不動産会社の選び方

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投稿日:2016年02月17日

投稿者:bunbun

引越しする際に必ずお世話になるであろう不動産会社。

不動産賃貸のみならず、不動産売買などにおいてもどこの不動産会社に行けばいいのか?と頭を悩ませた事はありませんか?

そんな不動産会社に関して、今回のタイトル同様にインターネット上で「不動産会社の選び方」と題して様々な記事がアップされています。

一般ユーザーの方々からすると、新鮮な話ばかりで、中には過去の実体験と照らし合わせ「そういう事だったのか!」と感心するような内容も書かれている事だと思います。

しかし率直に言うと、ほとんどの記事が本質を突いていないと感じています。

それは何故かというと、書いている本人が現役の不動産会社の人間であり、そこに少なからず自社にとって有益となる情報が含まれてしまっているからです。

そこで今回の特集では、不動産会社の方にとっては都合の悪い裏事情も交え、ユーザーの方々にとって有益となる「不動産会社の選び方」を出し惜しみ無くご紹介していきます。

自己紹介

ブンブンと申します。
私は2015年まで不動産会社に勤務しておりました。

不動産業界には合計5年間務めており、最初の2年半は営業マンとして実績を積み、その後1年半は店長として店舗運営に携わり、最後の1年間はとある不動産会社に引き抜いて頂き、賃貸事業部において管理職を務めていました。

いずれも地方で営業している不動産会社ではなく、全国展開している大手不動産会社に務めておりましたので、勤務地周辺にお住まいの方の引越しのみならず、地方から都心部への引越しや、大手企業の転勤案件なども専門的に扱っておりました。

現在は不動産業界から離れ、本サイト「アプリサーチ」の運営に携わっております。

始めまして、サチオです。

賃貸アプリを紹介するにあたり、私もブンブンと同じように不動産業界を歩いてきたので簡単に自己紹介を…

今から10年前に賃貸営業マンとして就職し、3つの市を跨いで色々なお客様に物件を紹介してその後に全国展開している凡そ1,000店舗を持つ不動産グループの本部の人間として不動産業界を多面的に見てきました。

今ではアプリを紹介するマスコットキャラクターに成り下がりましたが、様々な問題点やお客様視点での部屋探しに長期間携わってきたので筆を取ってみたいと思います。

不動産情報の共有

これに関しては多くの方がインターネットに書き込まれているので、ご存知の方もいらっしゃる方と思いますが、皆さんはこんな謳い文句をネット上で見たことありませんか?

「不動産会社であればどの物件も紹介できる」
「ネット上に出ている物件で弊社に取り扱えない物件はございません!」

最近ではこのような文言を良く目にしますし、実際に多くの不動産会社がそのように自社ホームページ上でこれらの言葉を用いて自社の営業力を誇示しています。

過去に私が不動産会社にいたときも、ネットのこの言葉を100%信用して「どこの不動産会社も扱える物件は同じなんですよね?」と尋ねてくるお客様がいらっしゃいました。しかし、厳密に言うとこの情報は嘘であり、この言葉を自社のホームページに記載している会社は逆に要注意です。

更に「このリンク先に掲載されている物件は全てご紹介出来ますので気になる物件があれば弊社にお問合せ下さい」と、SUUMOやHOME’Sなどのリンクを貼り付けている会社は絶対におすすめしません。なぜなら、インターネットに掲載されている物件情報の中には「クローズ物件」と呼ばれる物件が有り、同業他社に取り扱いさせないだけでなく、同業他社に対して空室情報すらオープンにしない物件があります。

それらの物件の契約に関しては、物件オーナーとの間で専任契約という契約を結んでいる立場上、オーナーに対し「ウチは営業力があります」というの力を誇示するために、何としてでも自社でお客様を見つけ契約を取り付けようとするのです。

どこの不動産会社もオーナーさんと良好な関係を続けていきたいですし、自社にお客様を呼び込むだけの営業力があるとアピールしたい気持ちはご理解頂けると思います。

しかもこういったクローズ物件の多くはかなりの優良物件であり、相場から見ても安く、ネットに出してしまえさえすれば必ず問い合わせが入るような超お得物件ですので、クローズにしている不動産会社も簡単にはオープンにしたがりません!

では、こういう物件があるにも関わらずネットで堂々と「紹介できない物件はありません」と広告してしまっている不動産会社は、来店したお客様から他社がクローズにしている物件を紹介して欲しいといわれた時にどのような言葉を返すでしょうか?

