本作は、2013年7月よりゲームセンター等にて稼働している人気アーケードゲームCODE OF JOKERのスマートフォン版で、アーケード版と変わらない戦略性の高さを持った良質の対戦型トレーディングカードゲームとして作り込まれている。
オーバーライドやクロックアップといった、本作独自のシステムやルールも、もちろん存在している。多種多様なデッキを好きなように構築し、熱いカードバトルを繰り広げよう。
ストーリー
舞台は現実世界ではなく、電脳世界「ARCANA(アルカナ)」で、プレイヤーはその世界を守るエージェントたちを操る者となって、熾烈なカードバトルに身を投じていくことになる。エージェントとはデッキを使用するキャラクターのこと。1デッキに1人ずつ設定できる。
それぞれ強烈な個性や容姿だけでなく、必殺技ともなる「ジョーカーカード」を保有しており、プレイヤーはその能力とデッキの相性をよくよく考慮した上で設定する必要があるのだ。
公式の説明
SEGAの誇る、ゲーセンで絶大な人気のデジタルカードゲームが、ついにアプリになって登場!対戦型デジタルカードゲーム『コード・オブ・ジョーカー Pocket』、始動!
スマホゲームの常識を覆す、運要素を極限までなくした、戦略型、至高のバトルを体感せよ。
【脳天直撃!ハイスピードバトル】
今までにない思考型ガチ対戦!常に反撃ができるブロックシステムで、息もつかせぬスピードバトルを体感せよ。
【友だちを集めて強くなれ!】
フレンドが遊ぶだけでカードをゲット!さらに、フレンドバトルのリプレイ観戦やフレンドデッキのワンタッチコピーなど、友だち同士で強くなれる充実した機能が満載。
【ド派手な演出!!】
強力なレアカードやジョーカーカードのド派手な演出でバトルを楽しもう!必殺のジョーカーを発動して、一発逆転を狙え!
~~ストーリー~~
舞台は、人々の知らないもう一つの世界「電脳空間“ARCANA” (アルカナ)」、現実と表裏一体、瓜二つのその空間では、エージェントとハッカーたちの戦いが繰り広げられている。エージェントの勝利の先にあるものは世界の平和か、己の名誉か…。
その真実を目にすることができるのは、新たなエージェントである“あなた”かもしれない。
ゲームシステム
バトルはターン制。コストを支払い、手札からカードを召喚し、戦っていく。相手のライフポイントを0にするか、全10ターン終了時にライフが多い方が勝ちとなる。実に良くある形式のカードゲームだ。
しかし1ラウンド1分という短い時間設定や、クロックアップという召喚したユニットのレベルが変化していくシステムなど、独自性の高い作りになっていて、かなり奥が深い。
デッキはカード40枚とエージェント1人を設定。
様々なデッキを自由に組み上げ、相手に合わせて自在に使い分けることが可能。かなり幅広く、プレイヤーの個性も発揮することができるだろう。
主なコンテンツは「対人戦」で、それ以外はほとんどただのおまけといってもいい。
ひたすら思考し、研鑽し、デッキを作り上げ、鍛え上げ、自分のランクを上げていくのが全てだ。
ゲームは競技という点が強調されている作品である。
前述のクロックアップの他にも、同じユニットを重ねて強化するオーバーライド、1試合に1度だけ使用できるジョーカーカード、5枚まで設置できる多種多様なサポートカードなど、やれることは山ほどある。
それだけ覚えなければならないことでいっぱい、ということでもあるので、練習モードなどを使って、しっかりと学習していこう。
BGM・グラフィック
クオリティはアーケード版の完全移植といった感じ。グラフィックだけでなく演出面まで、あまり変わったような点は見られない。
全体的にやや動きが重いのが気になる。対人戦では、相手の通信環境によってなのか、かなり不安定に感じられた。
ルールやゲーム性の複雑も健在なので、せっかくのスマートフォン版でもあることだし、もっと新規を取り込むための工夫や、ガイド機能の充実などがほしかったようにも思う。
総合評価
「Pocket」と銘打たれている通り、本作はスマートフォン移植版といった作りである。見た目も内容もアーケードそのままなので、元々のプレイヤーにとっては、いつでもどこでも気軽にプレイできるようになって嬉しいはずだし、新規プレイヤーもそれほど構えることなく参入することができるはずだろう。
しかしながらそれは、裏を返せば、アーケード版に熱中しているファンであればあるほど、手軽さがあるとはいえ、わざわざ戦場を移すことに意味を見い出すことはできないということでもある。同じなら、わざわざ他でまたやる必要はないからだ。だから何か、ダウンロードする強い理由のようなものが、設定されるべきなのではないかと考えてしまう。
また新規参入者にとっては、やはりこのゲームのルールは複雑で難しく、かなり人を選んでしまう。だからこその魅力、独自性であることはわかっているが、広く多くのプレイヤーを獲得するには、やはりもっとガイドなどの機能の充実が必要だったのではないかと思う。
と、このように、不満点という以上に、改善してくれたらいいのにといった「願望」が素直に出てくるほど、実際のところこのゲームは大いに魅力に溢れている。面白いからこそ、感情移入して、不満を口にしてしまうのである。
まずは他に類をみないほどの本格さがあることは第一の魅力だ。対人戦の本気度、緊張感、その攻防の熱さ、戦略性の幅広さは、理想的なTCGの姿であるといっても過言ではない。
また第二に、それほど本格的な作りでありながら、最大10ターンで1ゲームが終了するといった手軽さがあるのがまた素晴らしい。勝敗のつくスピードが速ければ、劣勢な時ほど大胆な戦略が切れるし、負けても切り替えが楽にでき、再挑戦も気軽にできる。
将棋などの早指しと同じで、長考できる時間が設定されていないことはたしかにマイナス点かもしれないが、それはゲームのテンポを早め、軽快さを維持するためには必要な設定であるようにも感じられ、プラスともいえるだろう。
やり込み度はかなり高い。カードゲームに抵抗がなければ、ぜひ一度試していただきたい作品だ。