本作は、かつての「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」を彷彿とさせる山あり谷ありのアグレッシブかつダイナミックなコースを、バギーやトラックといった車両で走破せんとする、アクションレースゲームである。
バーチャルパッドによるアクセル&ブレーキ操作で車体の前後を揺らし、いかにバランスを保ち続けるかが鍵となる。ハラハラドキドキのレースとなることだろう。
難易度はかなり高めなので、クリアできない時は繰り返しのプレイで蓄積されるコインを消費して車両を強化し、攻略に臨もう。
完走タイムにより新しい車両が解放されたりもする。車両が変われば、また新鮮なプレイ感覚でレースを楽しめるはずだ。
ストーリー
ストーリーはいっさい用意されておらず、何故にこんなコースをひた走っているのかは謎に包まれている。
とりあえず、いかにも陽気そうなサングラスのドライバーが主人公らしいので、そんなに深い意味はないんだろうなぁと、ぼんやり思えるのであった。
とにかく車両のバラエティーが豊富で、ジープやバイク、果てには戦車にまで乗ることができる。あまりに購入費用が高くて簡単には入手できそうにないが、障害物を吹っ飛ばすことができるそうなので、ぜひとも操作してみたいところだ。
ゲームシステム
レースは並走形式で、隣のコースを他プレイヤーや自分のゴーストが走っている。競争しているわけではないので、攻略法やタイムアタックのための目印に使っていけばいいだろう。
画面右下にアクセル、左下にブレーキが表示されているので、状況に合わせて速度を調整し、車体のバランスを保とう。
競争ではないからゆっくりのろのろ走ってればクリアできる、というわけではない。
例えば画像にあるループは、一定以上の速度でないと回転途中に落下してしまい、即大破、ゲームオーバーとなってしまう。
他にもジャンプ台や落下する足場、落とし穴に爆弾と、びっくりどっきりな即死トラップがわんさか用意されているので、とても気を抜くことができない。
ゲームオーバーを繰り返しながら、トラップやコース形状を覚えていくしかないだろう。
攻略に詰まったら、レースで稼いだコインを使って、車両をチューンアップしよう。
性能を上げれば上げるほど、操作性が良くなり、難所を乗り越えやすくなる。
アクションゲームが苦手な人でも、ごり押しでなんとかいけるようになっているのは、たいへんありがたい作りだ。
少しも気の抜けないコースは、ハードコアなアクションを求めるユーザーにぴったり。あえて低スペックの車両で挑むのも面白いかもしれない。
タイムアタックの要素もあり、好タイムによっては新しい車両がアンロックされることもある。
コース数もなかなか豊富で、やり応え充分。
路面タイプなども設定されているので、コースに合わせて車両を変更することも必要となるだろう。
車両は多種多様に用意されており、それぞれ全く異なった走りを楽しむことができる。
また、好きなようにカスタマイズすることも可能。
自分だけの車両を作って、世界中のユーザーに見せつけてやろう。
グラフィックや音楽
グラフィックはなかなかのもの。コースや車両だけでなく、やたらと背景にもこだわっており、どこまでも美しいゲーム画面が続く。慣れない内はそんなものを楽しんでいる余裕なんて少しもないけれど。
さらに、ぶっ壊れた車両のパーツが飛び散る様や、ひっくり返った車両の車輪の空回る描写など、細部もしっかり作り込まれているので、たいへん見応えがあり、単純なゲーム内容ながらも、意外と飽きにくいものになっているように感じられた。
総合評価
シンプルゲームともいえる簡素な設計の作品なので、操作はきわめて簡単。きっと誰でも遊ぶことができるだろう。
ただ、その難易度は高めで、気楽に遊べるといったものではない。ゲームオーバーを繰り返し、コツやタイミングを掴んだり、あるいは車両のアップグレードを達成することによって、ようやくステージをクリアできるようになる、といった内容であるため、根気強さが必要となるだろう。
それでも1回の挑戦に必要となる時間は短く、とにかくテンポが良いので、アクションゲームが苦手であっても、ついついあと1回、もう1回と、プレイを繰り返してしまう妙な中毒性もある。
なかなかの時間泥棒なので、ハマり過ぎには注意が必要だ。