株式会社クリーク・アンド・リバー社が制作したスマートフォン向けＲＰＧ『戦国修羅ＳＯＵＬ』は、デッキ構築型バトルＲＰＧの要素と、戦略シミュレーションの要素、さらにはＭＭＯ風の雰囲気を兼ね備えた、本格的な作品である。

テーマはタイトルの通りの戦国時代。フル３Ｄで描かれた街と戦場を駆け抜けて、様々な武将たちを集めつつ、天下統一を目指すのだ。

「戦国」を題材としたゲームアプリの中でも、特に美麗なグラフィックは、一度ハマリ込むと他のアプリでは物足りなくなる可能性がある。それほど作り込まれている珍しい戦国ゲーム。

ストーリー

群雄割拠の戦国時代、尾張国にて天下統一を目指す一人の若者が立ち上がる。
プレイヤー（主人公）は、その若者の出会ったことで感化され、同じく天下を獲らんと、戦いに身を投じることになるのであった。

これが冒頭となり、前半の章はこの「信長」の物語が展開され、主人公は有名な桶狭間の戦いなどを経て、さらには秀吉の時代へと移り動いていく。大河ドラマを思わせるこの重厚なシナリオは、戦国ファンや歴史好きにはたまらないものがあるだろう。

ゲームシステム

『戦国修羅ＳＯＵＬ』はグラフィックの凄まじさやボイス量の膨大さなど、クオリティの高さ故にデータ量がとても多い。なのでゲームを開始するまでに多大な容量と時間、さらには適正な通信環境を必要とする。（アプリをダウンロードする際は、wi-fi環境でのインストールがおすすめ。）

そこは作り手もよく分かっているだけに、ダウンロード画面には自虐じみたコメントが載っていてちょっと笑ってしまった。こういう洒落は嫌いではない。おおらかな気持ちで落としきるのを待とうではないか。

ゲームを開始すると、まずは初めにプレイヤーが動かす武将を６名の中から選択しよう。それぞれのキャラクターにタップするとびっくりするくらい美しい３Ｄグラフィックのキャラが動き、説明文とＣＶキャストが表示されるので、それを参考にできる。

有名声優からアイドルの『仮面女子』の子まで揃っていて、初手からかなりバラエティー豊かである。

そしてこの美麗な街のグラフィックである。これは本当にスマートフォン向けゲームの映像なのかと驚くことだろう。さらにマップは広大であり、臨場感ある世界は果てしなく広がっている。

『戦国修羅ＳＯＵＬ』はスマートフォン向けゲームにしては広すぎる世界というのも開発者はよく分かっていて、道に迷ったら目的の場所まで自動で移動してくれるオート機能ボタンがしっかりと設定されているので安心だ。

バトル画面もやはり凄いクオリティの高さである。この壮大な絵の中で、迫力のあるバトルが展開することができる。

プレイヤーは武将を敵との位置や距離を考えて的確に部隊を配置し、合戦を開始しよう。あとは基本的にはオートで動き、部隊を率いる武将たちが敵を攻撃してくれる。

あとは時間経過で溜まるゲージを消費して、武将固有のスキルをタップして発動させよう。部隊やフィールドに効果を与えるスキルや、大迫力の必殺技などたくさんのスキルが用意されている。

とにかく３Ｄグラフィックが凄まじい。スマートフォンアプリとは思えないほどの美しい世界が画面いっぱいに広がっている。そして戦国の世界観を活かした演出も見事で、まさしく「臨場感」がある。

また『戦国修羅ＳＯＵＬ』の最大の売りは豪華アーティストの参加だろう。

楽曲提供は浅倉大介にＧＡＣＫＴというビッグネームで、さらにＧＡＣＫＴはなんと「戦国ＧＡＣＫＴ」という「武将」でゲーム内にも登場する。もちろん声優としても参加しているのだ。

またアーティスト以外にも大塚明夫に中尾隆聖という大ベテラン声優から、堀江由衣に戸松遥といった大人気声優もキャスティングされている。

絵といい人といい、据え置きコンシューマーゲームの大作ＲＰＧを思わせるほどの豪華絢爛さがあるゲームだ。

総合評価

とにかく豪華で、とにかくクオリティが高い、もはや驚異的ともいえる完成度のゲーム。

それだけにものすごく容量を必要としてしまうが、お手持ちのスマートフォンの空きに余裕があるならば、そして通信環境が整えられているならば、せっかく基本無料なので、ダウンロードして損はない、

バトルは基本オートという点が、スマートフォン向け作品としてお手軽で良いという意見と、ゲーム性が薄いという意見で二分されるかもしれないが、ゲームバランスが絶妙に良いこともあって、シナリオを進めていくだけでも楽しく、なかなか集中力が落ちない作りになっている。

たしかに無課金プレイヤーにはガチャが回し難いなどの厳しい面もあるが、武将集めにそこまでの拘りを持たない人にとっては、スルーしても充分にシナリオを進めていけるゲームバランスであるし、手持ちの武将を強化していけるシステムなどもしっかりしているし、なによりもまずこのクオリティを前にしてはそれほど文句も言えないだろう。

有名人をネームバリューだけでなく、ゲームに上手く噛み合うように考えられた起用など、ゲーム内外がしっかりと計算され、作り込まれている点も好感が持てる。実に良いゲームだ。