『FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶』は完全オリジナルストーリーで構成されたファイナルファンタジーシリーズの外伝作品です。
2010年に携帯アプリで配信された「ファイナルファンタジー レジェンズ 光と闇の戦士」の次回作にあたり、前作とは異なる世界観のストーリーになります。
開発は株式会社スクウェア・エニックスで前作同様の製作陣・スタッフで挑んでおり、システム面やコンセプトを継承したままスマホアプリ向けにアジャストされたゲームとなっています。
『FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶』は新たに「FINAL FANTASY LEGENDS Ⅱ」としてリリースされており、現在時空ノ水晶としての配信は行われておりません。
詳細は「FINAL FANTASY LEGENDS Ⅱ」のレビューページをご覧ください。
ストーリー
主人公は冒険者を目指す少年・トゥモロ。
西の都から冒険者・リーグがやってきたその日に隕石が降ってきました。様子を見に行ったリーグとこっそりついて行ったトゥモロは記憶喪失の女の子・エモと出会います。
そして、突如現れた幻獣・アトモスが姿を現し、アトモスにのみ込まれた3人は、どの時代にも含まれない特殊な空間・時の狭間に飛ばされました。
そこには巨大なクリスタルに閉じ込められた魔道士・クロノスが幽閉されていた。
ゲームシステム
『FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶』は、最近のファイナルファンタジーの様な高品質のグラフィック、ハリウッド映画の様な演出は無く、FF初期・中期のファイナルファンタジーに近いゲームアプリです。
キャラクターは2.5等身で作成されており、ドット絵時代のファイナルファンタジーに寄せたデザインとなっています。昔からのFFファンであればしっくりくるデザインですよね。
戦闘も昔ながらのコマンド方式で、ファイナルファンタジーⅥ以前に近い内容となっています。内容がシンプル故に非常に手軽で、操作ボタン配置などスマホ向けに作られインターフェイスとなっており、誰もがゲームの面白さを味わえるようになっています。
派手さは見受けられないものの、昔ながらのRPGの良さを存分に引き出しているゲームです。
プレイした感想
昔遊んだゲームはどれもこんな感じで、現代のRPGアプリゲームになれている方であれば逆に新鮮ですよね。ファミコンやスーパーファミコンに慣れ親しんだ方であれば昔を思い出しながら楽しめるのではないでしょうか。
無駄に長い演出も無く、シンプルなバトルとストーリーの方がRPGゲームとしては一番遊び易いでしょう。実写にしか見えないグラフィックも勿論良いのですが、リアリティがあまり感じられないグラフィックからこそ、想像力がかき立てられてファンタジーが活きるのではないでしょうか。
根本的なシステムは一昔前の使い古されたものですが、ハードがスマートフォンに変わったことで新たな技術が融合し、独自のシステムに生まれ変わったように感じました。コマンドはタッチ操作で軽快に行うことが可能で、アイテム・装備周りも最近のソーシャルゲームのスタイルに近い物となっており、全体的に整合が見事だと感心させられます。
グラフィック
戦闘シーンでは意図的にキャラクターのグラフィックを落としており、キャラクターが左右どちらかを必ず向いている2Dのデザインとなっています。しかし、モーションなども増えているので単なる再現ではないことが分かります。
立ち絵やメニュー画面など、キャラクター以外のグラフィックの質は高くなっています。特に召喚獣の発動シーンはかなり手が込んでいるように感じました。
ファイナルファンタジーといえば、やはり召喚シーンですよね。
シリーズを通して、どの作品でも召喚シーンには力を入れており、今回の『FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶』でも召喚が1つの目玉となっています。
BGM
様々な面で昔のファイナルファンタジーを感じ取れる『FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶』ですが、BGMだけは比較的最近のファイナルファンタジーの雰囲気ですね。
メインの作曲者は水田直志さんで、ファイナルファンタジーXI・ファイナルファンタジーXIII-2などを担当しています。
やはりグラフィックは似せる事ができても、植松伸夫さんの独独の世界観までは真似することはできませんからね。
総合評価
前作「ファイナルファンタジー レジェンズ 光と闇の戦士」と同じ制作陣ということもあり、欠点が少ない安定した作品に仕上がっています。
ゲームシステム・デザインが明らかに昔のファイナルファンタジーを意識しており、20代後半から30代がメインターゲットと思われます。
かつてのファイナルファンタジーの雰囲気を踏襲しながらも、スマホゲーム向けに課金要素を加え、尚且つFFファンを楽しませることが出来るバランスの良い無料アプリです。
FFファン持つイメージとは全く異なる姿になってしまったバハムート。
ネタバレを含むので詳細は省きますが、全体的に本当によくできたアプリゲームに仕上がっていますよ。
口コミ・評判
『FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶』は基本無料の課金タイプのゲームシステム。
同タイプのゲームでは多く見受けられますが、ガチャへの不満がゲーム評価を全体的に押し下げているイメージですね。評価ポイントは4点弱を推移しており、ゲームとしての純粋な面白さに見合わない評価になっている気がします。
さて、肝心の口コミですが、ガチャを除くと内容はそこまで悪くない。
無料版クロノトリガー、って雰囲気。課金しなくてもいいし、特別技術もいらないし、安心して楽しめるアプリです。絵は全く好みじゃないけど(2016年)
ストーリーもBGMもよい 現在のFF本編よりかは面白いと思います。(2016年)
面白い 堅実に育てれば幻石のランク低くても十分攻略できる!ガチャ運の無さに文句言ってる奴は、しっかり育成してみなと(2015年)
しかし、低評価を付けている方々の口コミを見てみると、何となく理解できるような気もするんですよね。
とりあえず魔力が高い幻石を装備させて、全体魔法を使うだけの作業ゲーです。簡単だけど、やはり課金ゲーなので無課金でやるには1週間~10日が目処です。(2015年)
メインストーリーが面白くない。全然時を紡いでる感じがしません。細切れにして量をかさまししてますが、内容が薄すぎます。しかも矛盾だらけで、え?ってなります。(2016年)
FFファンからすれば、ストーリーがどうしても薄くなってしまう課金ゲームは違和感を感じるかもしれませんね。
ただ、オンラインゲームとしての新しいFFシリーズという事ではかなり評価できる作品だと思っています。
これまでファイナルファンタジーに触れる機会が無かったという方は、是非これを機にFFに触れてほしい!