本作は、第二次世界大戦時に活躍した世界各国の様々な艦艇を操り戦う３Ｄ海戦シューティングゲームである。

多人数によるマッチングで共闘・対戦を行うのが主なコンテンツ。その中でプレイヤーは、バーチャルパッドを用いて、前進と後退、回頭に回避運動といった、リアリズムに寄った動作をとりつつ、主砲による砲撃や魚雷による雷撃、はたまた艦載機による艦爆などの攻撃を行い、敵チームの艦艇を沈めていく。

成績によって獲得した報酬を用いて、新しい艦艇を購入したり、カスタマイズすることも可能。膨大な数の艦艇や武装が揃えられているだけでなく、迷彩や乗組員といった細かい部分までもカスタマイズできる自由度の高さがあるなど、かなり大ボリュームなゲームだ。

ストーリー

基本的にはマルチプレイ対戦がメインとなるが、他にも第二次世界大戦で実際に起こった海戦を追体験できる「歴史戦役モード」も用意されている。

ミッドウェー海戦などのステージに、プレイヤーは手持ちの好きな艦艇で挑むことが可能。

メイン任務やサブ任務を達成することで、様々な報酬を獲得することができる。

ゲームシステム

まずはアバターの選択とプレイヤー名を入力。

かなり渋い感じだが、いくらかプレイしていけば、毛色の変わった絵なども入手することができる。

基本的には戦闘とカスタマイズを繰り返していくことになるが、研究や開発、スキルのレベルアップなど、プレイヤーの階級が上がるほどにやれることが増えていく。

戦闘はチーム戦だが、ランダム対戦やランク戦の他にも、全プレイヤーで共闘する合同作戦なども用意されている。

艦艇の動きがリアル寄りなので、操作に慣れるまではいくらか時間がかかるかも。特に魚雷などによる予測射撃などを使いこなせないと、敵に攻撃を当てることもままならない。コツをつかむまでは、ＣＰＵ戦となる歴史戦役モードなどで練習していこう。

ご覧の通り、艦艇数は膨大で、これらを収集していくだけでもかなりのやり応えがある。

もちろん１つ１つのカスタマイズも自由。下位の艦艇でも、愛（と資金とパーツ）さえあれば、長く使い続けられるほどの強さを与えることができるのだ。

船はパーツの付け替えだけでなく、乗組員の変更までできる。船長から射撃管理員、そして航海員など、ここでも細かい設定が可能。優秀な人材を得られれば、大幅に艦のステータスをアップさせることもできるだろう。

グラフィックや音楽

艦艇や海景を細やかに描いた３Ｄグラフィックは美麗のひと言。特に武装の１つ１つまで丁寧に描き分けている執念を感じるような様子は、ミリタリ好きのユーザーなどを熱くさせるものがあるだろう。

ステージの背景こそ、どこまでいっても海しかないので、いささか単調に感じられるかもしれないが、しかしとにかく艦艇数やカスタマイズのパーツ数が膨大なので、簡単には飽きが来ない。

また、一見してガチガチの硬派な作品としか思えない本作であるが、実はアバターや秘書官などには美少女キャラクターも設定できるようになっており、艦これなどから海戦モノに興味を持ったような新規ユーザーや若いユーザーでも参加し易いように作られている。こういった、ユーザーを限定しない配慮があるところも、本作の良いところといえるだろう。

総合評価

海戦を題材とした作品は数あれど、そのほとんどがシミュレーションゲームで、意外とシューティングゲームが存在しない。しかもここまで丁寧に作り込まれたものもなく、たいへん貴重な作品であるということがいえるだろう。とにかくクオリティが高く、ボリュームもあるので、ミリタリ好きや本格派シューティングゲームのファンであるほどに、その価値の高さがわかるのかもしれない。

ただそうした本格さによって、いくらかハードルが高くなってしまっているところもある。とりわけ操作の難しさやゲームレベルの高さなどは、スマートフォン向けの簡単ゲームしか経験がようなライトユーザーにはかなり厳しいものがある。メインが対人戦という内容でもあるので、楽しく遊ぶには、相応の実力か覚悟が必要となるだろう。