答えは予想できますよね。

「その物件は既に申し込みが入っているみたいですよ」と言うしかありません。

営業マンがしつこいくらいに「ウチは何でも紹介出来ますから、ネット上で気になる物件があれば何でも言って下さい!ご案内致します。」と言われたら少し警戒心を抱きましょう。
(これが口癖になっている会社や営業マンもいるので、これを言われたからといってその会社を切る必要はないと思います)

情報共有システム

厳密に言うと紹介できない物件が少なからず存在するというのはご理解頂けたと思いますが、それ以外の物件情報に関してはある程度情報共有されています。

ただし、共有されているといっても全物件情報の内、最大でも7割程度だと思ってください

しかしこれには地域差があり、地域によっては全く情報共有がなされていない場合がありますが、都心部に関してはある程度情報共有されていると考えて頂いて結構です。

ではどのような形で情報が共有されているのか?

この情報共有に関してこんな事を書いている会社を見たことありませんか?

「不動産流通機構レインズという不動産会社のみが閲覧できる情報流通システムがあり、それを閲覧することで物件情報を共有していますので、他の会社の物件も全てご紹介出来ます。」

私の率直な意見としては、この「不動産流通機構レインズ」を用いて不動産流通を説明している不動産会社は信用出来ない!というのが本心です。なぜなら、不動産売買においては確かにこのレインズに情報を登録しなくてはならないという取り決めがあり、レインズに売りに出された物件を登録することが義務付けられていますが、不動産賃貸の場合この義務付けはありません

確かにネットが普及し始めた頃は、賃貸においてレインズを情報流通の手段として用いる事がありましたし、今でもレインズに頼っている地域はあります。(地域差はありますが、都市圏になると全体の20%もレインズに登録されていません。レインズの利用が盛んな地域でも空室物件の50%も登録されていません)

しかし賃貸物件において、持論としてレインズを引き合いに出すような会社は時代遅れであり、最新の情報を保有しているとは到底考えられません。恐らく、この事実さえも知らない会社が多数存在しています。

私が以前在籍していた会社でも、一部地域に限りレインズに頼っていた店舗もありましたが、全国的に見ると現状でレインズに頼るような会社は時代遅れ、無知と言わざるを得ません。

それでは、全国共通の情報共有システムは実在するのか?

答えは「NO」です!

これは断言できます!全ての賃貸物件情報がクリアに掲載されている情報共有システムなど日本に存在しません。しかし、100%の情報を持ち合わせている会社が多数存在しているのも事実です。

では、そのような会社がどうやって情報収集をしているのかというと、7割はレインズやATBBなど不動産管理会社が情報を流通させるために利用している不動産業者専用の流通システムを使って情報を集め、残りの3割はオーナーもしくはオーナーの代理である管理会社に直接電話をして空室確認をしています

地場で長らく営業している地域密着型の不動産会社や、全国展開し賃貸不動産に精通している不動産会社であれば、周辺地域の全ての賃貸物件のオーナー、もしくはオーナー代理の管理会社の連絡先を把握しており、そこに毎週電話をして1件1件空室確認を取っています。
(これはかなりのレアケースですが、オーナーの中には大手不動産会社にしか仲介を任せないという変わった方もいらっしゃいます)

このような地道な努力が報われるのが不動産営業であり、都心部であるにも関わらず店舗に在籍している営業マンが1~2人しかいないような店舗は避けた方が良いかもしれません

毎週空室確認するほどの余裕があるとは思えませんし、100%手が回っていません。

この電話での空室確認を時代遅れと捉える営業マンもいるようですが、この空室確認作業には空室状況を把握するだけではなく、物件知識が身につくというメリットと、日頃からオーナーと良好な関係性を築いているため契約交渉しやすいというメリットがあります。

毎週空室確認をしているのかどうかというのはお客様には見えない部分ですが、「この物件空いてますか?」と他社が掲載している物件が表示されているスマホの画面を見せた際に分かります。

まず空室確認していない=物件の情報が不足しているので、見せられた物件がどこの何と言う物件なのか分かりません。仕事が出来る営業マンは外観を見れば8割方物件を特定できます。

そして空室確認を怠っている不動産会社(営業マン)は、その物件の募集を掛けているのがオーナー直なのか?もしくはオーナー代理の管理会社がいるのか?すら判断できません。仕事が出来る営業マンは即答、もしくは外観写真を見てから10秒以内には空室の確認を始めます。

