本作は、同じ絵柄のブロックを選択して消していく、いわゆる「二角取り」形式のスマートフォン向けパズルゲームである。
「二角取り」の歴史は古く、遡れば1986年にマッキントッシュにてリリースされたアクティビジョン社製のパズルゲーム「上海」へと行きつくことになる。二角取りはそこから派生したルールの1つで、かつては「四川省」という名で、ゲームセンターのアーケードゲームや家庭用ゲーム機にて親しまれていた時期もある。
スマートフォン向けパズルゲームは数あれど、主流なのは3つの絵柄を合わせて消していく3マッチ形式で、二角取りを採用しているのはちょっと珍しく、パズルゲームに慣れたユーザーでも新鮮に感じられるかも。
ストーリー
絵柄そのままの、絵本の世界のような、優しくあたたかなファンタジーストーリーが展開していく。
プレイヤーが操るのは、かわいらしいパンダの「タンタン」で、ある日突然、何者かによって盗まれてしまった村の食べ物を取り返すために、冒険の旅へと出ていくことになるのだった。
はたしてタンタンの行く先には、何が待ち受けているのだろうか。
ゲームシステム
ゲームを始めると、動く漫画というか、絵本のような見せ方で、ストーリーが説明される。特に文字すらないものだが、明快に理解できる内容だ。
丸々としたキャラクターデザインに親しみがあり、すぐに愛着が湧いてくる。
ステージを進めていけば、主人公のパンダの他にも、犬や猫、馬に羊など、様々なカワイイ動物たちと出会うことができるだろう。
まずはチュートリアルのステージ1から、どんどん進めていこう。
ステージ数がとにかく多く、ボリュームは充分にある。
当然、先に進めば進むほど難しくなっていくわけだが、序盤のステージでも、高得点による星3つ獲得を狙うと、なかなかの手応えを感じられるだろう。
他にもコラボやイベントステージ、そしてデイリーミッションなど、ジャンルの割にはコンテンツが多く、飽きさせない作りになっている。
パズルのルールは超簡単。最大2回曲がるまでの直線状に位置する同じ絵柄のパネルが消せる、ということだけ。
絵柄合わせの神経衰弱ゲームというよりは、点と線を捉える空間パズルといった方が正しいか。
時間内に全てのパネルが消せればクリア。
奥のステージに進むほど、障害物やお邪魔キャラクターなど、様々な障害がクリアを阻もうとするだろう。
マップが一区切りつくようなステージでは、ボスキャラクターが待ち受けていることもある。
そしてなんと、本作には対人戦も用意されている。
きっと熱いパズルバトルが楽しめるだろう。
クリア報酬で獲得したコインや課金石「ダイヤ」を使って、ガチャを回すことも可能。
ガチャでは、様々な能力を持つペットを仲間にすることができる。
ペットは最大3体まで編成でき、連れていける。ステージ挑戦以上に、対人戦で大いに力になってくれるだろう。
グラフィックや音楽
ポップでキュートなデザインの動物たちがいっぱいに描かれた世界は、小さなお子様でも親しめる、たいへん情操に良いものになっている。
またパズルの絵柄も、お団子やくだもの、野菜に牛乳と、どれもたいへん美味しそうなもので彩られており、誰にでも分かり易いだけでなく、とても楽しい気分でパズルに挑むことができるようになっているといえるだろう。
総合評価
単純明快でありながら、ステージの作り方1つで、いくらでも難易度を上げることもできる「二角取りゲーム」の本質的な面白さをとことん味わえる作品。
とにかく絵柄がかわいく、どこまでも優しい世界が広がっているので、老若男女問わず誰でも楽しく遊ぶことができるし、癒しの効果を得ることもできることだろう。
1ステージにかかる時間も短く設定されているので、ちょっとした息抜きにもぴったりだ。
それでいて、LINEの友だちや世界中のプレイヤーと競い合うこともできるので、パズルゲーム好きのヘビーユーザーでも、きっと満足することのできるゲームとなるのではないだろうか。