ハンゲーム製作による本作は、クセが強い絵で描かれた濃ゆいキャラクターたちによるタワーディフェンスゲームで、なんともサイケデリックというか、奇妙キテレツな雰囲気の作品となっている。
ゲーム内容は、とくあるタワーディフェンスゲームそのままで、プレイヤーはヒーローを操って戦ったり、時間経過で増大するエナジーを消費してユニットを召喚し戦わせたりすることができる。
スマートフォン向けらしく、オート機能や倍速機能なども充実しており、ちょっとした隙間の時間に楽しむことも可能。
また対人戦などの定番コンテンツも一通り揃っているなど、見た目と裏腹に、安心して気楽に楽しめるゲームなのであった。
ストーリー
地球は狙われている。
本作の脅威となるのは、全人類をスマホ中毒にして地球を征服してやろうと企む悪のスマホ王「ドクター・エニアック」
この恐ろしい計画によって、絶体絶命の危機に陥った人類。
そこで人類を救うべく立ち上がったのは、世界各地のヒーローたち!
彼らは手を取り合い「ぱちくりぼうえいぐん」を組織して、この最悪の脅威に敢然と立ち向かうのであった!
ゲームシステム
基本的には、様々な悪と戦っていくCPU戦が主なコンテンツとなる。
ただ進めていけば、対人戦やギルド戦、ランキング戦やタイムアタックなどがどんどん解放されていく。
自分で操作するヒーローを1体決めて、さらにオートで戦うユニットを編成したら、早速悪の組織に戦いを挑もう。
バトルはタワーディフェンス形式。ヒーローを操作しつつ、ユニットをガンガン召喚して、右奥にある敵拠点を目指して突き進む。
ただユニットはいくらやられてもエナジーが回復すれば再出撃も可能だが、ヒーローがやられると即敗北となってしまうので要注意。
ヒーローはステージを進めることで解放されていく。
またルーンというアイテムを装備させることで、ヒーローのステータスが上がったり、新しいスキルが使えるようになるなど、育成要素もある。
ルーンはクエスト報酬やガチャで獲得することができる。
ガチャではルーンの他に、ユニットも入手できる。
ユニットにはアタックにディフェンスといったタイプがある他、ステータスや召喚コストなどが異なるので、次に挑戦するステージに合わせて編成していこう。
グラフィックや音楽
色彩でいつものハンゲーム作品とわかるが、とにかくキャラクターデザインが奇抜で、かなり人を選んでしまうところがあるかも。鷹の爪団とか、ああいった雰囲気の絵が好きな人にしか受け入れられないのではないだろうか。
それにしても、なんとなく見たことがあるようなというか、ほとんどに元ネタの存在を感じられるデザインでもあるので、てっきり「ぱちくり」とは「パチモノ」の意味があるのだと思っていたのだが、どうやらそういった意味ではないようである。そんな馬鹿な。
とりあえずこのクセの強ささえ気にならないのであれば、キャラクター数も多く、合成強化などの育成要素も充実しているので、かなり満足のいくボリュームに感じられるだろう。
総合評価
真剣さのないアメコミヒーローものというか、脱力系ゲームというか、何とも珍妙な作品である。
いっそバカゲー方面へと振り切ってくれていれば、大いに笑えるゲームとして高く評価できるように思うのだが、実際にプレイしてみると、そのゲーム内容はきわめてオーソドックスなものであり、どうにも評価が難しくなる。
さらに倍速機能やメニュー画面の見易さ、コンテンツの豊富さなど、たいへん丁寧に作り込まれていることで、余計に微妙な雰囲気になってしまう。だったらもっと普通の絵というか、可愛いキャラやカッコイイキャラで遊びたいよと思ってしまうのだ。
もちろん、このキャラクターデザインだから良いのだという人もいるだろう。そういった感想を抱く人にとっては、本作は他にない傑作となる。大いに楽しめるはずだ。