本作は、千年の時を経て復活した魔王とその魔物たちを、プレイヤーの操る勇者が叩き潰すというフルボッコバトルＲＰＧである。

勇者が使うのはこんぼうですか？　はがねのつるぎですか？　それともでんせつのつるぎ？　いいえ、マシンガンです。そうです、近接武器なんてもう古いので、遠距離攻撃できる現代兵器を使います。

とにかく画面をタップし、暗黒の魔物たちに鉛の弾を撃ちこんでいこう。連続してタップしていくと攻撃速度が増し、クリティカルも発生する。これはいわばクリッカーゲームともいえる作品だ。

ただでさえ強力な勇者たちは、さらにタイムマシーンを使って「強くてニューゲーム」までできるというチートぶり。

君のタップで、邪悪なる魔王軍に、一方的に撃たれ殺される痛さと怖さを教えてあげよう！（どっちが邪悪なのやら）

ストーリー

今から数千年前、勇者によって倒された大魔王がついに復活してしまった。時の王はすぐさま対策をとり、勇者の子孫に討伐を命じる。今ここに、伝説の勇者の長い冒険の旅が……始まらなかった。

千年も時が経てば、世界は魔王の想像もつかないほど科学の発展した時代となっていて、もはや魔法や魔物などが幅を利かせられる世の中ではなくなっていたのである。

暇を持て余していた勇者は、王様からコミュニケーションアプリを通して依頼されると、ネット地図で検索した魔王の城へとひとっ飛び。

かくして勇者は、屈強な傭兵たちと共に、ライフルやマシンガンといった現代兵器を駆使して、かつては凶悪強大であった魔王軍の魔物たちを、次々と血祭りにあげていくのであった。

ゲームシステム

数千年を経てやっと復活した魔王はやる気満々で世界征服に乗り出そうとする一方、王様と勇者は呑気なもので、コミュニケーションアプリでゆる～い会話をするだけである。

その呑気さも仕方ない。だってもう世の中は剣と魔法ではなく、引き金を引いて鉛の弾をぶち込む時代なのだから。

勇者は地図アプリに記載された魔王城へ、マシンガンを握り締めて突入するのであった。
 

浦島太郎状態の魔王様。その差は力や知識だけでなく、グラフィックにまで現われている。かなしい。

だが現代の状況など何も知らない部下の魔物たちは、血気盛んに勇者を迎撃に向かうのであった。

それが悲劇の始まりとも知らずに……。
　

画面をタップすると勇者が発砲し、相手にダメージを与えることができる。ゲージを削りきればコインを獲得することができ、コインはレベルアップなど様々なことにしようできる。また傭兵を雇うこともでき、雇った傭兵はタップする必要もなく全自動で敵を攻撃し続けてくれる。

右下の赤いボタンはフィーバーボタンで、フィーバータイム中はダメージが全てコインへと換算される。

クリスタルは基本能力やコイン獲得値などを上昇させることができる。タイムマシンを使って過去に戻るとレベルやコイン、傭兵等はリセットされてしまうが、このクリスタルで上げた数値だけは変化しないので「強くてニューゲーム」が可能となるのだ。
 

傭兵はどんどん増やすことができる。もうレーザー兵器まで飛び出すようになる卑怯さだが、さらに戦車なども用意されているので、コインを集める楽しみが増えるだろう。
 

グラフィックやBGMなど

コミカルさに特化したデザインだけでなく、レトロゲーム的なドット絵の使い方と、現代ゲーム的な肉感のあるグラフィックの融合度が凄まじくて、妙に面白く、味わい深い空間が作り上げられている。

コミュニケーションアプリの演出もたいへん愉快痛快で、圧倒的に強いだけでなく、あまりに和やかなその様子に、魔王様がどんどんかわいそうになってくることだろう（苦笑）

それにしても魔物のデザインがなかなか豊富で、どれも丁寧に書きこまれているので、グラフィッククオリティはかなり高い作品であるようにも思える。

プレイヤーの口コミ

なんと言っても世界観や勇者と魔王とのゆる～いやり取りが好評である。

さて皆さんのプレイしてみた口コミは…

マイナス面は単調な事と動作が重くなる、あと発熱の問題でしょうか？

それ以外は概ね良好なようです。

総合評価

きわめて単純なクリッカーゲームであるが、圧倒的な力量差で相手を叩き潰していく爽快感と、タイムマシーンというウルトラＣの戦略性との噛み合わせが実に絶妙で、よくできたシンプルゲームだなぁと感心する作品に仕上がっている。

合間のトークやストーリー展開も、ただ愉快なだけでなく、妙に引き込まれるものもあり、けっこう続きが気になってしまう。こういった作り込みも、この手のゲームにしては珍しい。なかなかの伏兵といえる作品だ。

お手軽ゲームとはいえ、この出来には、ライトーユーザーだけでなく、もっと広く、様々なプレイヤーにオススメできるだろう。