エイリムより配信されている本作は、同社の人気RPG「ブレイブ・フロンティア」の5年後の世界を描いたスピンオフシンプルミニゲームで、ジャンルはクリッカーゲームとなっている。
プレイヤーは、伝説の召喚士に憧れる16歳の少年「ロイ」を操り、ちっちゃくてかわいい英霊たちを、スワイプアクションで次々に捕獲していく。
いつでもどこでも、ちょっとした合間に、息抜きがてらに遊べる超簡単ゲームだ。
ストーリー
「ブレイブ・フロンティア」における、召喚士たちと虹の女神ティリスの冒険譚から5年後……今や伝説となったその冒険、神々との戦いの物語に魅せられ、召喚士を目指すことになった少年ロイは、期待に胸を膨らませて訪れた帝都ランドールで、とある研究所の所長「ノエル」と出会い、英霊捕獲の任務を受けることとなった。
作品お馴染みの世界グランガイアを駆け巡り、100種を超える英霊たちを集める、ロイの大冒険が幕を開けるのであった。
ゲームシステム
冒頭や、ボス英霊捕獲の後などには、アドベンチャーパートが挿入され、物語が展開していく。
前作で活躍したキャラクターなども登場するので、ファンにはかなり嬉しい内容となっている。
操作は、画面上に無数に出現している英霊にタッチし、スワイプして装置へと放り込むだけ。ごくごく簡単な内容だ。
回収すると、英霊を入手できるだけでなく、経験値とお金も入手することができる。
一定数の英霊を集めると、次のステージに移動となり、その最奥にはボス英霊が待っている。
捕獲した英霊は、図鑑でプロフィールなどを見たり、メイン画面にある「待機所」にて簡単なコミュニケーションをとることなどもできる。
ゲート一覧からは、コイン消費で様々な「ゲートの狭間」へと飛ぶことができる。
そこでは一度にたくさんの英霊を捕獲することができ、レアな英霊の獲得も可能となる。
再度訪問するには、コインだけでなく、一定時間での回復も待たなくてはならない。
またプレイヤーのレベルが上がれば、新しいゲートを解放することができる。
更なる狭間へと挑み、英霊のコンプリートを目指そう。
グラフィックや音楽
あえてドット絵で描き出されたキャラクターたちは実に可愛らしく、どこまでもポップで優しい世界が広がっており、ほっとひと息つくことができる雰囲気がある。そういった意味では癒し系ゲームともいえるだろう。
またその絵の動きもたいへん細やかで、スワイプによる捕獲アクションに独特の気持ちよさを付与しているように思える。シンプルクリッカーゲームとはいえ、なかなかに手応えを感じられる作品だ。
BGMや効果音もとても耳心地よく、印象に残るし、高揚感を与えてくれる。どうやら元の作品「ブレイブ・フロンティア」で使われているものを今回も使っているようだ。前作経験者はなおのこと楽しくプレイすることができるのかも。
総合評価
ミニゲームと公式がジャンル付けしているように、ほとんどおまけ作品としかいえないシンプルで薄い内容の作品であるが、元の作品がそもそも良作であり、また今作においても油断せず丁寧に作り込んでいる印象を受けることができるので、なかなか侮れない、しっかりとした作品になっているようにも思える。
とりわけ簡単操作とコレクション性の高さの噛み合いぶりが良く、意外にも飽きが来にくいゲーム内容になっており、ライトユーザーにとっては、気楽に長く楽しめる佳作として高く評価することができるだろう。
ただ元の作品「ブレイブ・フロンティア」をプレイしていることが大前提となっている作りなので、この作品から新たに入っていくのは少々敷居が高いような雰囲気がある。特に設定やキャラクターの説明が不十分なので、知らない人にとってはわけがわからないという状況にしばしば陥ることもあるだろう。
またコレクション性が高い割には、育成要素が皆無であったりと、あと一歩及んでいない部分がいくつか見受けられるというのが実に残念。やり込みなどを求めるヘビーユーザーにはちょっと向かない作品だ。