情報が無いという事は不動産会社としてはかなり致命的ですよね。
ウチは全ての物件をご紹介出来ると豪語している会社であれば尚更致命的です。

不動産会社に出向いた際に、お気に入りに保存した物件を見せて「この物件分かりますか?」と5件ほど質問してみてください。

情報をしっかり取り揃えている不動産会社であれば、その内最低でも3件は即答できますし、他の現状が分からない物件に関しても直ぐに受話器を手にして空室確認を始めます。
逆に情報収集に力を入れていない会社であれば、面白いほどに慌てふためきますよ。

【※補足※】
インターネット上にある不動産物件情報流通システムにはいくつか種類があり、不動産流通機構が運営するレインズの他、会員となっている不動産会社から毎月お金を支払ってもらい運営している民間企業の流通システムがあります。レインズは無料ですが、後者は有料であるためぎりぎりの経営をしている不動産会社はほとんど使っていません。これを会社の体力とも言いますが、有料のシステムを使い、尚且つ営業マンが頻繁に電話を掛けている不動産会社であれば、そこに賃貸仲介を一任する価値は十分にあります。

どこで物件を探すかが運命の分かれ道

この「どこで?」というのは、インターネットのサイトやアプリの事です。

売買においても、賃貸においても、現在はほとんどの方がインターネットで情報を集めることかと思いますが、どこで物件を探すのか?というのがかなり重要です。

不動産情報が掲載されているサイト(アプリ)には大きく分けると2種類あります。

  1. 不動産会社が直接運営している自社サイト
  2. 各不動産会社が情報を掲載している不動産ポータルサイト

ポータルサイトに代表されるのはSUUMOやHOME’Sなどですね。ではどちらが正解だと思いますか?

答えは(2)です。

どこのポータルサイトがおすすめかという事に関しては、また別の特集でご紹介致しますが、不動産物件を探すなら絶対にポータルサイトで探してください!

こんな事を言うと不動産会社に怒られますが、

「不動産会社が運営するHPに掲載されている物件情報はメンテナンスされていない!」

メンテナンスとは既に申し込みが入った物件を落とし、新たに空室物件を掲載していくという事です。メンテナンスに関して、真面目にやっている不動産会社さんもいますが、ほとんどの場合自社HPは放置されがちです。これは不動産業界の人間であれば誰しもが知っている事実です。

皆さんは、大通りに面した不動産会社が店の入り口にコルクボードを置き、物件情報をいくつも貼り付けているのを見たことがありませんか? あの手法は昔から使われていますが、特にメンテナンス意識が低い不動産会社のコルクボードの物件情報は、実際は空室になっていて本当に募集している物件などほとんど無いというケースが少なくありません。

お客さんがひとまず足を止めるような物件、またお客さんが店舗に入りたくなるような「見せ物(ぶつ)」「呼び物」と言われる既に埋まってしまった人気の物件を提示し続けます。勿論、全ての不動産会社がそのようなことをやっているわけではありません。最初から満室の物件を張り出す会社はかなり悪質だと思いますが、基本的には最初は空室だったが客寄せのために張り出し続けているに過ぎません。その証拠に、貼りだれている物件情報シートの多くが色あせていますし、ラミネートされているものでもかなり風化しています。もしそのような物件シートが多いようであれば、その不動産会社は要注意という事ですね。

現在の不動産会社の自社HPはあれと同じだと思ってください!

ただし、貼りだされている物件シートと異なり、ネットに掲載されている物件ではその判断がつきませんので、確率的に考えて自社HPは避けるべきだと思っています。

ではポータルサイトは信用できるのか?という疑問が出てくると思いますが、ポータルサイトにもよりけりですが、基本的には信用出来ます。なぜなら、ポータルサイトを運営している運営会社が厳しくチェックしているからです。

そして、多くの不動産会社が情報を持ち寄って掲載しているので、もし空いていない物件を延々掲載している会社があれば運営会社に通報出来るシステムになっており、あまりにも悪質な方法で掲載している会社は公正取引委員会から是正を食らうこととなり、最悪の場合営業停止処分を受けます。

多くの目があつまるポータルサイトは、運営会社・ライバル会社・ユーザーから監視されているという事になり、下手なことが出来ないのです。

しかし自社のHPの場合はどうでしょう?

