本作は、三国志のキャラクターや世界観を題材とした作品であるが、登場する武将が主人公の劉備以外はほとんどが女体化しており、ロマンスのタイトルの通りに恋愛アドベンチャー的なシナリオを楽しむことができるようになっている。
基本はRPGで、ギャルゲー要素が加味されたような作品。豊富なキャラクターを自由に編成し、リアルタイムで進行するレーン形式のステージバトルを駆け抜けていこう。
三国志が題材のゲームは星の数ほどあり、もはや女体化作品も珍しくなく、始める前から飽きが来ているユーザーも多いかもしれないが、だからこその安心感というか、安定した面白さを味わえるゲームとなっている。
超簡単操作で、全体的に難易度も低い作品なので、気軽に手を出せる作品でもある。
ストーリー
プレイヤーが操作するのは、漢王朝の血筋で乱世を憂い乱世の平定を志す少年、劉備。
その設定だけは特に変わった点はないのだが、ストーリーはなんと、女体化した曹操と恋に落ち、破局するところから始まる。もはやIF作品という以上に、キャラクター名を使っただけの別作品であるともいえるだろう。
そこから関羽、張飛と出会い、義勇軍を作って黄巾の乱に挑むという、いつもの流れになるのだが、当然2人も美少女化しており、義兄弟の契りも、義妹が2人できるという恋愛コメディー作品にあるような展開になっていく。
輸入作品のため、誤訳が多くテキストがたいへん読み難いが、アニメ好きやライトノベル好きにはすっかりお馴染みといえる内容なので、こういったジャンルに抵抗感さえなければ、問題なく楽しめるはずだ。
ゲームシステム
ステージ前後のアドベンチャーパートでストーリーが進行していく作り。
夢から醒めるといきなり女体化&妹キャラ化した簡雍(かんよう)が登場するという、硬派な三国志ファンが盛大にすっ転ぶプロローグがもうステキ。
ステージ数は膨大で、かなりのバトルを重ねなければストーリーが進行しないほど。
ただバトルは力押しで充分攻略していけるものなので、ミッション報酬などでガチャを回してユニットを増やしつつ、ガンガン進めていこう。
バトルフィールドはマス目上になっており、ユニットをスワイプで移動させ、敵を撃破したり、陣地を防衛したりしていこう。
基本攻撃はオートだが、アイコンタップでスキル攻撃を繰り出すことができる。
スマートフォン向けゲームらしく、フルオートや倍速機能がちゃんとついているので、誰でも気軽に遊ぶことができる。
コンテンツ数はかなり多く、プレイヤーレベルが上がるほどに解放されていく。
プレイヤーレベルはユニットのレベル上限ともリンクするので、率先してあげておく必要があるだろう。
グラフィックや音楽
テキストが誤訳や珍訳で溢れていたり、ボイスが重複していたり、キャラクターデザインにバラつきがあったりと、クオリティはお世辞にも高いとはいえないものがある。
特に「300人以上の個性豊かなキャラクター」という看板は明らかな誤りで、実際にはそこまでキャラクターは多くない。
ただコテコテの美少女系ライトノベルというか、古典的ギャルゲーを煮詰めて凝縮したような設定や展開には、ものすごいパワーのようなものを感じる。
コアな三国志ファンでもびっくりするくらいの超マイナーキャラクターにやたら執着している尖ったセンスも妙に気になってしまう。
数少ない少年キャラクターに見えた孫権が実は男装の美少女とか、かなり捻ったところも個人的にかなり気に入ってしまった。
引っかかる人は引っかかるという、不思議な力のある作品だ。
総合評価
珍作、奇作、あるいはバカゲーともいえる、なんとも妙に味わい深い作品。
三国志というネタが分かり、武将の女体化が許容できて、ギャルゲー要素を楽しめることが条件という、なんとも狭き門というか、かなり人を選んでしまう作品ではあるが、だからこそのインパクトというか、力強さがあるのだともいえる。
そして尖った内容ではあるが、ゲーム内容は平凡。誰でも気軽に遊ぶことのできるもので、それほど苦労せずともクリアしていくことができる。
とにかくゆるい雰囲気の美少女ゲームの世界に浸りたいと思えるユーザーにこそ、オススメできる作品といえる。声優によるボイスの付いた美少女キャラクターたちを集め、のんびり散歩を楽しむかのようにバトルをこなしていこう。