『エターナルメイズ』は表示されたお供の妖精を動かして迷路を解くことで敵を攻撃することができるという、ちょっと変わったRPGだ。迷路RPGと銘打たれているが、パズルRPGあるいはパズルダンジョン攻略型RPGといった方が分かり易いかも?
パズルを解くことで敵を攻撃できるといったタイプの作品はこれまでいくつも作られてきたが、『エターナルメイズ』ではそのパズルが「迷路ゲーム」になっている。
迷路内にはパーティキャラクターと連動した色のドロップやアイテムが落ちており、それを回収しつつゴール地点に到達することができると、獲得した数に応じたコンボやダメージ量として攻撃値に変換されるのである。
アプリの特徴
迷宮の妖精「ラムネ」に誘われ、迷宮探索をすることとなった美少女だらけの冒険者パーティー。はたして迷宮の奥には何が待ち構えているのか……
……と、だいたいこれくらいしかストーリーも設定も用意されておらず、特に深いドラマや複雑な展開が待っていたりはしない。実をいうと冒険の目的もいささか曖昧だったりするので、RPGにストーリー性を求めるプレイヤーにはちょっと向かない作品なのかも。
キャラクターはどういうわけか美少女ばかり。ごく普通の冒険者風の子から天使や悪魔としか思えない外見の子など多種多様であるが、どれも可愛い女の子。男など一切存在しない。いや、敵には男性が見受けられるので、この世界では男は悪しき存在という設定なのかもしれない。
ある意味で謎多き作品である。とにかく美少女ゲーム、ギャルゲー好きなどにはオススメできる設定のゲームといえるだろう。
ゲームレビュー
まずは3人の美少女から1人を選択し、初期パーティのリーダーとしよう。赤・青・緑と、属性が分かり易くてありがたい。
すぐにクエスト報酬やガチャによってキャラクターは増やせるので、まずは第一印象で決めてしまっていいだろう。
冒険のパートナーとなる妖精「ラムネ」から指導を受けられるチュートリアルが開始。基本的には簡潔なシステムなので、すぐにゲーム内容を理解できるはずだ。
コンテンツ数はそれほど多くなく、ひたすらクエストに挑み、ダンジョンに潜り続けることくらいしかできない。
パーティ編成は5体。あと1体はフレンドや他プレイヤーのリーダーユニットを助っ人として加え、戦うことになる。ユニットには固有スキルの他に、パーティ全体に効果をもたらすリーダースキルなどもあるので、自分のスタイルに合った編成を行おう。
必要な操作はスワイプのみ。画面下にいる妖精を操作して、ダンジョンの出口を目指して進むのだ。
突破できればパーティがモンスターを一斉攻撃。1迷路1ターン制で、倒しきれなければ反撃を食らってしまう。
総合評価
はっきりいって、全体的にクオリティは低い。特に美少女キャラクターで売りであるはずだろうに、その絵がどれもチープで、あまり魅力を感じられないのが残念。中にはこの一時代前の同人ゲームを思い起こさせる絵を、味わいとして楽しめる人もいるだろうが、それにしてもオリジナリティも薄いという点はいただけない。どこかで見たことあるような美少女ばかりなのである。
音楽や効果音なども低クオリティ。特にエフェクトにはやる気すらも感じられない。ただ二分割したゲーム画面の見易さと遊び易さなど、ゲーム設計やデザインには、努力と志の高さを感じ取ることができる。
他にも、ボードゲームの駒のようにユニットを表現している点なども個人的には好み。立ち絵と違って悪くはない。パズルRPGのパズルを迷路に置き換えたという発想が全てで、肝心のゲーム自体が現代の同人ゲーム以下という低クオリティさなので、とにかく残念に思えるゲームである。
迷路を解くことがコンボに繋がるというバトルシステムはたいへん面白く、興味深い。またそこに属性やアイテム効果などの要素が盛り込まれ、戦術に幅があるなど、RPGの戦闘システムとしてもなかなか優れているのでないかと評価することができる。
ただ制限時間制の緊張感が、もっさりとした妖精の動き、操作性の悪さ、全体のテンポの悪さによって、ただのストレス発生装置になってしまっているのが問題。これでは迷路を解く楽しさも消えてしまう。
またスキルや属性を考えたり、多くのコンボを繋いでいかなくても、比較的あっさり勝ててしまう敵の弱さなど、ゲームバランスの悪さもある。これでは達成感も感じられない。
それでも簡単ゲームとして気軽に遊び、ちょっとした休憩がてらにクエストに挑戦したりして、豊富に入手できる課金石を使ってガチャを回し、豊富な美少女キャラクターたちを集めていくという楽しみ方もあり、決して魅力のないゲームともいえないところがある。
パズルRPG好きや美少女ゲーム好きのプレイヤーには、合うかどうか一度お試しいただきたい作品だ。