ポータルサイトに比べれば人の出入りも少ないですし、自社の利益に関係の無いライバル他社のHPを細かくチェックするような暇は不動産会社にはありません。更に、公正取引委員会も全国に何万社とある不動産会社のHPを全てチェックすることは不可能です。

その為、ポータルサイトに関しては既に契約が決まった物件は落とすが、自社HPはそのままにしておくという不動産会社がほとんどです。

そんなHPで物件を探すとどうなるでしょうか?

他のサイトには掲載されていない魅力的な物件がぞろぞろと出てきて、「こんな会社あるんだ!」と問い合わせを入れたくなる事でしょう。

こうなると相手の思う壺ですね。
物件案内の予約を入れ、当日店に行くと「埋まってしまいましたー!」と言われ、他の代替案を提示され、そこから案内に出かけ、相手の営業トークに乗せられまんまと契約です。それが心から納得できる物件なのであれば問題無いんですけどね。

長くなりましたが、確率的に考えて物件を探す際はポータルサイトに絞りましょう。

理由は、ポータルサイトはチェックの目が生きているので嘘の情報は掲載し辛いが、不動産会社の自社HPは極論を言えば何でもありの状態だということです。

実際、私が営業マンだった頃、その手のHPを見てしまい自分の条件に合う物件が沢山あると錯覚したお客様が、「ここのHPにはこんなに私の条件に合う物件が載ってるじゃないですか!」と腹を立てて、空室確認の取れた物件を紹介していた私に詰め寄ってくるという場面が何度もありました。

そのたびに、私の目の前でお客様にそのHPを運営している不動産会社に電話して頂き、もし相手が「空いています」と言おうものなら、即座に私が電話を代わり相手を問い詰めるという余計な労力を強いられてきました。

不動産会社の自社HPを見て信用してしまうと、あなた自身が市場性を失う結果となり、物件探しが難航する要因となってしまいますので、重々お気をつけ下さい。

ベストな不動産会社とは?

「不動産情報の共有」では、不動産業界の実情として全ての物件情報が共有されているわけではないので、どこの不動産会社に行っても紹介できる物件が同じという認識に誤りがあるとご説明しました。
「どこで物件を探すかが運命の分かれ道」の項目では、ネットで空室物件を探すのであればポータルサイトを活用する事をおすすめさせて頂きました。

それを踏まえ、ではどのような不動産会社がベストなのか?

一概には言えませんが、賃貸仲介に限定して見ていくと、優良不動産会社店舗には共通点があります。私が思う優良不動産会社は最低でも下記の条件を満たしている会社です。

  1. ポータルサイトに物件情報を100件以上掲載している(1,000件を超える場合は要注意)
  2. 掲載している物件の写真が充実している
  3. 多店舗展開している(最低でも3店舗は欲しい)
  4. 営業マンが最低でも3人在籍している
  5. 認可番号が更新されている

これはネットだけで十分に確認できることなので、もしこれからご説明する理由に関してご納得頂けるのであれば、是非参考にして頂ければ幸いです。

ポータルサイトに物件情報を100件以上掲載

まず1つのポータルサイトに物件を掲載している数ですが、物件を探していると同じ物件を違う会社がいくつも掲載している場合がありますよね?

各物件の詳細ページに飛ぶと、下に掲載している不動産会社の情報が掲載されています。

ポータルサイトには必ず不動産会社の店舗詳細を確認するページがあるので、そのリンクを探して店舗詳細ページに移動し、その店舗が掲載している物件の一覧を確認できると思いますので、一覧表示して掲載中の総数を確認します。

これが100件を下回っている店舗は切り捨てて大丈夫だと思います。

理由として、100件以下の掲載数の場合、その不動産会社が賃貸仲介に力を入れている会社でない可能性が高い。

それゆえに、日々の業務内容の中で他社の賃貸物件の情報収集に力を注いでいない可能性が高く、物件情報がしっかりと準備されていない可能性があります。

もしあなたが「他の不動産会社さんが掲載していたこの物件も見れますか?」と尋ねた場合、空室確認をどこにすればいいのか分からないので、適当な理由を付けて「空いていない」と言われるのが落ちです。

また、そういった情報収集に力を入れていない会社は新築情報にも疎い。
逆に情報収集をしっかりやっている会社であれば、まだネットに載せることが出来ない段階でも、あなたの条件が合致していれば新築物件を勧めてきてくれる事もあります。

不動産会社にとって情報は命です!

