レイマンとは、フランスの大ゲーム会社「ユービーアイソフト」のマスコットキャラクターで、これまで多くの同名シリーズ作品もコンスタントに作られ続けてきた。
日本ではそれほど知名度は高くないように思われるが、世界的には認知度はかなり高く、大人気キャラクターといってもいい。
本作「レイマンアドベンチャー」は、スマートフォン向けに作られたレイマン作品でも、もう3作目に数えられる。
見た目こそシリーズお馴染みの横スクロールアクションゲームであるが、実際の内容は流行りのランニングゲームとして作られており、ユニットがオートで走り続けるといったものになっている。シリーズの中では、新たな試みを盛り込んだ新作として位置付けることができるだろう。
シリーズのファンにとっては新鮮であり、新規ユーザーにとっては新たに入っていき易い雰囲気がある。
ストーリー
物語は、レイマンとその仲間バーバラが、聖なる木に命を戻してくれるクリーチャーの「たまご」を探す大冒険を繰り広げるというもの。
伝説の世界をくまなく探検し、たまごを見つけてクリーチャーを集め、謎の古代遺跡に隠された秘密を解き明かしていく……と、まさに「アドベンチャー」といえる内容だ。
多種多様なステージは、どれも美しく魅力的。スマートフォンの小さな画面でも、一大スペクタクルを堪能することができるだろう。
公式の説明
森が苦しんでいる・・・聖なる木を支えていたタマゴが盗まれ、世界中に散らばっちゃった。
レイマンとその仲間たちと一緒にクリーチャーのタマゴを助け、聖なる木に新しい命を吹き込む新しい冒険にでかけよう!
ゲームの特徴
・アクションいっぱいの冒険に出かけよう
・すべてのクリーチャーのタマゴを探して、手に入れよう
・クリーチャーのパワーを借りて、壮大な冒険をクリアしていこう!
・クリーチャーたちのお世話:クリーチャーにエサを上げて、一緒にプレイ、そしてミュージックをつくろう!
・みんなと競争して、聖なる木を育てて世界一高くしよう!
・豪華なグラフィックと最高の操作性で最高の冒険を始めよう!
ミノタウルスとバトル、ジャンプいっぱいのアクション、他にもモンスターがいっぱいのレイマンアドベンチャーをプレイしよう!
たくさんの神秘的なエリアを旅して、中世の城やオリンパスの神話の世界を巡り、隠された秘密を解き明かそう!
ゲームシステム
使用できるキャラクターはレイマンにバーバラ。他にもあと2体仲間になるらしく、メニュー画面ではシルエットで表示されている。特にステータスや動きに違いなどはないようなので、好きなように選んでスタートしよう。
なお、課金すれば見た目を大きく変化させることも可能。ファンには嬉しいサービスといえるだろう。
オートで走り続けるキャラクターは、タップでジャンプしたり、壁を蹴ったりとアクションをとる。左右スワイプでは敵や障害物にアタックしたり、方向転換をしたりしてくれる。また下スワイプではボトムアタックという動きを見せてもくれる。
ノーマルなアクションステージだけでなく、ギミックを駆使して道を切り開いていく探索ステージや、敵を倒し続けるラッシュステージなど、ステージの作りは様々だ。
全てのアイテムを回収できれば、パーフェクトクリアの評価がもらえて、多大な報酬を獲得することができる。
報酬にはアイテムだけでなく課金石も含まれているので、狙うはもちろんパーフェクトだ。
多彩なステージの数々は、なんとそれぞれクリア条件も異なる。
隠されたアイテムやルートを探し当てたり、敵を全滅させたりと、これまた多種多様に揃えられている。
やり応えはかなりあるゲームだ。
BGM・グラフィック
さすが天下のユービーアイソフトといったところか。グラフィックから動きまで、全てが美麗で、滑らかで、生き生きとしている。演出も細かく、1つ1つが丁寧に作り込まれており、あらゆるアクションに手応えを感じることができるだろう。
短い期間で大量に作られ続けているシリーズ作品ではあるが、決して量産型の凡作などではない。クリエイターたちの熱いエネルギーに満ち溢れた、きわめて完成度の高い作品である。
総合評価
初めに書いた通り、シリーズファンでも新規ユーザーでも楽しめる作品である。全体的な完成度の高さ、抜群の操作性、ランニングゲームの特性を活かした巧みな作りと演出、そしてスタミナ制を廃止していくらでもプレイし続けていられるという太っ腹さなど、間違いなく良作といえる要素で溢れている。内容もたいへん分かり易いので、どんなユーザーでも気楽に楽しむことができるはずだ。ぜひとも一度、お試しいただきたいものである。
ただ問題としては、見た目と違ってかなり高い難易度であるのは、さすが洋ゲーといったところか。例えば隠しルートの発見などは、かなりやり込まないと難しいのではないかと思う。またサポートキャラクターとなるクリーチャーと挑戦するステージの相性を見極める必要があるなど、実は戦略性も高いゲームなのであった。
そんな厳しめなゲームレベルの他にも、次のステージに進むと前のステージには戻れなくなるなどといった、かなりハードコアな設定がまたプレイヤーをいちだんと苦しめてくる。パーフェクトクリアを達成するには、初めから何度もトライし続けなくてはならないのである。
この一筋縄ではいかない内容には、アクションゲームに自信のないライトユーザーなどには、ちょっと合わないところがあるといえてしまうのかも……。