本作は100種類以上の妖怪を召喚して戦わせるタワーディフェンス形式のシミュレーションRPGである。
スマートフォン向けゲームということで、操作は簡単、ルールも簡単。老若男女問わず、誰でも楽しく遊べるよう作られている。
猫又や雪女といった、日本人にとっては馴染み深い妖怪から、古い文献を読まなければわからないマニアックな妖怪まで、かわいくファンシーなデザインで描かれており、しかもひょこひょことアニメーション付きで動くので、キャラクターものとしても楽しく遊べそう。
ストーリー
妖怪の総大将を決めるため、1000年に1度だけ大合戦が開かれる。プレイヤーはその参加者の1人として、多くの妖怪たちを率いて戦うことになる。
とにかくキャラクターが豊富で、どれも個性的。基本的には可愛らしい妖怪ばかりだが、中にはガチで怖い、気持ち悪い妖怪もいる。それはそれで愛着が湧いてくるから面白い。
また妖怪なのか首を捻りたくなるユニークな都市伝説系のキャラクターまでいて、たいへん興味深い。
互いに大量の妖怪を召喚して「戦争」する様子は、まさしく「百鬼夜行」であり、趣もある。
ゲームシステム
まずは可愛い座敷童子ちゃんのナビゲートに従って、チュートリアルをクリアしよう。
そもそも簡単な内容のゲームなので、ここで基本的なことは全て理解できるはずだ。
コンテンツは、クエストに闘技場にギルドにと、スマートフォン向けゲームによくあるものが一通り揃っている感じ。
クエストにはマルチプレイもあり、軽快なマッチングでソロと変わりないスピードでゲームを楽しむことができる。
ソロにもマルチにもそれぞれイベント戦が設けられており、やり応えは充分にある。
バトルは基本オート。編成してある妖怪のアイコンをタップすれば、画面左側の自軍拠点から出撃し、敵陣のある右方向へと進み、敵や拠点を攻撃してくれる。
召喚は時間経過で蓄積される妖力を消費して行う。
またチームリーダーに設定した妖怪のゲージがいっぱいに溜まると、強力な必殺技を放つこともできる。
敵拠点を攻め落としたら勝ちとなる。
妖怪はクエスト報酬と、ガチャで入手することができる。
強化や進化や覚醒など、よくある育成要素もある。
グラフィックや音楽
作りは丁寧で、決して悪くはないのであるが、全体的に1時代前の携帯ゲームといった感じで、最近のゲームと比べてしまうと格段にクオリティが低いといわざるをえない。
バトルの画面だけでなく、メニュー画面やステータス画面など、ゲームデザイン自体が古臭く、時代に取り残されてしまった感すら覚える。
ただそれでも、キャラクターデザインがどれも秀逸なものばかりで、たとえボイスがついてなかろうと魅力的。気がつけば愛着が湧き、ゲームに集中してしまっている。
毎日引ける無料ガチャでも最高レアのキャラクターが排出されるなど、大サービスの内容もまた素晴らしいと思う。
総合評価
たいへん安定した内容のゲームである。そして妖怪ものという独自性と、強いこだわりもある。
さらにスマートフォン向けゲームということで、倍速やオートなどの機能もしっかり付けられており、いつでもどこでも気軽に遊びことができる。
また、操作もルールも単純明快で、難易度も低めと、ライトユーザーどころか小さなお子様でもプレイできるようなものになっているのも魅力の1つ。
ただそういったところから、ガチの戦術戦略ゲームを求めるヘビーユーザーには向かないといえる。
そして、安定した内容というのは、イコール、目新しさのない内容ということでもある。
同じような、横方向へのタワーディフェンス系作品は、既に多く世にあるので、経験者にはもうやる前から飽きが来ているといっても過言ではないのかも。
しかしながら、それでもキャラクターたちの存在感、ユーザーフレンドリーな設定など、良いところもたくさんある。
他にも、例えばマルチプレイが軽快なのも、大きな魅力の1つ。
美麗さや目新しさなどはなくとも、充分に、プレイする価値のあるゲームだと思う。