本作は、世界的人気を誇る「ハリーポッター」シリーズの世界観とキャラクターを題材としたアドベンチャーゲームで、プレイヤーはシリーズの舞台である「ホグワーツ魔法魔術学校」の新入生として、様々な授業や学園生活を楽しむことができる。

物語はシリーズの主人公「ハリー」が入学する前を描いたものなので、登場する原作キャラクターたちはダンブルドア校長先生やスネイプ先生などの教師陣がメインとなる。

序盤は場面ごとに進行していくが、チャプターによってはホグワーツを自由に歩き回れるようにもなる。原作小説や映画版でお馴染みの景色をじっくり眺めることができたり、色々なキャラクターと交流できたりと、ファンにとってはまったくたまらない内容となっている。

ストーリー

アバターを自由にカスタマイズできたり、住まう学生寮を選択できたりと、基本設定こそ自由度が高いが、物語はキッチリと用意されており、基本的にはメインシナリオを追っていく形でどんどん展開していくことになる。

主人公（プレイヤー）は、かつて問題を起こしてホグワーツを退学し、今は行方不明となっている兄を持つため、入学時から何かと上級生から絡まれたりと、やや複雑な状況にあるが、ちょっと愉快な性格のメガネっ娘ローワンや、変わり者扱いをされているベンなど、個性的な友だちもたくさんできるので、楽しい学生生活が送れるはずだ。

物語は２年生、３年生と、どんどん進行していく。兄の謎や過酷な運命などのドラマを楽しみつつ、様々な魔法を体験していこう。

ゲームシステム

ゲームを開始すると、まずはキャラクターメイキング。

男女のどちらかを選び、これからアバターとして使用していくキャラクターを作り上げよう。

初めは選べるパーツも少ないが、ゲームが進んでプレイヤーレベルが上がるほどに、どんどん解放されていく。

顔立ちや髪型だけでなく、服装や小物など、バリエーションもなかなかに豊富だ。

基本的にはアドベンチャーパートでゲームが進行していく。

自由に歩き回れるパートでは、浮かんでいるシンボルマークをタップすればイベント発生となる。

授業やイベントなどを進行させることのできるエネルギーは、時間経過で回復。

回復にはかなり長めの時間が必要となるので注意しよう。

授業で教わる魔法は、上手く体得できれば自分のものとなり、様々な場面やイベントで使用することができる。

行動や授業成績により、勇気・共感性・知識のパラメーターが上昇する。

この数値によって、選べる選択肢が増えたり、ストーリーが変化したり、特別なイベントシーンが発生したりするようだ。

資金や経験値などの報酬もあるので、授業はしっかり聴いて、先生からの質問には正確に回答することをオススメする。

魔法薬学や飛行訓練など、様々な授業が君を待っている。

グラフィックや音楽

製作がワーナーブラザーズのゲームレーベル「Portkey Games」とあって、潤沢な予算があるのか、実写映画版を思い出させてくれる高クオリティとなっている。

どこまでも美しいグラフィックは、壮大なだけでなく、活き活きとしたキャラクターたちの表情の変化など、たいへん細やかな仕事ぶりで、まるで作品世界に入り込めたような臨場感を味わうことができるだろう。

音楽も実に素晴らしい。作品のファンであるほどに、目と耳の両方で存分に楽しめることだろう。

総合評価

とにかく作品のファンなら必ずやるべしとまで強くオススメすることのできるゲームだ。

世界観とその雰囲気を楽しめるというだけでなく、実によく作り込まれたオリジナルストーリーなど、時間を費やす価値のある充実した内容となっている。

また、簡単操作でありながら、実際に魔法を使用できたような実感を得ることができるシステムや演出は、見事という他ない。

しかしながら、アドベンチャーゲームでありながらスマートフォン向けゲームにありがちなスタミナ制を導入してしまったことは明らかな失敗というしかない。もちろんそこで課金させてお金を稼がなければ意味がないので仕方のないことかもしれないのであるが、このスタミナの枯渇具合がかなり激しく、すぐにプレイが止まってしまい、たいへんテンポの悪いものになってしまっているのは、なんとも惜しい。良いゲームだけに、なおのこと。何かしらの対策をしていただきたいところだ。