本作は、ネコ型のファンシーなキャラクターと、ゴツゴツした本格的な車型バトルマシンを組み合わせた、なかなか独特の雰囲気を持った作品である。
ジャンルは一応、格闘ゲームという扱いになるのだろうか。その内容もまた、独自性のあるものである。
プレイヤーは様々なパーツを組み合わせて、オリジナルのバトルマシンを作り、カスタマイズし、クラッシュアリーナという場所で、他プレイヤーたちと1VS1のバトルを繰り広げていく。
バトルはフルオートなので、どのようにカスタマイズしていくかが全て。しかし単に大きくしたり、強力な武装をつければいいというわけではない。相性によっては攻撃が一切当たらず何もできずに負けることもあれば、圧倒的に優勢だったのに転んでしまって大逆転されてしまうなどということもある。
いかにカスタマイズすれば勝率を上げられるのかを考えつつ、試行錯誤を重ね、リーグ戦の覇者、クラッシュアリーナのチャンピオンを目指していくという、かなり熱いゲームだ。
ストーリー
ストーリーは、ごく簡単。
クラッシュアリーナに憧れる子猫が、選手であるおじさんネコから初期パーツをもらい、アリーナデビューとなる。それが全てである。
初めはパーツがないため、小さくシンプルなマシンしか作れないが、練習用のCPUバトルに勝っていけば、次第にパーツが集まってきて、様々な組み上げ方が可能となる。
他プレイヤーの試合を見学することもできるので、どうしても勝てない時は、強い選手のカスタマイズを参考にするのも1つの手段だ。
ゲームシステム
渋いけど可愛い、妙に味のあるトニーおじさんから初期パーツを貰ったら、すぐにチュートリアル開始となる。
まずはガイドに従って操作していこう。
カスタマイズは自由自在。
しかし自由なれどパーツがなくてはどうしようもないので、まずはチュートリアルのクイックマッチなどで手に入れたボックスをセットし、時間経過で開けて、新しいパーツを入手しよう。
またパーツは他プレイヤー同士の戦いを見学の際、どっちが勝つかで賭けに出していいことになっている。見事賭けた方が勝てば、そのパーツは強化される。なので、勉強と稼ぎを兼ねて、積極的に観戦もしていこう。
バトルはフルオートなので、プレイヤーは見守るだけ。
しかし、よくよく観察しておかないと、マシンの弱点をなくす修整はできないだろう。
カスタマイズ次第で、バトルのスタイルそのものが変化する。
繰り返しのバトルの中で、勝つための方法や、自分好みの組み上げ方を探究していこう。
ボックスは課金で購入することも可能。
ただどんなに強力な武装を獲得できても、ひっくり返されてしまえばそれで負け。車体のバランスをとることが重要となるが、火力の高い武装ほどバランスを崩す元となるだろう。
課金すれば強くなれるというわけではないのだ。
グラフィックや音楽
グラフィックはたいへん素晴らしく、美麗であり、質感があり、たいへんクオリティが高いといえるだろう。
またデザインも良く、ネコの可愛さとマシンの武骨さが見事に噛み合って、絶妙な味を生み出している。
カスタマイズできるパーツも豊富で、その組み合わせも自由度が高く、作るという作業だけでもとても楽しい。やり応え充分。
総合評価
ごく簡単に組み立てができるバトルマシン。でもその自由度は高く、プレイヤーのセンスや発想力によって、いかようにも「勝てるマシン」が作れるというところがあり、たいへんゲーム性の高い内容となっている。
例えば、ドリルで突き刺して相手にダメージを与え続けるとか、全てを火力に割り振るとか、あえて小さいマシンを作り相手を転ばせることを目的とするとか、その戦い方は無限大にある。
また、そうしたやり応えがあり、やり込み度が高いだけでなく、全体的にとてもテンポが良いのもこのゲームの魅力といえる。とにかく対戦に入るまでの時間が短く、そのバトルの決着もすぐにつき、次の瞬間には新しい対戦に入れたり、カスマイズに戻れたりする。
シンプルであるからこそ丁寧に作り込まれた、奥行きのある、かなりの良作だ。