本作はセミオート形式のバトルシステムで展開する戦略性重視のシミュレーションバトルRPGで、プレイヤーは傭兵団の団長となって膨大な数のユニットを好きなように育成し、編成し、指揮して戦っていくことになる。
バトル直前に、敵の布陣や各兵種、攻撃範囲やスキルなどをよく見て、味方ユニットを配置し、行動順を設定するところまでがプレイヤーにできることという、なかなかユニークなシステムが目を引く作品ではあるが、育成やストーリーは王道中の王道といった趣き。
斬新なバトルとオーソドックスな作りの絶妙なバランス感を楽しめる、実に興味深い作品である。
ストーリー
ゲームと舞台となるのは、剣と魔法の中世ヨーロッパ調ファンタジー世界。
そこは今、将軍によって皇帝が討たれ、群雄割拠の乱世へと突入しており、いたるところで戦争が起きているという混迷の状態。
プレイヤーは、そんな世界の片隅で傭兵団を立ち上げたばかりの、とある特別な事情を持つ若者として、激動の物語を展開していくことになる。
多くのキャラクターと力を合わせ、様々な戦場を渡り歩いていこう。
ゲームシステム
ゲームを開始すると、まずはオープニング。
世界情勢や主人公の現状を把握し、これから展開していく物語への期待を膨らませていこう。
まずはチュートリアル。
実に可愛らしい少女エリーンのナビゲートに従って、どんどん進めていこう。
コンテンツ数が実に多く、どこから手をつけていけばいいのかわからないくらい。
序盤はナビに従って、メインストーリーのステージ攻略に専念した方がいいだろう。
ストーリーモードのステージだけでもかなりの数があり、やり応えは充分すぎるほど。
簡単には遊び尽くせない。
チャプター1だけでもこのボリューム。
しかもハードモードなども用意されており、やり込み要素もとんでもなく豊富。
ステージの前後にはアドベンチャーパートが挿入されることも。
物語の展開次第でキャラクターが仲間に入ることもある。
それ以外のキャラクターはガチャで入手しよう。
バトルは開始するまでの編成や配置が全て。
あとはフルオートで進行するので、勝てない時は戦略をじっくり見直すか、育成を試みるしかないだろう。
挑戦ステージもまた膨大。本当にやれることが多いゲームだ。
この他にも、イベントなどが充実しており、ついつい止め時を失ってしまうほど。
対人戦コンテンツも山のようにある。
やり込み派にとっては実にたまらないゲームといえるだろう。
ログインボーナスが充実しているなど、洋ゲーのようなサービスの良さも魅力的なところ。
多種多様なキャンペーンも頻繁に入れ替わるので、小まめなチェックが必要だ。
グラフィックや音楽
ボードゲームのコマのようなバトル画面と、Live2Dでぬるぬると動くキャラクターの立ち絵という、メリハリの効いた構成がとにかく特徴的な作品。
キャラクターデザインこそ、グラブル調の雰囲気があるものや、まんまタクティクスオウガといったものが悪目立ちしてしまっているのだが、背景やメニュー画面などの作り込みはたいへん丁寧で実に美しい。不思議な魅力のあるRPG世界として成立しているように感じられた。
総合評価
奥深い戦略性のある、かなり歯応えのあるゲームで、ルールやシステムを理解しないとなかなか面白さがわからないだろう作品。
まずはお試しでプレイ……とオススメしたいところだが、数時間はやり込まないと理解までは至れないほど、なかなかハードル高めの設定なため、ちょっと気軽にとは、とてもいえない。
またガチャがやたら渋く、レア度の高いキャラクターがなかなか手に入らないというところも、現代ユーザーにはストレスとなるだけ。独自性の高い面白さと手応えのある作品なのだが、どうにもオススメし難いのが、なんとももどかしい。
とにもかくにも、骨太な戦略シミュレーションゲームを求めるユーザーには、ぜひとも触れてみてほしい。相性さえよければ、かなりやり込める作品となるだろう。