ファンユーより配信されている本作は、日本人にもお馴染みの三国志の世界を題材としたRPGで、プレイヤーは天下統一を目指す主君となり、武将たちを集めて謎の幻霊と戦っていく。
バトルはオーソドックスなターン制のコマンド選択式であり、あまりに作られすぎて三国志作品はもう正直飽き飽きといった人も多く、なかなか求心力が弱いのではないかと思えるのであるが、実際にプレイしてみるとこれがびっくり、なんとも珍妙な、独自性に溢れた作品であった。
まずは世界観のぶっ飛び具合、設定のハチャメチャさに驚かされる。三国志なのに、弾丸やビームが飛び交い、魔法や仙術の技が炸裂。武将は巨大化するし、巨大ロボットにも乗る。
台詞はメタ発言や楽屋ネタ満載で、ギャグ作品が好きな人はかなり楽しむことができそう。
ストーリー
「もう1つの三国志ストーリー」というキャッチコピーが公式に出ているが、プレイした者は「こんな三国志があるか!(笑)」と思わずツッコミを入れてしまうだろうと思えるほどの、トンデモな内容となっている。
主人公(プレイヤー)は、幻霊と戦うために救世主として召喚された異世界転生者。男主人公か女主人公と選択でき、どちらも台詞がちゃんと異なるのであるが、どちらもなんというか、軽薄というか、凄いノリ。武将の勧誘をナンパみたいにするし、愛車はベンツとか男は財力とか言い出すし、平気で汚い手段をとろうとする。
コミカルな会話劇やギャグ展開の連続なので、ツボにはまった人は笑いが止まらなくなるかも。
公式のアプリ紹介
ゲームシステム
まずはプレイヤーユニットを男女4体の中から選択しよう。
物理か魔術か、自分のプレイスタイルに合ったタイプを選ぼう。
見た目に後に着せ替えが可能。ユニークな装備が多く、アバターカスタマイズがとても楽しい。
拠点からクエストに出てストーリーを進めていくのが主な内容。
対人戦や採集などのコンテンツもそこそこ揃っており、やれることは多い。
特に対人戦は、いつでもできる決闘以外にも、集団戦や協力戦、そして毎日定時に開かれるリアルタイム戦など、かなり豊富に揃えられている。
クエストでは、バトルの前後に会話劇が挿し込まれる。
愉快なテキストで、ボイスもあり、楽しくステージ攻略をしていけることだろう。
ボス戦は迫力の画面に変わる。
ユニットごとのスキル、属性と相性、攻撃範囲などをよくよく検討してパーティを組み、戦闘を有利に進めていこう。
スマートフォン向けRPGらしく、オート機能や3倍速などもあり、気軽にステージ挑戦が可能だ。
グラフィックや音楽
グラフィックはまずまず。今どきのスマートフォン向けRPGの水準は保たれているといった印象。はっきりいって、目立って良いといったところは見当たらないのであるが、巨大ボス戦の迫力はアングルの変化や演出もあって、なかなか見応えのあるものになっている。
SDキャラ調にデフォルメされたキュートなキャラクターデザインは素直に良いと評価できる。
そうしたキャラクターたちには、実力派の声優たちによる魅力的なボイスも付けられていて、より濃く、より存在感のあるものになっている。
男女共に親しみがあり、個々の台詞やエピソードも本当に面白可笑しいので、キャラクター集めについつい熱が入ってしまうことだろう。
総合評価
三国志好きというより、ギャグ作品やパロディ作品が好きなユーザーにこそオススメできる作品。というか、あまりにおちゃらけすぎた内容なので、純粋な三国志ファンはちょっと怒ってしまうかも?
ネタをネタとして楽しめる人には、これ以上なく愉快な作品となるだろう。ギャグのテンポもなかなか落ちず、終始ハイテンションというのがまた良い。ボスキャラの巨大化に慣れた頃には巨大ロボットが登場するわ、ドラゴンが召喚されるわで、なかなか飽きが来ない。
ただRPGとしてごくごく普通の作りなので、物語に乗れないとプレイし続けるのはいささか厳しい。
育成要素などもきちんと作られてはいるものの、やはり目新しさがなく、魅力的な材料にはなっていない。
ストーリー重視のRPGファンであれば、多彩のキャラクターによる大活劇を楽しめることだろう。