モバイルレジェンドは、２チームに分かれて拠点破壊を競い合うＭＯＢＡ（マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ）で、世界中のプレイヤーとの激しい真剣勝負を、お手軽に楽しむことができる作品だ。

ＬＯＬなどの隆盛以降、ＭＯＢＡはもはや「ｅスポーツ」のジャンルを代表するゲームジャンルとなっており、本作もまた熱く盛り上がりを見せている。

国別対抗の試合もいいものだが、各国のプレイヤーが入り乱れる戦いもまた楽しい。ＭＯＢＡは高い戦略性を求められるゲームなだけに、普通は言葉が通じないと難しいところがあるのだが、本作は基本的に３方向の侵攻ルートに分かれているだけなので、指示アイコンや簡単な絵文字や英語だけでも充分に計略を伝達することが可能となっている。

ＭＯＢＡ入門編としても相応しい、実に分かり易い作りの作品だ。

ストーリー

対戦が全てといえる作品なので、特にストーリーなどは用意されていない。

だがプレイアブルキャラクターの数が多く、どれも個性的で、それぞれに深いドラマ性を感じ取ることができるだろう。

キャラクターには、壁役となる「タンク」やアタッカーとなる「ファイター」に、奇襲に長けた「アサシン」やチームの火力となる「メイジ」に、遠距離攻撃の「ハンター」や仲間を助ける「サポート」と、６種類のタイプが設定されている。

プレイヤーは、まずは見た目や雰囲気で使用するタイプを決め、実際の使用で色々と試していき、自分に合うタイプやキャラクターを探し出さなくてはならない。

チームメイトのタイプを見て、自分のタイプを合わせていけるようになったら、より勝率が上がっていくことだろう。

ゲームシステム

本作は常にキャラクターレベルが１からスタートするようになっており、タワー破壊やフィールド上に点在するモンスターの撃破、敵勢力の雑魚や敵プレイヤーの撃破により、レベルを上げてスキルを解放したりできるようになる。

また獲得したお金を使ってアイテムを購入し、ステータスをアップさせることもできる。

序盤戦は、タワーをめぐる攻防をしつつ、いかに効率よくキャラクターを強くしていけるかが重要となる。

自分を強くする以上に、仲間との連携がもっと重要になるゲーム。

同じ国同士でチームを組んだ場合は、試合前にミーティングすることも可能となる。

もちろん異なる国の人とも、簡単な英語やネット用語を使えば、容易にコミュニケーションをとることができるはず。

といっても、特に会話がないことも多い。集結などの合図はアイコンで送れるし、そもそもマップで味方の動きは常に見れるので、加勢も奇襲も、空気を読んで行うことができるのである。

キャラクターは本当にバリエーション豊富で、同じタイプでもまるで操作感の異なるものばかり。

まずは無料で使用できるキャラクターを使い、操作に慣れてきたらトライアルで数日使用できるキャラクターなども試してみて、自分に合ったものを見つけ出していこう。

クランやランキングなど、よくあるコンテンツはきちんと揃えられているといった印象を受ける。

「Live」では、他プレイヤーたちの生中継を観戦することもできる。

掲示板はやや荒っぽいところがあるが、対戦ゲームにしてはまだお行儀の良い方であろう。

グラフィックや音楽

グラフィックは一級品といえるクオリティの高さで、どのキャラクターも実に美しく描かれており、個性のある豊かな動きを見せてくれる。

そうしたキャラクターたちのデザインがまた豊か。カッコイイ戦士から海賊にガンマン、妖艶な魔女から可愛らしい童話系少女、さらにメカにパンダまで、数多くのユニークなキャラクターが揃えられている。

スキン（見た目）のデザインも豊富で、同じキャラクターでも大きく雰囲気を変えたり、まるで異なるデザインにフォームチェンジさせることも可能だ。

総合評価

本作最大の良点は、やはり常にレベル１からスタートするところや、課金やガチャで強くなれるということはないなどの、高い「公平性」があるところだといえる。

このゲームでの課金は、キャラクターの見た目を変えるスキンを購入したり、新しいキャラクターを解放することがほとんどで、基本能力値はわずかにしか差が設定されていない。

その新しいキャラクターも、一定期間の内にフリーで使える枠に入れ替わっていくので、いつかは使えるようになる。

実際に使ってみて、気に入ったり、自分のプレイスタイルと噛み合うようであれば、課金するか、勝利報酬などで溜めたゲーム内通貨を使って、購入すればいいという仕組みだ。

このように、本作はあくまで「プレイヤーの腕次第」で勝負できるように作られている。そういった意味では「真の対人戦が味わえる作品」であるともいえるだろう。

そうした真剣勝負が、短い時は１０分程度、均衡して長引いても２０分程度で決着がつくという点も素晴らしいところ。本格対戦ゲームであるが、スマートフォンというゲーム環境を決して忘れていないライトさも見受けられる作品なのだ。