世界中で大人気の和製RPG代表作の1つ、ファイナルファンタジーシリーズ。その派生作品の1つとして配信されているのが本作で、内容はスマートフォン向けパズルRPGとなっている。
パズルが解けたらキャラクターが攻撃してくれるという、パズルRPGではお馴染みのシステムであるが、そのパズルが「ピクロス」というのが独自性といえるところだろうか。
ピクロスとはピクチャークロスワードの略で、別にピクチャーロジックというジャンル名でも呼ばれており、1988年の創成時には「お絵かきパズル」の名でも呼ばれていたという、実は和製パズルなのである。
本作ではそのパズルシステムを用いて、5×5マスの小さなパズルを短時間で解くことを繰り返して戦闘を進めていくといった、アクティブ性の高いゲーム内容となっている。
また元来のパズルゲーム性を追求した「お絵かきモード」もあり、こちらは15×15などの歴代シリーズのキャラクターを描いた大きなパズルを、じっくりと解いていくことができる。
ストーリー
人間とモーグリ族が共生する世界「ピクセルト」を舞台にしたオリジナルストーリーが展開。
「メモリア」という石板から異世界の記憶を召喚できる力を使って、暴れ始めたモンスターを退治していくのがメインクエストとなる。
シリーズ歴代キャラクターを使用したオールスター作品でもある。
公式のアプリ紹介
ゲームシステム
ゲームを始めると、懇切丁寧なチュートリアルが始まるが、それ以外にも初心者用のステージが用意されているなど、至れり尽くせりの内容だ。
パズルが苦手というユーザーでも、気軽にゲーム世界へ入っていくことができるだろう。
本作では懐かしのドット絵が使用されており、なんだか元いた世界に還ってこれたかのような安心感を覚えるほど。
メインクエストを進めていくと、黒魔導士や召喚士など、もはや親しみすらあるデザインの「ジョブキャラクター」たちに再会できるだろう。
パズルは1ターン1枚で解く。タップとスライドだけで、感覚的に解いていくことができるので、アクティブ性の高い内容となっている。
パズルが完成すると、パーティに組み込んだキャラクターたちがモンスターを攻撃してくれる。
より速くパズルを解いていき、ゲージを溜めていくと、 リミットブレイクのような超必殺状態「リメントブレイク」が発動。倍増した威力の攻撃で、戦闘をかなり有利にしてくれることだろう。
キャラクターはバトル報酬の他には、スマートフォン向けゲームお馴染みのガチャから入手できる。
最近の作品のキャラクターも、ちゃんと新しくドット絵で書き下ろされており、キャラクター集めがまた捗る作品でもある。
グラフィックや音楽
ファイナルファンタジー4ないしは5の頃のドット絵を基調としたグラフィックは実に味わい深く、ノスタルジック。オールドゲーマーにとっては懐かしさや郷愁感のようなものを味わうことができるし、若いプレイヤーとっては温故知新といえるある種の新鮮さを覚えることができるのかも。
最新シリーズのキャラクターも丁寧なドット絵で新たに書き下ろされている点などは、大いに高く評価することができる。シリーズファンも納得の完成度であるといえるだろう。
BGMや効果音の数々も、かつてのものが使用されており、また一段と趣き深く感じられる。
総合評価
まずは懐かしさのキャラクターたちや世界観を効果的な利用した作品であることから、シリーズファンにオススメできる作品ということができる。
ただ、単なるシリーズファン向けのオールスター作品には作られておらず、新規のユーザーも入ってこれる雰囲気と、オリジナリティもしっかり感じられる豊かなゲーム性で、かなりの良作であるということができる作品。誰でも楽しく遊べることができるだろう。
とりわけパズルとRPGの融合感が絶妙で、パズルを解く楽しさと達成感を損なうことなく、RPGの戦略性と爽快感を加えている点は実に素晴らしいといえる。パズルゲーム好き、RPG好きの両方にオススメできる。
またスマートフォン向けゲームであることをきちんと理解したテンポの良さとスピーディーさ、そしてお気軽さがあり、現代のゲーム環境に適した作品であると高く評価することもできる。ちょっとした時間の隙間に、ストレス解消に遊ぶことも可能だ。
幅広い層のユーザーが、親しみをもって、長く遊んでいけるタイトルである。