バンダイナムコエンターテインメントより配信されている本作は、大人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズを題材としたアクションRPGである。
ちょうど第4部のアニメ放映が終わったばかりということもあって、第4部のキャラクターをメインに、それまでの第1~3部のキャラクターたちも混ぜてのオールスター作品として仕上げてきている。
スマートフォン向けゲームらしい簡単操作で、3DCGで丁寧に描かれたお馴染みのキャラクターやスタンドが、ダイナミックかつ、あの「ジョジョ立ち」などの原作を忠実に再現した動きで、縦横無尽に暴れまわってくれるぞ。
ストーリー
プレイヤー(主人公)が、スタンド使いである漫画家・岸辺露伴と出会ったことで、スタンド能力に目覚めるというところから物語は始まる。
プレイヤーの能力は、様々なキャラクターたちのスタチュー(彫像)を動かして戦わせるといったものだ。その時、スタチューはちゃんとその人物のスタンドも発現できる。つまり、あらゆる能力を自在に操れるというわけである。なんというか、プッチ神父(第6部に登場するキャラクター)のホワイトスネイクみたいな能力だ。
ただし、スタチューはガチャでしか手に入らない。運気がなければ強い力は手に入らないのだ。現実と同じく、ゲームもそう甘くはないッ!!
公式のアプリ紹介
ゲームシステム
まずはチュートリアル……の前に名前を入力。
こんなところにも原作を活かした演出がなされており、胸が熱くなる。
本作には随所にこうした愛の溢れた演出があり、ファンにはたまらない作品となっているのである。
ストーリモードはアドベンチャーパートで進行していく。
フルボイスとはいっていないところはちょっと残念だが、随所にボイスは収録されている。キャストは最新アニメ版そのままだ。これは嬉しい。
配信開始から間もないこともあって、コンテンツはまだまだ揃っていないような印象。
クエストを進める以外にも、自分だけの街を作れるなどの機能もあるが、それもまだ発展途上のコンテンツといったところだ。
バトルはスワイプで移動し、ボタンタップで攻撃したり、スキルを使用したり、他2人のメンバーと交代できる。
下部中央の「ドドドゲージ」をタップすると、一定時間キャラクターが大幅にパワーアップ。いわゆるスーパーモードになるのだ。
グラフィック
グラフィックのデキはたいへん素晴らしい。また演出面なども上手く、バトルやスタンド能力の表現などは迫力満点。特に原作の擬音(オノマトペ)を、文字を叩きつけるように表現している点は、実に雰囲気があって良い。
背景なども細かく描き込まれており、ジョジョの世界に首までどっぷり浸かれること間違いなしだ。
ただ効果音が弱く、そのせいでバトルの爽快感が薄れてしまっているのは残念。アニメと同じ、パワフルでソウルフルな効果音をしっかりとつけてほしかった。
総合評価
キャラクターゲームとしては、充分に完成度が高いといえる良作なのではないだろうか。
お馴染みのキャラクターたちと世界観を活かした演出の数々はかなり見応えがあり、3DCGの造形や動きも申し分なく、ファンは間違いなく楽しめることだろう。
ストーリモードがダイジェスト編集という、やや雑な作りになっているのは残念に思うが、ファンであれば脳内補完できるので問題ないのかも。
ただそういったこともあって、本作は原作ファン以外にはちょっと手を出し難いところがある。専門用語の説明なども不足しているので、間違いなく原作既読が前提。
また、せっかく「スタチュー」というなかなかに上手い設定を加えているわりには、細かい描写がおざなりで、プレイヤーが完全に空気になってしまうのもあまりよろしくない。
アクションRPGとしても、操作の自由度が低く、ジャンプすらできないという不足ぶりにより、あまり高くは評価できないだろう。
個性的なスタンドバトルの表現は実に上手く、迫力あるバトルになっているので、そういった点を少し改良するだけで、もっとずっと良い作品へと変化することだろう。
まだまだ配信開始して間もない作品である。今後の進化に、大いに期待したいところだ。