもらえれば楽しめるかなと。 育成に時間がかかるのをどうにかしていただけるとありがたいです。
逆に面倒な作業を楽しめるプレイヤーであれば、長く遊べる最高のゲームとなることは間違いないだろう。
すっかりハマってしまいました!最近どのゲームやっても、すぐに飽きてしまっていたので楽しませてもらってます!
今までに無く面白いので、★5なのですが、いろんな方がおっしゃるように、 スタミナのバランスが悪い 訓練所の鍵制度 パーティ枠増加の栞コストの高さ この辺はどうにかならないかなと…
まぁこういったゲームバランスに関しては、アプデなどで徐々に改善されると思うので、まずは自分に合うゲームかどうかと確認する事が重要!
感想と評価
タワーディフェンス系ゲームとしても、RPGとしても、たいへん良くできている作品。クオリティも高く、現実とのリンクなど目新しさもあり魅力的なゲームであるといえるだろう。
しかしながら、上記にあるように、現代スマートフォン向けゲームらしからぬテンポの悪さがあるため、なかなか高く評価し難いところもある。
むしろ、そこがやけに気になってしまうために、余計微妙な雰囲気になってしまっているともいえる。他が良く、惜しいと感じるからこそ、不満が大きくなってしまうのである。
それでも、やり込めばやり込むほどに、バトルの味は増し、ゲーム全体の深みも増していく。
出先や時間の隙間に気軽に遊ぶことこそ難しいが、コンシューマーゲームのようにじっくりとやり込むプレイヤーにとっては、テンポの悪さは充実したゲーム内容となり、かなりの手応えを感じることができるはずだ。
ユーザーを選んでしまう作品ではあるが、それだけに独特の魅力があるのだともいえるだろう。まずはぜひ、お試しでプレイしてみてほしい。