世界的ゲームメーカーであるゲームロフト社による新作は、ヨーロッパ産のゲームらしいダークファンタジーもので、そのゲーム内容はアクションアドベンチャーRPGである。
舞台となるのは中世ヨーロッパ調の王道的ファンタジー世界。プレイヤーはテンプル騎士団の騎士ダミアンを操り、魔王バールを崇拝するカルト信者たちや闇の勢力と戦うことになる。
簡単操作でスタイリッシュなアクションの数々を繰り出せる爽快感溢れるバトルと、コンシューマーゲームレベルの圧倒的に美麗なグラフィックにより、とても基本プレイ無料のスマートフォン向けゲームとは思えないほどの、超高クオリティ作品となっている。
ストーリー
プレイヤーは勇敢で屈強な騎士ダミアンを操って、美しく描き出された中世ヨーロッパ調の世界で冒険を繰り広げていくことになる。
物語の始まりは辺境の村から。ダミアンたちテンプル騎士団に、何故か町の衛兵が襲いかかってくるところから、全てが始まるのであった。
幾多もの戦いの果て、やがてダミアンは、王国を脅かす陰謀の阻止、闇の勢力との戦いへと身を投じることになっていく。
はたして、いにしえの予言の通り、魔王バールが復活してしまうのか。この世は地獄へと変わってしまうのであろうか。
ダミアンが伝説の救世主「アイアンブレイド」になれるかどうかは、全てプレイヤーの腕次第なのである。
ゲームシステム
コンテンツ数はまずまず。
初めはストーリモードしかプレイできないが、進めていけば領地などのコンテンツが解放されていく。
ログインボーナスや時間帯ボーナスなどが豊富なのも洋ゲーらしい作り。
ステージ報酬やガチャなどで装備品を入手できたら、すぐに付け替えていこう。
ステータスが変化するだけでなく、見た目もその装備品の通りに変化する。
移動はオート、攻撃は画面右側をタップというシンプル操作。
攻撃は敵との距離に応じて、近距離と遠距離が切り替わるようになっている。
また敵の攻撃に合わせて画面左側をタップすれば、相手の攻撃をガードすることができる。
敵を全て倒せばステージクリア。
ステージの合間などにはアドベンチャーパートが挿入される。
絵に負けない重厚なストーリーが展開していく。
グラフィックや音楽
グラフィックやサウンドなど、あらゆる面のクオリティが高く、もはや基本プレイ無料のスマートフォン向けゲームとはとても思えないレベルのものとなっている。
ただそれだけに必要容量は2ギガ以上かかる。またサクサク軽快に動かすには、ある程度のスペックも必要となるだろう。
また本作にはゴア表現(流血や人体損傷)が多く見られるため、未成年や苦手な人はプレイしない方がいい。
それらが問題なければ、大作ファンタジー映画や歴史映画を観ているような雰囲気でゲーム世界を楽しめる。
海外声優の演技も良く、テキストもなかなか素晴らしい。
しかしガイドのテキストの一部だけはローカライズに失敗しているようで、渋い眼帯の隊長がなぜか美人秘書めいた喋り口調になってしまっているなど、明らかな問題点も見受けられた。おそらくすぐに修正されるのではないかと思うが、これはこれで珍妙な味わいが……いや、せっかくの世界観が大きく損なわれてしまうので、このままではいけないわけだが。
総合評価
実際の中世ヨーロッパを基調とした重厚な世界観やゴア表現などのハードコアさは、実に洋ゲーならではの雰囲気があるといえる。
またそれは実際のゲーム内容に多く見られ、ガードやカウンターを確実に入れていく必要があるシビアさなど、シンプル操作でありながらかなりのテクニックが求められていたりと、なかなか一筋縄ではいかない。
なので、ゲームに歯応えを求めるヘビーユーザーを中心にオススメできる作品といえるだろう。
もちろんライトユーザーや、アクションRPG初心者にも、充実した育成要素もあるので、問題なくゲームを楽しむことができるはず。クリアできなければ、周回やガチャで強い装備を求め、圧倒的な力を身につけてしまえばいいのである。
領地戦など、やり応えも達成感もある対人戦コンテンツもあり、かなり長く遊び続けられるボリュームとなっている。
それにしても、もはや無料ゲームとは何か、スマートフォンゲームとは何かと、不必要にも考え込んでしまうほどの高いレベルを持った作品である。こうなってくると、コンシューマーゲームの方はますます商売がたいへんになってくることだろう。
今後、ゲーム業界がどうなっていくのか、まったく予想がつかない。