FFファン待望の新作タイトル『FINAL FANTASY LEGENDS Ⅱ』が遂に始動開始!
FFL2は、ファイナルファンタジーの原点に戻るという旨が宣言されており、これまでにアプリ版のFFタイトルには手を出さなかったFFファンも気になるところだろう。ゲームのシステムは、前作「FFLegends 時空ノ水晶」と同様にシンプルなアクティブコマンドバトルとなっており、FFシリーズに馴染みのないプレイヤーでも十分に楽しむ事が出来る。
FFシリーズはRPGを代表するゲームながら、常に賛否を巻き起こす話題作でもある。今作FFL2も賛否両論といった所だが、特定趣向のゲームではないので仕方がない部分もあるだろう。しかし、プレイすれば必ず満足感を得られる内容になっているので、評判に左右されず是非プレイしてみてほしい。
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プレイレビュー
現代ゲームらしく、チュートリアルは懇切丁寧。まずはモーグリ先生の指導に従って操作していき、長いチュートリアルステージをクリアしていこう。その過程ではガチャを引くこともでき、レア度の高い幻獣を1体手に入れることができる。
細やかに動きまくるドット絵と淡い水彩タッチの背景、そしてしっかりと描き込まれた人物の立ち絵と、グラフィックはどこまでも美しい。
ドット絵はかつて「クロノトリガー」「ライブ・ア・ライブ」などを手掛けた時田貴司氏によるもの。それも前作より新たに打ち直され、より細やかに動くようになっている。
とにかくグラフィックが美しく、とりわけ一枚絵にはいつまでも見入ってしまうほどの力がある。
「ファイナルファンタジータクティクス」を思い起させる人物絵の数々は実に魅力的で、これだけでも本作の価値は高い。
ワールドマップは広大で、メインシナリオだけでもかなりのボリュームがある。
なお本作では前作「時空の水晶」編のストーリーがエンディングまで丸々収録されており、さらにそこから今作の「神獣界エウレカ」編が始まるという、コンシューマーゲームなみの満足感を味わうことができるだろう。
コンテンツ数も前作より増え、イベントミッションやクエストなど、メイン以外に遊べる要素も充実した。キャラクターごとの個別シナリオだけでもかなりのボリューム感がある。
ワールドマップだけでなく、世界や時代までを超えた壮大な冒険を楽しむことができるのが本作最大の魅力といえるだろう。特に時間を超えるという設定は、シリーズ第1作目から用いられ、最近でも「13―2」の本筋として使用されたばかりだ。
キャラクターも充実しており、物語を進めればどんどん仲間たちが増えていく。パーティ内のやりとりも「FF6」を思い起こさせるにぎやかさがあり、たいへん魅力的である。
シンプル・イズ・ベストともいえる完成された戦闘システムで、誰でも気軽に遊ぶことができるだろう。
アビリティを駆使して低レベルクリアをすることも、ひたすらキャラクターを育て上げて力でねじ伏せるのも自由。ヘビーユーザーにもライトユーザーにも適応した戦略性である。
レビュアーの感想
前作「時空の水晶」に引き続き、たいへん完成度の高い、そして総じてクオリティの高いRPGとなっている。ただ前作よりシステムに少しも変更もなく、あまり改善されていないというのが、実に惜しい作品でもある。
特に最も気になっていたメニュー画面の見難さや分かり難さが健在で、プレイしていてストレスを感じてしまうことも。これではせっかくシンプルでよくまとまっている育成要素も、やり難いばかりでとにかく煩わしさだけを覚えてしまう。
スタミナ制も、もはやあまり時代に合わない。これもせっかくの「前作分のシナリオ全サービス」を台無しにしてしまうだけ。
ゲームバランスの悪さも残念ながら健在。メインシナリオとイベントシナリオのレベル差が激しすぎて、新しいユーザーにはあまりにもハードルが高すぎるといった状況になってしまっている。またステータスのインフレが激しいのもゲームの魅力を大きく削いでしまっている。とにかく「強い召喚獣さえいればいい」というスタンスでは新規ユーザーを取り込むことはできないだろう。
しかし前述の通り、コンテンツの増加やイベントの充実など、改善点も多く存在する。進化素材が入手し易くなっていたり、ガチャの確立がかなり良くなっているなどは、大いに評価することができる。
またグラフィックの更なる向上や、アイテムなどの充実と、欠点を補っても余りある良さがある。さらにシリーズファンとしては、スキンとして歴代の登場人物が実装されたことは何よりも嬉しい追加要素。これはやはり熱い。
マイナス点があるが、それでもプラス面の方が多い良作、といったところ。
イベント戦やランキングに拘らず、ゆったりマイペースに冒険を楽しんでいくのであれば、きっと誰でも楽しく遊び続けることができるはず。王道RPGとして、広く多くの人にオススメできる作品だ。
FFシリーズの沿革
ファミリーコンピューター時代から綿々と続くRPGの傑作シリーズ「ファイナルファンタジー」は、今年2016年についに「15」が発売され、大いに話題と注目を集めている。とりわけ今作は発売後も評価が高く、スクウェアの底力とアドバンテージ、そして何よりも「意気込み」を感じることができた。
そんな折、同社は既に配信していたスマートフォン向けRPG「ファイナルファンタジーレジェンズ 時空ノ水晶」をリニューアルし、新たに「ファイナルファンタジーレジェンズ II」として再稼働することとした。
2016年11月10日より配信開始となったFFLⅡは、スーパーファミコン時代のファイナルファンタジーを思わせるグラフィックと、シリーズお馴染みのアクティブコマンドバトル、そしてファンには最も馴染み深い「クリスタル」をめぐる物語の展開など、ノスタルジックさが前面に押し出された王道RPGとなっている。
とりわけその物語、メインシナリオは、少年が仲間たちと共に、過去・現在・未来という時空を超えた大冒険を繰り広げるという、これ以上なく「FF感」のある内容となっており、お馴染みの幻獣やモンスターたち、そして武器や魔法、さらには歴代のキャラクターたちなど、シリーズのファンにとっては胸躍る作品となっている。
もちろん単に古き良きを求めたという懐古趣味なだけの作品ではなく、現代的に絶妙にアレンジされた美しいグラフィックの数々や、3Dを活かした迫力ある演出、シンプルかつやり込み度の高い育成システム、スマートフォンという環境を考慮した倍速やスキップ機能の実装など、新しいユーザーにもしっかりと目を向けられた作品だ。
「FF感」のある新作王道RPGというのが、本作を端的に表せる言葉であるように思う。