では逆に、掲載数が1,000件を超えている場合はなぜダメなのか?

先ほど情報が命とお話しましたが、”1,000件も物件を掲載しているのであれば情報がある証拠じゃないか!”と思いますよね?

しかし、皆さんが思っている以上に掲載物件の入れ替えには時間がかかるんです。

掲載している1,000件の物件を毎週空室確認すれば、少なくても80件は申し込みが入っていたり、契約済みになっていたりします。繁忙期にもなれば、2割の200件近くが1週間で動く場合もあります。

こうなると空室確認どころではなくなり、地域全体の空室確認というよりも最低限の空室確認しかせず、物件を入れ替える作業にほとんどの時間を裂かなくてはならなくなります。

だいたいこういった掲載数が多い会社は掲載物件の入れ替えに時間を取られるので、情報収集が甘い!というのが問題点だと思います。

掲載している物件の写真が充実している

これは必須です!

どれだけ物件情報を収集していても、写真が一切無い物件ばかりを掲載している会社はNG!

なぜなら、写真が無い=その物件に行ったことがない!という事に他ならないからです。

どれだけ物件の知識があっても、実際にそこに赴き、物件の中身や周辺環境を知らなければ不動産会社として失格ですし、そんな会社から物件を勧められたくないですよね。

多店舗展開している(最低でも3店舗は欲しい)

1店舗しかない店舗がなぜダメなのか?

決してダメな訳ではありませんが、1店舗であれば営業マンが賃貸以外の事業にも時間を割かれる羽目になり、結果として賃貸物件のエキスパートになるのが難しいからです。

更に欲を言うのであれば、同じエリアに2店舗以上集中していて欲しいですね。

そうなると同じ会社なので情報共有も成され、情報量も豊富に揃うことになりますし、訪問した店舗で有益な情報が無くても、同エリアの他店舗から何らかの情報が提供される可能性もありますので、メリットとしてはかなり大きいですよね。

営業マンが最低でも3人在籍している

これは「情報共有システム」の項目でもご説明しましたが、営業マンが少ない=情報収集が甘いという結果は当然の結果と言えます。

更に、営業マンが少ない場合、各営業マンの負担も増えるので1人のお客様に対してのサポートが甘くなります。2~4月の繁忙期であれば尚更ですね。

サポートが甘いというのは、問い合わせした物件以外の物件提案が全くなかったり、契約処理に時間が掛かった結果、入金や書類返送でこちらがせかされてしまうといったトラブルにも発展しかねない状況が生まれます。

営業マンの技量も関係するでしょうが、これらの原因の多くは営業マンが少ないからといった事に起因します。

実際何人営業マンがいるかというのはネットでは分からない事が多いのですが、問い合わせした際にサラっと聞いても良いかもしれませんね。

認可番号が更新されている

不動産会社が営業を行うには、国土交通省もしくは各都道府県知事からの認可が必要となります。

店舗内においても、またネットで物件を掲載するにも不動産会社が掲げているこのような表示番号羅列を見たことありませんか?

国土交通大臣(1)第******号
○○県知事(1)第******号

実はこれを見るだけで会社の概要がおおよそ理解できるようになっています。

先頭の国土交通大臣・○○知事は、その会社がどこで営業しているかが分かります。
国土交通大臣の場合は、都道府県をまたぎ最低でも2つ以上の都道府県に店舗を置き営業しているという事で、多くの場合全国展開している中堅以上の不動産会社です。
○○知事の場合は認可先の都道府県においてのみ営業しているという事ですね。

次に括弧内の数字において認可回数(更新回数)を示しており、これは5年毎に更新され数字が増えていきます。
(1)であれば営業1年目から5年以内。
(2)であれば営業6年目から10年以内という感じで、5年毎の更新が義務付けられており、増えれば増えるほど不動産経験が長いという事になり、信頼できる会社へと成長していきます。

これは不動産会社を探す上で1つの目安になりますので、是非ご確認頂きたいのですが、その会社がどの程度営業を続けているのかというのはとても重要です。

「不動産会社にとって情報は命!」と言いましたが、長く営業すればするほどその会社には不動産情報が蓄積され、オーナーからの信頼も厚くなっていきます。

また現在、ネットの普及により以前に比べると不動産業界に参入しやすくなっており、新規設立される不動産会社が増える一方で、どんどん潰れて行く会社も増えており、競争が激化しています。

そんな中で、不動産業界に籍を置き、長く営業している会社というのはやはり信頼できますよね。

この認可番号の括弧内の数字は、欲を言えば(2)以上が好ましい!

