「買わなきゃハドソン！」……といったキャッチコピーも今は昔。気が付けば権利はコナミに移り、本作も「コナミデジタルエンタテインメント」より配信されている。

キャラクターを動かしながら爆弾を設置し、爆発と爆風で敵を倒していく。

たったこれだけのシンプルな内容でありながら、多くのシリーズ作品が作られ続け幅広い世代に愛されてきた傑作……

それがどうであれ今も楽しめるというのはたいへんありがたいものがある。しかもスマートフォンという環境で、基本プレイ無料で！

そして本作はスマートフォンという環境に合わせたアレンジや、オンライン対戦の充実など、秀逸な作りとなっている。

オールドゲーマーだけでなく、新しい世代のプレイヤーたちも熱狂できる完成度だ。

ストーリー

シンプルなアクションゲームでありパーティーゲームである本作には、取り立てストーリーは用意されていない。

長いシリーズの中、ストーリー性のあるものも作られたこともあったが、本作ではとにかく気軽にステージ挑戦やオンライン対戦を楽しめるようにするためか排除されている。

初めは主人公たる「しろボン」しか使用できないが、ステージを攻略していくと稀に他キャラクターが乱入してくることがあり、これを撃破すると入手することができる。

また既に入手しているキャラクターが再び乱入してきて撃破した場合、そのキャラクターのレベルが上昇し火力などのステータスが増加する。

ゲームシステム

とにかく快適に遊べるように設計されたシステムは素晴らしいの一言。

老若男女問わず誰でもすぐにゲーム内容を理解し、操作することのできる基本的なシステム自体は過去の名作そのままのものである。

それを単純に再現しただけでなくスマートフォンという環境に合わせた絶妙な調整や細かいアレンジが実に良くできていて、ひたすら感心してしまう。

ステージはスタミナ制で進行していくスマートフォン向けゲームらしいシステムだが、ミスをしなければスタミナは消費されず、いつまでもプレイし続けることができる。

また消費したスタミナも動画広告を見れば回復するので、アクションが苦手な方でも未課金でステージに挑み続けることが可能だ。「コインいっこいれる」必要はないのだ。

操作はスワイプで移動、タップでボム設置とこれだけ。

敵に触れてしまったり自分で置いたボムの爆風に巻き込まれると敗北となり、スタミナが消費されてしまう。

ボムでブロックを壊すとアイテムが出てくることがある。

アイテムには「爆風の範囲拡大」や「ボムの数増加」や「移動速度の上昇」などがあり、まずは自キャラのパワーアップを計ることがステージ攻略の鍵となるだろう。

ひたすらステージをクリアしていくシングルモードの他には、他プレイヤーとのオンライン４人同時対戦や、自由にルールを決められるフレンドとのオンライン対戦など、なかなかコンテンツも充実している。

対人戦ではＢＰ（バトルポイント）という数値を得ることができ、この数で自分のランキングが決まる。

上位ランキングを一定期間保ち続けると、特別な報酬が貰える。

このランキングは自分の持つ段位によってグループを振り分けられるので、実力が近い者同士で競い合うことができ、より白熱したバトルが楽しめることだろう。

なお段位は対戦成績によって上がったり下がったりする。

グラフィックやBGMなど

ステージやアイテム、そして演出などを見ると懐かしさというか「そうそうコレだよコレ」という感覚が湧き出してくるものがあるが、キャラクターデザイン……

特にボンキャラの頭身などには、違和感があるというか「コレじゃない」感が半端ない。

などというめんどくさいオールドファンの拘りは置いておいても、単純にちょっと気持ち悪いデザインに見えるのではないか？とも思う。

せっかくだから、今の子どもたちにも響くような、可愛らしいデザインにしていただきたかった。

総合評価

上記のキャラクターデザイン以外はきわめて忠実な「あの頃遊んだボンバーマン」が忠実に再現されていて、懐かしくなると共に思わず時間を忘れるほど熱中してしまう楽しさを覚えることができた。

それでいて本作は単なるノスタルジーに浸るための作品にはなっておらず、オンライン対戦の充実やランキングのシステム、さらにシングルモードでもキャラ入手や育成などといった現代のスマートフォン向けゲームらしいやり込み要素もふんだんに盛り込まれている。

これで初めてボンバーマンというゲームに触れる新しい世代の人にも、きっと楽しむことができるだろう。

たいへん完成度の高いゲームとなっている。

ニコ生との連動など、今後も様々なアップデートやイベントが企画されているようなので、ライトユーザーもヘビーユーザー共にますます楽しめる作品となっていくことだろう。