日本国内のメーカーである株式会社DMIより配信されている本作は、多種多様な文明、民族、時代を超えて資源と国力を争っていくスマートフォン向けリアルタイムストラテジーゲームだ。
都市開発と戦争をひたすら繰り返す内容は、モバイルストライクなどで隆盛したゲームシステムで、もはや多くのユーザーにとって馴染みのあるものといってもいいものだが、国内産というのはなかなか珍しい。
ストーリー
プレイヤーは諸王の1人となり、国を造り、国力を増し、文明を発展させ、自国を守り、他国を侵し、世界を統一する皇帝を目指していく。
ゲーム開始時には、国旗の選択の他、プレイヤーの兵科を、歩兵・弓兵・騎兵・アサシンの中から選択することができる。
選んだ兵科の将軍が6人提示されるので、好きな見た目の将軍を選択し、スキンカラー(肌の色)を決め、これからの長い時間を共に過ごしていくパートナーとしよう。
ゲームシステム
なにはともあれ、まずは施設がなくては話にならない。城内に訓練所や研究所を建設し、軍事力や文化などを発展させていこう。
そうした建設には資源が必要となるので、併せて城外に、農地や採掘場を作る必要がある。
資源が溜まれば、施設のアップグレードを行うことも可能。
そしてある程度国力がついたら、今度は防衛のための設備を導入すべし。
他プレイヤーはハゲタカのように資源を狙って襲い掛かってくる。城壁の強化はもちろんのこと、監視塔や罠の建設、駐留部隊の配置など、入念にやっておかなければならない。
もちろんこちらから他国に進軍し、略奪を行うこともできる。
また国の周辺を脅かす山賊や海賊などの敵を討つこともできる。
戦争は全てオートで進行。ターゲットを指定すれば、あとは全てよしなにやってくれるぞ。
勝利すれば、資源や素材などを入手することができる。
クエストやイベントが多く設定されているので、これらをこなして便利なアイテムの数々を獲得していこう。
資源や素材を用いて、例えば研究所などをアップグレードしていけば、より上位の兵種を解放できるなど、様々な発展を遂げることができる。
鍛冶屋を建設すれば、将軍の装備品を製造することも可能だ。
建設に研究、製造に開発と、できることは山のようにある。
さらに本作独自の、王家の書というシステムなど、やり込み度も高い。
なかなか簡単には遊び尽せない、ストラテジーゲームに相応しい大ボリュームな内容だ。
グラフィックや音楽
グラフィックはなかなかのもの。音楽の雰囲気がどうにも世界観と適合していなかったり、演出面などにいささか弱さが見えるなどあるが、全体的にはクオリティは高いといえる。
ただせっかくの日本国内産ゲームなのに、海外製そのままのようなデザインで作られてしまっているのはとても惜しく感じられてしまった。そこに独自性があるだけで、もっと大きく評価が変わったのではないかと思う。
それでもチャットや、ギルド機能である「連盟」の使い易さや見易さは、さすが日本製といったところか。
ガイド機能も充実しており、ユーザーフレンドリーなところが窺える。
総合評価
よくあるストラテジーゲームとしては、そこそこ良くできているように思える。とりわけ初期は、クエストやイベントの報酬で初期の建設や訓練を短縮できることもあってか、スピーディに都市の発展を達成することができ、やり応えと達成感を得ることができるだろう。
ただ中盤以降は、課金ユーザーと無課金ユーザーの差が大きく開き、逆転が絶望的になるどころか、ただ資源を提供するだけの餌になってしまうこともある。唯一の対抗手段は、とにかく長く遊び続けることであるが、その努力も1回の課金でまた大きく差を付けられてしまう。
強い連盟(ギルド)に所属していないと、生き残ることも難しいような状況であるが、しかしその連盟に相応しい力がないと、仲間には入れてくれない。なんともかなり厳しいゲーム内容だ。
しかしこれはゲームバランスが悪いということではなく、この手のストラテジーゲームにはどうしても発生してしまう現象に他ならない。
よって本作は、課金や時間など、様々な余裕、あるいは覚悟を持った者だけが、挑戦できるタイトルであるともいえる。
そしてここでは、弱肉強食という、社会の構図そのものを体感することができる。このシビアさを楽しめるヘビーユーザーを、両手を広げて歓迎したい。どうか挑んでみてほしい。