本作は、女の子しかいない世界「アスガルド」を舞台にした、スマートフォン向けファンタジー3DアクションRPGで、プレイヤーは主人公ニーナなどの、女神の加護を受けた少女たち「神霊使い」を操作して、世界を救うために邪悪な存在に立ち向かっていく。
あらゆるジョブ、あらゆる種族のキャラクターが、全て美少女という作品。だがプレイヤーが主人公として作品世界に入り込んでいくタイプの作りではないので、ギャルゲーというわけではなく、キャラゲーといった様相を呈している。
Live2Dと豪華声優陣によるボイスで豊かに表現されたキャラクターなど、アドベンチャーパートの完成度の高さがまず目に入るが、アクションゲームの部分もたいへん良くできているので、少し遊んでみれば、なかなか侮れないゲームだということがすぐにわかるだろう。
ストーリー
三大女神によって祝福されていた世界「アスガルド」も、今や邪悪な存在によって平和を脅かされ、重大な危機に瀕していた。
大地を触れた者を幻獣へと変えてしまう「黒キ水」が侵食し、闇が祝福の光を遮ってしまうようになった中、1人の少女が女神の願いを聞き入れ、脅威へと立ち向かうべく旅立つことになる。
少女の名はニーナ。見習い騎士であるが、女神の力を受け、邪悪を払うことができる「神霊使い」の素質を持っているのであった。
はたしてニーナは、他の神霊使いたちを集め、世界を救うことができるのであろうか。
ゲームシステム
アクションパートとその前後のアドベンチャーパートが本作のメイン。
まずはアドベンチャーパートで、ぬるぬる動くLive2Dのアニメーションを楽しみながら、ストーリーを堪能しよう。
豊富なクエストに挑み、ストーリーを進行させたり、アイテムを集めたりしていこう。
報酬には課金石も含まれているので、集めてガチャを回し、自分好みのキャラクターを探し出すのだ。
キャラクターを進化させると新しいボイスが解放されるなどといった育成要素もある。
アクションパートでは、タップで目標を定めれば、あとは自動で移動し、そのまま敵を攻撃してくれるというセミオート方式が採用されている。
さらにダブルタップでスキルを発動したり、ソウルアタックという必殺技を放つこともできる。
なお、全てをおまかせにするフルオートや、自分で操作できる手動モードにも切り替えられるので、お好みで設定しよう。
とにかくコンテンツ数が豊富。
育成だけでも、キャラクターだけでなく、スキル解放や装備品の強化など、盛りだくさん。
マルチプレイでは他プレイヤーと協力してドラゴンを討伐するモードや、対戦できるアリーナ、さらにギルド戦となる領土戦なども用意されている。
グラフィックや音楽
キャラクターデザインがたいへん素晴らしく、それがアドベンチャーパートではLive2Dのアニメーションで活き活きと動くので、見ているだけで楽しい気分になれる。
またボイスも充実。加藤英美里に喜多村英梨といった名高いスター声優から、小倉唯に竹達彩奈といった大人気若手声優まで、ズラリと35人以上も集められているという豪華さ。
ただキャラクターの設定や台詞などは、何だかどこかで見たもの聴いたものが多く、それらはパロディギャグという形でもないので、ちょっと興醒めしてしまうところがある。
ストーリーのテキストもあまりよろしいとはいえない。面白みがなく、読み難く、時折明らかに誤った表現も見受けられる。せっかくのグラフィックやボイスの良さを削ぐ拙さにはガッカリであった
総合評価
グラフィックやサウンドなどのクオリティは高く、スマートフォン向けアクションRPGとしてもなかなか良くできていると思う。
しかし前述の通り、テキストの拙さでどうにもゲーム世界に入り込めないところがあり、ストーリー重視のRPGファンなどにはちょっと向かない作品かも。
また全体的にどうにも古臭い雰囲気というか、一時代前のRPGをそのまま持ち込んでしまっているようなところがあり、新しいものを求めるユーザーにも向かないところがあるかも。
ゲーム設計やシステムの不親切さや不具合も散見できてしまい、なかなかゲームに集中しきれない部分もある。
それでも豊かに描出された美少女キャラクターたちや、簡単操作でド派手なアクションができるゲーム内容は、実に魅力的で、価値のあるもの。
コンテンツも豊富なので、細かい部分がそれほど気にならないという方なら、長く気楽に遊んでいけるタイトルだと思う。