本作は世界で累計1億ダウンロードを突破したというメガヒット作品『Give It Up!』の続編である。
ゲーム内容は自動で進む毛玉のようなユニットをタップでジャンプさせ、障害物をかわしていくといったシンプルリズムアクションゲームとなっている。
軽快でご機嫌なBGMとポップでキュートな効果音、そしてまっくろくろすけのように愛らしいキャラクターとぱっと見はファンシーな誰でも楽しめるライトゲームに見えるのだが……。
おそらく開始して数秒もすれば悲鳴が上がることだろう……そのあまりの高い難易度に!
ストーリー
ストーリーは取り立てて用意されておらず、プレイヤーは突如として黒い塊を上手くジャンプさせなければいけないという使命を与えられるのだった。
深く考えている暇などない。黒い塊の自機キャラクターは全自動で進んでいくので、必死にタイミングを掴んでタップし続けなくてはならないからだ。
どんどんハイスピードになっていくステージは一瞬の油断が命取り。
油断していなくてもほんの半テンポ遅れただけで自キャラは死ぬ。山のような即死トラップに引っ掛かるどころか、ちょっと壁に当たっただけで死んでしまう脆弱さ……
果たしてあなたは無事にステージをクリアし、スターを獲得することはできるだろうか。
ゲームシステム
ゲームはたくさんのステージが用意されているが、進めば進むほど難易度は急上昇していく。
初見ではほぼかわしきれないだろう理不尽なまでの即死トラップの数々は、なるほどこのゲームはクリアさせる気がないんだなと思うばかり。
ステージで集めたコインで多種多様なキャラクターを入手することができるが、実はこれ見た目とBGMしか変わらずステータスが強化されたりはしない。
プレイヤーにはパワーアップすら許されていないのであった。
初回はまずチュートリアル。この時点で既にちょっと難しいような気がするが、スピードも本編の半分以下程度なので、ここで躓いているわけにはいかない。
はっきりいって本編が始まるとまずはスピードの速さについていくことができなくて、段差も越えることができずに死ぬ。
本当の地獄はこれからである。
キャラクターは一定のリズムに合わせてひとマスずつ飛び跳ねていく。
プレイヤーはその着地の瞬間に合わせてタップし、キャラクターにジャンプなどのアクションを起こさせるのだ。
このタイミングが実にシビアで感覚を掴むまで時間がかかるかも。
タイミングが外れて壁にぶつかって死亡。
トゲに刺さってしまって死亡。
何の予兆もなく飛び出してくる段差にぶつかって死亡。
などなど初見殺しのトラップに我々はいくつもの死を重ねていくことだろう。死ねばナビゲーターのやたら軽快な文章で煽られる。ちくしょう今にみていろ!
とにかく何度も死んで、トラップの位置を把握し、身体でタイミングを覚えていくしかない。
苦闘の末なんとかクリア……でもそれ、実はイージールートだったりする。
ステージ途中にある紫色のマスに乗ると、一段上のハードルートへと移動することができるのだった。
なんと恐ろしいゲームなのだろうか!
グラフィックやBGMなど
恐ろしいまでの難易度であるがキャラクターはとにかく可愛く、しばらくすると愛着が湧いてくる。
そうなるとなんとかクリアしようとさらに頑張るわけだが、理不尽なまでのトラップが襲い掛かってきてまたキャラクターは無惨にも死んでしまう。
ぐちゃりと潰れて死んでしまった時の悲しみはなかなか辛いものがある。
だがその悲しみを乗り越えてまた挑戦が再開する。
バックにはノリノリのBGM……
この音楽や効果音がまた本当にデキが良く、ますますゲームにのめり込んでしまうのであった。
総合評価
まずは高すぎる難易度に苛立ちを覚えてしまうようなプレイヤーには向かない作品といえる。
しかしだからといってアクションゲームやリズムゲームに卓越していないと遊べないのかというと、何度も何度も挑んでいけばなんとかクリアできそうと思わせる、いやらしいまでの絶妙なゲームバランスで設計されている。
なので苦手な人でもついついハマり込んでしまう可能性がある。
100回死んでも再チャレンジできる忍耐力のある方、歯応えアリアリの骨太ゲームが大好物な方、腕前に自信がある方、そしてぶっちゃけMな方などにオススメすることのできる作品である。
ハマった人はいつまでも遊び続けてしまうといった中毒性の高い作品でもあるので、用法容量を正しく守って遊んでいただきたい。