本作は、アメリカンコミックの大人気出版社「MARVEL」の作品に登場する大人気スーパーヒーローやヴィラン（敵役）を題材としたオールスターゲームで、内容はコマンド選択式のＲＰＧとなっている。

ハリウッドでの度重なる実写映画化のおかげで、日本でもすっかりお馴染みとなったキャラクターたちを、普段の敵味方の関係を超えて、プレイヤーの好きなようにチームを組めるということで、ファンならきっと楽しむことができる作品といえるだろう。

２０１８年４月現在、登場キャラクターは既に１００人近くとなっており、なかなかマニアックなキャラクターまで使用することができる。さらに大人気シリーズ「X-MEN」のキャラクターも登場。まさに「夢の組み合わせ」が可能なゲームなのである

ストーリー

地球侵略を目論む謎の敵「ウルティマス」によって、突如として「異次元のオーブ」に閉じ込められてしまったスーパーヒーローとヴィランたち。

そのオーブを解放することのできる能力を持ったプレイヤーは、助けることのできた「スパイダーマン」や、スーパーヒーローの管理組織「S.H.I.E.L.D.」と力を合わせ、オーブを探し出し、解放して、ヒーローとヴィランの垣根を超えた「S.T.R.I.K.E.」チームを結成し、一丸となって侵略者に立ち向かっていくのだ。

歴史の長いマーベル作品では、様々な設定や世界線が存在するが、基本的には最新の実写映画版を基にしてストーリーが作られており、そちらで既に顔見知りのキャラクター同士は初めから和気あいあいとしていたりと、ファンならばきっとニヤニヤと会話劇を楽しめること間違いなし。

ゲームシステム

基本的には「キャンペーンモード」を攻略して、メインストーリーをどんどん進行していこう。ストーリーが進めば仲間になるヒーローやヴィランが増えていき、パーティを強化することができる。

他にもチャレンジモードや連闘でポイントを貯めていくゲームモード、他プレイヤーと同盟を組んでのレイドボス戦など、様々なコンテンツが用意されている。

キャンペーンモードのステージだけでもかなりのボリュームがあり、簡単には遊び尽くせない。

さらにイベントステージなども配信されており、特定のヒーローやヴィランを仲間にするための挑戦が楽しめる。

バトルはオーソドックスなターン制コマンド選択式。

オートや倍速の機能も備わっているので、アイテム集めの周回プレイもストレスなくできるようになっている。

ステージの前後にはアドベンチャーパートもあり、キャラクター同士の会話劇を楽しむことができる。

これまで実現しなかったキャラクター同士の会話も拝めるのがまた嬉しい。

キャラクターは、ステージクリア報酬やガチャで「オーブの欠片」を集めることで獲得できる。

装備品によるアップグレードやアイテムを使ってのレベル上げなど、育成要素もあり、やり込み度も高い作品といえる。

グラフィックや音楽

グラフィックは最高峰といえるほどの超高クオリティ。キャラクターだけでなく背景やメニュー画面に至るまで、実に美しく描き出されている。

またそこに、実写映画版を見ているような鮮やかでアグレッシブな演出が加わったことで、バトルシーンの完成度はきわめて高いものとなっている。

さらにそうしたシーンはランダムで変化していくように設定されているので、同じアクションを繰り返し延々と見なければならないなどといった退屈さはなく、かなり長い時間、バトルを新鮮な気持ちでプレイしていくことができるようになっている。

とにかくキャラクターの動きが素晴らしいので、これからのキャラクター増加が楽しみで仕方ならない。

総合評価

細部に至るまでかなり丁寧に作り込まれた作品で、シリーズやキャラクターのファンならば、きっと楽しむことができるはずだ。

また、そうしたファンのみが楽しめるゲームかというと、メインストーリーの分かり易さやキャラクターの明快さが実に鮮やかに描写されているので、新規ユーザーの入門編としても機能しているように思える。この作品をきっかけにして映画版やコミック版に触れたというユーザーも出てくるのではないだろうか。

ＲＰＧとしてはオート機能で楽々と遊べるというもので、歯応えを求めるヘビーユーザーにはちょっと物足りないところがあるかもしれないが、育成要素やステージごとの目標設定などが豊富で、ゲーム性はきちんと備わっているといえる。

とにかくゲームバランスが絶妙で、テンポが良いので、幅広い層のユーザーが楽しめるゲームといえるだろう。