本作は、影絵のような独特なデザインで描かれた多種多様な怪獣たちを育成して戦わせるタワーディフェンス型のRPG作品で、横スクロールのシンプルな画面での小気味好いテンポのバトルを楽しむことができる。
DNA操作による育成など、自由度の高いゲーム性があるだけでなく、対人戦コンテンツや挑戦ダンジョンが用意されているなど、膨大なボリュームが魅力的。
面白おかしい怪獣たちの解説テキストや、かなり濃いキャラクターたちなど、とにかく独自性が強いというか、個性のある作品でもある。このセンスがツボにはまれば、きっと最高のゲームとなることだろう。
ストーリー
ゲームの舞台となるのは、怪獣や神霊が存在する「超進化大陸」で、プレイヤーは怪獣を育て、神霊の力を使い、七王と呼ばれるボスたちの撃破を目指すこととなる。
怪獣には竜族や屍族、人形に新生など、様々な種類があり、どれもたいへんユニークな存在。
テキストがやたらと面白い作品ではあるが、ブラックジョークを多用しているので、苦手に感じる人もいるかも。
ゲームシステム
ゲームを開始すると、まずは冒険者名の登録と、最初に使用する怪獣を選択することになる。
選ばなかった他のタイプもすぐに入手できるので、まずは直感で決めてしまっていいだろう。
早速、ユニークなテキストが炸裂していることに注目していただきたい。
ホーム画面から、様々なコンテンツに飛ぶことができる。
コンテンツがメインステージをクリアするほどに解放され、どんどん増えていく。
ただ、ステージ100以上を攻略しないと出現しないコンテンツなどもあり、かなりやり込まないと全貌を見ることさえできないのであった。
メインステージだけでも膨大な数があり、やってもやっても終わりが見えてこない。
ステージ挑戦にはスタミナ消費が必要となるので、かなり進んでいくとスタミナ回復待ちなどがネックになることもあるかも。
バトルはセミオート形式。
プレイヤーは、ユニットがオートで進軍し、敵に攻撃する中で、タイミングを見計らってタップでスキルを発動させ、戦闘を有利な状況に運んでいく。
重要なのは事前の育成と、攻防をよく考えた編成で、戦略性の高い内容となっている。
ユニットや素材などは主にガチャで。
これがまた……やばいくらいのアレなシーンなので、必見ものである。いや、エロやナンセンスギャグが嫌いな人は、きっと見たらそれ以上プレイする気が起きなくなると思うけれど。
グラフィックや音楽
センスの良さが光るデザインがとにかく目立つ作品ではあるが、それを活かした演出や見せ方などがまた上手いため、クオリティの高いグラフィックとして成立しているのだともいえる。
音楽や効果音なども、単体としてはまずまずといった程度だが、たいへん画面作りとマッチしており、心地好い雰囲気を生み出す効果となっているように思えた。
ただ、フォントや文字サイズ、そして画面構成など、細かい部分が甘いために、見難さや遊び難さがややあり、プレイを阻害してくるのが実に惜しい。
バトル画面にコメント弾幕が流れるなど、やけに古くさいセンスが混じっているところも違和感。海外製ゲームでよくある、文化の違いを感じられてしまうのであった。
総合評価
このエキセントリックな感性というか、世界観さえ合えば、コンテンツ数の膨大さもあって、かなり長く楽しめる作品となるだろう。
育成要素の底の見えなさも素晴らしく、やり込み派のヘビーユーザーでもきっと満足いくゲーム体験となるはずだ。
ただそれだけに、進めば進むほど気楽さがなくなり、時間と手間をかけてゲームに臨まなくてはならなくなる。気楽に育成を楽しみたいと考えるようなライトユーザーでは、ちょっと息苦しさを覚えてしまう人もいるかも。
高いゲーム性と、ブラックジョーク溢れるテキストや演出を楽しめるユーザーにこそ、オススメできる作品である。