本作は、宇宙空間を舞台にした基本プレイ無料のスマートフォン向け3DフライトシューティングRPGで、プレイヤーは銀河の傭兵団の一員として戦闘機に乗り込み、悪の軍団グルガットに戦いを挑んでいく。
大人気シリーズも早くも3作目。元々売りであった超高度グラフィックや本格仕様なども、回を重ねるごとにさらなるパワーアップを見せ、本作に至ってはPS4の有料ゲームとしか思えないほどの完成度である。
圧倒的驚異的スケールで描かれたスペースオペラ超大作。とにかく無料ゲームであるということが信じられなくなるほどなので、まずは一度、お試しでプレイしてみてほしい。
ストーリー
舞台はネオックスと呼ばれる銀河星雲の1つ。
そこには宇宙で最も貴重な資源とされている「グロウ」という資源があり、あらゆる場所から富を求める者たちが押し寄せ、溢れかえっているのであった。
だがある時、資源採掘空間において、大規模な爆発が起こり、多数の死者を出してしまった。
悲惨な事故と思われたその出来事も、調査を進めていくと、悪の採掘集団「グルガット団」の名が出てきて……。
……と、物語は善と悪のはっきりとした、王道のスペースオペラが展開する。
プレイヤーはその物語の中で、新人傭兵の1人として関わることになり、次第に頭角を現していく。
強敵たちとの戦いを重ね、宇宙にその名を轟かせていこう。
ゲームシステム
ムービーも会話もバトルも、全てがシームレスで、エースコンバットなどの演出に胸を躍らせてきたSTGファンには、再びの興奮が訪れると予告できるだろう。
僚機は自動で戦ってくれて、時には声をかけてくれたりもする。
プレイヤーは傭兵団の一員で、様々なミッションに臨むことになる。
ミッションは護衛や解析、防衛に攻撃と様々。
いくつかのミッションをクリアしていくと、エリアボスの情報が集まり、100パーセントになると、ボス・ステージがアンロックされる。知り得た弱点などの情報を駆使して機体をカスタマイズし、難敵に挑もう。
ステージ数は多く、ミッションも膨大。
機体や兵器の数も山ほどあり、ボリューム感は満点。
操作はさすがにちょっと難しめ。仮想パッドを使用して、360度の宇宙空間を自由に飛行することができるが、フライトSTG初心者には、慣れるまでにいくらか時間が必要となるだろう。
ただ攻撃をタップにするかオートにするかを選択できたりと、ユーザーフレンドリーな設計も盛り込まれている。
初めの難易度低めのステージに臨む内に、問題なくプレイできるようになるはずだ。
グラフィックや音楽
とにかくグラフィックが凄まじい。まずその一言が、誰の口からも出てくるのではないだろうか。
宇宙空間の小さな塵から、巨大戦艦のパーツの細部に至るまで、丁寧に描き上げられており、驚嘆するばかり。
しかもそれがムービーシーンではなく、シームレスにそのままゲーム画面となることで、もはやプレイヤーは絶句するしかなくなるだろう。
さらに実際にプレイしてみると、360度の宇宙空間を表現したフライトシステムはたいへん完成度が高く、胸躍る宇宙空間戦闘を楽しむことができるのである。フライトSTGやSF映画好きなどは、最高に興奮できるはずだ。
また、プレイ中に挿し込まれる会話劇もフルボイス。ローカライズも欠陥は見られず、熟練の吹替声優たちによる熱演を聴くこともできる。
もうただただ、圧倒的スケールで作られた作品に感謝するしかない。
総合評価
冗談抜きで、本作はスマートフォン向け3Dシューティングゲームの最高傑作と断言していいほどのデキである。あらゆる点における完成度が、他とは格が違うとまでいえる。とにかく圧倒されるばかりである。
もちろん、エースコンバット以降に作られ続けてきた3DフライトSTGのシステム自体に変化はなく、目新しさという点では薄さがあるなど、低評価になってしまう箇所もある。
また、もはやスマートフォン向けゲームにグラフィックの超絶高水準をユーザーは求めていない、という現状もある。ハイクオリティなだけにゲーム容量だけで2ギガを消費してしまうといった問題点は、多くのユーザーに影響を与えてしまっていると思われる。特に日本市場では、もっと手軽さと気軽さを求めるユーザーの方が多い。
ただそれらを気にしないユーザーにとっては、最高のゲームとなる。
とりわけ、3DフライトSTGのファンや、SF映画などを好むユーザーには、これ以上ない刺激となることだろう。
ガチャなどのシステムも、パーツを収集していくといった海外仕様なので、ライトユーザーでもヘビーユーザーでも、それぞれでそれなりに楽しめるように設定されている。
とにかく完成度が高く、ボリューム感もやり応えも抜群にあり、ゲームバランスなどもちょうどいい。理想的ともいえる作りなのではないだろうか。