かつて一大ムーブメントを巻き起こした「遊戯王カード」が、現代にスマートフォン向けゲーム『遊戯王 デュエルリンクス』として蘇った!
あの懐かしの「遊戯王」のキャラクターたちがボイス付きで総登場し、かつて慣れ親しんだカードモンスターたちも超美麗なCGとド派手なエフェクトやアクションによって表現されているといった、作品ファン感涙の内容である。
かつて90年代後半、週刊少年ジャンプで愛読していた読者たちや、カードゲームに熱中していたデュエリストたちにこそ響く快作。全国、いや世界中のプレイヤーたちとデュエルスタートする時である。
ゲームシステム
ストーリー
物語は仮想空間という舞台設定を活かしたオリジナルストーリー。
かつての原作キャラクターやアニメキャラクターが総登場し、操作したり、デュエルしたり、アドバイスをもらったり、仲良くなったりと、遊戯王ファンにとっては何よりも嬉しい展開を見せてくれる。
まずはメインシナリオとなるローカルモードをプレイしていき、カードが集まり、強いデッキを構築できるようになったり、デュエルの腕が磨かれたりしたところで、いよいよ対人戦に挑むことにしよう。
ゲーム概要
『遊戯王 デュエルリンクス』はデータ量が多く、まずダウンロードにかなり時間がかかるので、ダウンロードの際は極力Wi-Fi環境下で行うように注意したい。
しかしこのダウンロード中の間に、オープニングムービーが流れるといった仕様になっているのは好感度が高い。かつてと同じキャスティングが表示された時には胸が熱くなった。
ゲームルールはほぼ原作通り。毎ターンごとにデッキからカードを1枚引き、手札から好きなカードをフィールドに投入。モンスターカードは1ターンにつき1枚召喚することができ、魔法カードやトラップカードは各カードの条件に従っていれば好きなように設置することができる。
フィールドに出したモンスターを攻撃表示にしてバトルフェイズに移行すると、モンスターは敵モンスターや相手プレイヤーに攻撃し、ダメージを与えてくれる。
これを交互に行っていき、LPという体力値が先にゼロになった方が負けとなる。
レア度の高い強力なモンスターを召喚できた時には特殊カットインが発動!
ボイス付き、ド派手なエフェクト、そしてCGのアクションによってモンスターが場に登場してくれるぞ!
メニュー画面は仮想世界を自由に歩き回れるといった面白い設定で、スワイプで様々な場所に移動することができる。作品キャラクターに出会えるだけでなく、イベントが発生したり、アイテムを入手できたりもする。
また世界中のプレイヤー……デュエリストたちも表示されており、話しかけてデュエルを挑んだり、フレンドになったりすることができる。
なんとも時代の進化を感じられるものがある。
総合評価
人気が爆発!恐るべき遊戯王の魅力
事前登録の時から『遊戯王 デュエルリンクス』には注目はしていたものの、まさかここまでの人気が出るとは夢にも思っていなかった。リリース日当日には各ゲームメディアで取り上げられ、11月17日から配信開始となり12月12日には600万ダウンロードを突破したという、にわかには信じがたい人気ぶりとなっているのだ。
カードバトルゲームの知名度向上に努めただけではなく、その人気を不動のものとしたきっかけを作ったのが、この遊戯王であることは言うまでもないが、様々なゲームがリリースされている中で、まだこんなにも人気があったのかと驚かされる。
私の記憶が間違っていなければ、さほど大々的にPRをしていたわけでもない。広告に関してはいたって普通の広告だったように記憶している。それでもリリースから1ヶ月にも満たないタイミングで600万ダウンロード達成というのは驚異的だ。
これまでに遊戯王がスマホアプリでリリースされていなかったことが不思議でならないが、遊戯王のようなA(現実拡張)Rカードバトルこそ、現代のスマホゲームに最もマッチしたゲームなのかもしれない。
今後ARテクノロジーが進化すれば、リアルに遊戯王のようなカードバトルが楽しめるようになるだろう。もしかすると、今回の『遊戯王 デュエルリンクス』リリースはその布石なのか?
レビュアーの感想
グラフィックは美しく、キャラクターたちの絵もさることながら、スタイリッシュ&サイバー感に溢れるデュエルの画面やメニュー画面の作りなど、たいへん見ていて心地好く、爽快感を覚える。
光沢までも再現したカードのCGも実に素晴らしく、またレア度の高いカードを発動させた時のカットインやアクションなどの演出面も巧みで、思わずうなりを上げてしまうほどであった。
かつてと同様のキャスト陣でのボイスが実装されているところなどもキャラクターゲームとして高く評価することができる。
ファン必見・必聴の作品だ。
とにかくまずは30代以上の、あの頃に遊戯王を楽しんだ人たちには刺さりまくる作品である。またそれ以下の世代でも、シリーズの他の作品に触れて知識を持っている人であれば、どんどん複雑化していったカードの特性がリセットされて、遊び易くデッキ構成も練り易い初期の面白さが新鮮味として捉えられ、逆にかなり楽しめるのではないだろうか。
あとはとにかく、かつては周囲の人としかデュエルできなかったというのに、現代では気軽に世界中のプレイヤーのプレイヤーと対戦することができるといった点は最も重要。これは少年少女たちが夢見た光景でもあるのだ。
そうした対人戦が、フリー対戦だけでなく、フレンド対戦やランキング戦など、しっかり充実したものになっているのも、なおのこと好感が持てる。
カードもきわめて入手し易いように作られているので、かなりオススメできる作品だ。
口コミ
ダウンロード数も驚きだったが、これだけ人気が殺到したゲームでありながら、口コミを見ても批判的なコメントが少なく、GooglePlay、AppStore共に評価ポイントが4.5点という驚異的な結果を出している。
待ちわびているファンが多かった分、制作陣もそれに応えるべく完璧に作ったというところなのだろう。
『遊戯王 デュエルリンクス』の原作は筆者も懐かしさを覚えるほど古い漫画なのだが、そんな漫画がスマホゲームとしてリリースされ、往年のファンのみならず若い世代にも見事に受け入れられている。これほど素晴らしい事はないのではないだろうか。
ゲームのシステムもシンプルで分かりやすく、現在カードバトルの代表作品ともいえるシャドウバースから移住しているプレイヤーも多い様子。このスピードでの600万DL突破という事であれば、少し気が早いかもしれないが1,000万DLも決して夢ではないだろう。今年リリースのアプリゲームの中でも、最も今後が楽しみな作品だ。