中堅不動産会社の中には、本体はそのままにしておき、リスクヘッジの為に分社化して店舗をいくつかの子会社に分散するので、認可番号を見ただけでは判断出来ないこともありますが、一つの参考になる事は確かですね。

不動産業界にもフランチャイズと呼ばれる、看板をお金で借りるシステムがあります。
有名どころではア○マンさんやハウス○イトさんなど大手が勢ぞろいしています。

しかし、看板が大手だったとしても、中身が新規設立会社だったらどうなるのか?

フランチャイズしたからといって不動産情報が本体と共有されるわけではないので、看板は立派でも物件情報に関しては乏しいという事は少なくありません。

看板に騙されてお店に入って痛い目にあったという知り合いやお客様を多数目にしてきたので、お店を選ぶ際は看板ではなく認可番号で判断するのも一つの方法かもしれませんね。

信頼できる営業マンを探せ!

これまで様々な視点から不動産会社の選び方をご紹介してきましたが、私はこれから根も葉も無い事を言います。

全ては営業マン次第!

長々とご説明した私の考えを覆す結果になりかねませんが、前提条件として私が提示した5つの条件をクリアしていたとしても、担当する営業マンが技量不足だとまともな物件を提案してくれません。

また、技量不足・情報不足の営業マンは契約経験も必然的に少なくなりますので、あらゆる面で顧客にとって不都合が生じます。

そういう営業マンを見抜くための方法をいくつか挙げていきたいと思います。

身だしなみチェック!

見た目で判断してはダメ!と教わってきたかもしれませんが、賃貸契約とはあなたがこれから数年間住む場所を決めるための重要な契約です。さらに相手は仕事としてあなたを迎える立場の会社員です。

この2つの意味も理解できず、身だしなみを整えていない営業マンは仕事が出来ない典型ですので、ここは心を鬼にしてまずは見た目で相手を見極めることも重要です。

  • 髪が長く、セットもされておらず不清潔さがにじみ出ている
  • スーツがしわだらけ
  • 香水が強い
  • ツメが長く不清潔
  • 髭面
  • 靴が手入れされていない
  • タバコの臭いがきつい

これらの身だしなみについて、本人が正していないことも問題ですが、何より問題なのはこれらの問題点を指摘する人間が社内にいないということ。

不動産賃貸のお客様は、下は18歳から上は70歳までの幅広い年齢層の方々が、南は沖縄・北は北海道まで様々な地域からお越しになられます。時には海外転勤や留学など、外国からお越しになる方もいらっしゃいます。

しかし、営業マンには限られた時間しかありませんので、ご来店頂くお客様の数にも限界があります。限られた時間・予約の中で、多くの契約を取るための企業努力が必要になりますが、そんな企業努力の入り口とも言える社員の身だしなみを、会社の中で誰一人として正そうとしない。

なあなあにやっている会社は接客以外の業務に関しても同じ風潮があると考えてよいでしょうし、相手を騙して契約することに何の抵抗も感じない不動産会社である可能性が高い!

営業マン一人の身だしなみかもしれませんが、それは会社の風潮を現す指針でもありますので、厳しくなり過ぎない程度に営業マンの身だしなみをチェックしましょう!

責任者の態度

不動産会社の中には、営業に対して厳しいノルマを課し、そのノルマのためなら何でもやらせる責任者がいます。

1つ勘違いしてはいけないのが、営業マンがノルマの為に何でもありの営業スタイルを取っていると思われがちですが、これは間違いではありませんが大きな勘違いをしています!

「不動産会社の探し方」が書かれたHPの中には「営業ノルマの為に何でもやる営業マンがいる」と書かれる事が多いですが、本質は突いていません。営業マンはそういうふうに上からノルマを押し付けられているだけであって、仕事としてそういうスタイルを取らざるを得ない状況になっているんです。

では、ノルマを押し付けてくる責任者がいる店舗はどんな感じか?

店に入った瞬間に注意してほしいのが、営業マン全員がその場で起立して「いらっしませ!」と挨拶しているにも関わらず、奥の席でスタッフを監視するかのように挨拶もせず店内を見渡している偉そうな人間がいた場合。

こういう不動産店舗があったら走って逃げましょう!お客様を迎え入れるのではなく、責任者が営業マンを監視するなど恐怖統治以外の何者でもありません。

この他にも見極めるポイントがあります。

例えば、営業マンがあなたの希望に沿った物件を紹介できずにテンパっている時、明らかに責任者と思われる人間に相談にいくことがあります。その時の責任者の顔に注目です!困っている部下に対して鬼の形相になったら、すぐさま店をでましょう!逆に、困っている営業マンを見かねて、会話に入ってきて一緒に物件を探してくれるような責任者がいる店舗であれば、そのお店で粘って物件を探してみる価値はあります。

一概には言えませんので可能性としての話になりますが、話に入ってきてくれる責任者は営業マンとしても優秀である可能性が高いです。

不動産知識も技量も無いのに、部下の目の前で自分の営業をさらけ出せるというのは、それなりに自信がある証拠ですし、恐らく不動産の知識に関しても豊富なはずです。そしてそういう責任者は、無理難題を押し付けて営業マンを恐怖で縛るようなことはしません。

何をすればお客様が満足してくれるか知っているので、しっかりと営業マンを教育します。ノルマがあったとしても、ノルマ云々の前にノルマを達成するための教育を施します。その不動産会社の営業スタイルは、ある意味上司の営業スタイルでもありますので、安心できるお店かどうかを判断するためにはその店舗の責任者を見る事が一番近道です。

営業マンの実力

これは私の経験上でのお話ですが、お客様から「この物件を見たい!」と問い合わせが入った場合、実際にお客様がネットで見つけた物件でそのまま成約になる確率は10%以下です。特に繁忙期(2~3月)であれば5%以下に落ち込む可能性もあります。

これが何を意味しているのか?

決してネットでの物件検索方法や、物件選定方法に問題があるわけではありません。ネットで知り得る事が出来る情報よりも、ネットで知り得る事が出来ない情報の方が、物件選びにおいて重要なウェイトを占めているということです。

では、このネットでは知り得る事が出来ない情報を教えてくれるのは誰か? そうです、あなたを担当する営業マンです。

まずはネットで知りえる事が出来ない具体例をご紹介します。

  • 契約金(初期費用)が高い
  • 更新料が高い
  • 家賃・共益費以外にも固定費があり、合計すると予算を遥かに上回る
  • 南向きだが他の建物のせいで日当たりが悪い
  • 駐車場は空いているが、機械式のためあなたの車が入らない
  • 近くにスーパーやコンビニが無い
  • 騒音が酷い
  • 部屋の直ぐ外に階段があり、人の昇り降りする足音が部屋まで響く
  • 共用部が汚い
  • 他の入居者の質が悪い
  • 入居日が合わない
  • 入居審査が厳しい
    【※備考※】実は公正取引委員会より、初期費用内訳や更新料、月々に支払わなくてはならない個定額はポータルサイトの備考欄などに明記するように指示されているのですが、やっていない会社がほとんどなんですよね。

顧客によってその物件を断念する理由は様々ですが、1年近くのブランクがある現在でもパッと思い浮かぶだけでこれだけの具体例がでるので、他にも様々な理由でネットで気になった物件を諦める事だと思います。

これすらも教えてくれない営業マンであれば即刻お店から出るべきですが、その判断をするために1つ質問をしてみましょう。

「○○(物件名)のダメなところを教えてください!」

この質問に対し「何も無いですよ」と白を切る営業マンや、「逆にあなたはどこがダメだと思いますか?」と質問で返す営業マンは個人的には選びたくないです。

まず問題点が無い物件なんてありません。もし本当に営業マンがそう思っているのであればその営業マンの物件を見る目が無いという事ですので、即刻切り捨てましょう。

また質問で返す営業マンであれば、あなたが発した言葉に対し反論処理をしてくるでしょう。
要はあなたが抱いている懸念を言いくるめてしまおうという魂胆です。
このタイプには仕事が出来る人もいますが、自分の思惑通りに事を進めたがる営業マンなので、結果的にあなたの為にならない言葉を次々と真顔で話しますのでご注意下さい。

逆にしっかりと物件のダメな部分を教えてくれる営業マンは、現時点では合格といえます。
その物件のダメな部分も知った上で契約して欲しいと考えている可能性があり、もしそのダメな部分をあなたが受け付けなかった場合、それを考慮した上で物件を紹介してくれます。

この分析が必ず当たるとは思いませんが、この質問は重要なので必ず実行しましょう

何らかの理由でその物件を諦めた場合、そのままお店を後にする方はいませんよね?当然ながら「他に何かおすすめの物件ありますか?」という質問を担当者に投げかける事でしょう。

そこで営業マンの技量と物件知識が試されます。

問題はここからです!

気に入っていた物件がダメになった時、もしくは気に入っていた物件以外にもいくつか物件みてみましょう!と営業マンが提案してきた時、まず営業マンがどのような行動を取るかです!

ここであなたが気に入っていた物件に”条件が近い”という理由で、一方的に物件を紹介してくる営業マンは微妙です。

なぜなら、お客様が物件に対して感じる魅力は十人十色なので、Aという物件に魅力を感じたからといって、その物件に似ているBという物件を気に入るとは限りません。

要はお客様の求める条件を無視した、自分の知識をひけらかすための営業なのです。

自分の間違いに気づいていない営業マンは、あなたの求める希望条件を勝手に頭の中で作り上げ、延々的外れな物件提案をしてきます。

挙句の果てに、お客様が契約して帰らなかったら「あの人難しいですね~」と言い訳します。

こうなると本当に時間の無駄です。

物件の提案をする前に、しっかりとあなたの希望条件をヒヤリング(聞き出し)してくれる営業マンである事が絶対条件です。

たとえ、Aに似ている物件Bが良かったとしても、彼は完全にあなたの希望を把握しているわけではないので、後々ズレが生じ始めます。

この項目の冒頭でお話した、「ネットで知りえる事が出来ない情報」を現地で知ることになり、問い合わせした物件Aを断念し、その物件に似ているからという理由で紹介された物件Bにおいても同じような理由で断念さざるを得なかった場合、どうなるでしょう?

そうですね。
店舗にもう一度戻って始めからやり直しです。
そして仕事の出来ない営業マンは、そこで初めてヒヤリングを始めるのです。

最近ではメールで問い合わせをして、物件見学の日時を決め、お店に訪問するまでにメールでやり取りをしているので、営業マンにある程度自身の希望条件を告げている場合がありますが、その場合でも同じだと思ってください。

担当する営業マンが、明らかに思い込み営業をしている営業マンであれば時間の無駄です!

しっかりヒヤリングをした上で提案営業をしてくれる営業マンを見つけましょう!

まとめ

長くなりましたので、最後に要点をまとめていきます。

まず膨大な不動産情報をしっかりと把握している不動産会社を選ぶこと。

一般的になりつつある「不動産情報は共有されている」という半ば嘘のような情報は信じないように!問題は情報が共有されているかどうかではなく、あなたがお世話になろうとしている不動産会社に情報がどれだけ蓄積されているかです。

情報を持った不動産会社を見分けるために、不動産会社がポータルサイトに掲載している物件数をチェックし、少ない場合は却下、多過ぎる場合は要検討。
ほどよい掲載数でメンテナンスをしっかり行うことが出来ている不動産会社に絞りましょう。

その会社の中身を判断するために、店舗数はいくつか?行く可能性がある店舗に従業員は何人いるのか?という店舗の状況をチェックします。

合格ラインに達しているようであれば、あとは店舗に行ってか判断出来ません。

まず店舗に入ったら責任者をチェック!
そして店舗スタッフ全員の身だしなみチェック!

あとは営業マンが真摯な態度で接してくれればOK。親身になってくれる営業マンがいれば”この人のところで契約したい”と思えるようになります。

もしその日中に契約に至らなかったとしても、もう一度行く価値が十分ある不動産会社だと思います。

しかし、あなたの条件が無茶苦茶であり、尚且つ頑固にその条件を譲らないという事であればどんなに優良な不動産会社・営業マンを見つけても意味がありません。

相手の話を鵜呑みにする必要はありませんが、相手は不動産のプロなのでしっかり耳を傾けることも大事です。


最後に、あくびが出るような長ったらしい文章を読んで頂き、誠にありがとうございました。

「ここで契約できて良かった」と思える不動産会社に巡り合え方が、将来1人だけでもいるのであればこれ以上の幸せはありません。

お部屋探し大変かとは思いますが、諦めずに頑張ってください。

投稿名:不動産会社の選び方 |カテゴリ:不動産|投稿者:|投稿日:2月17日

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