本作は、剣と魔法の王道ファンタジーをテーマとしたタワーディフェンスゲームで、中世ヨーロッパ調の世界を舞台にした、邪悪なる帝国との熾烈な戦いを描いている。
プレイヤーは、時間経過ごとに押し寄せてくる帝国軍の兵団を、育成したヒーローユニットや、建造したアーチャーやマジシャンの詰める防衛タワーで迎え撃つことになる。
それぞれの特性や攻撃範囲などを見極め、効果的に立ち回っていくのがゲームの肝。
バトル中は、ヒーローの待機場所を変更したり、タワーをアップグレードしたりするだけでなく、戦況によっては建てたタワーをあえて解体して素材をかき集めるといった、臨機応変な対応力が必要となるだろう。
ストーリー
ストーリーはゲーム内容と同じく王道中の王道といったもので、プレイヤーは主人公……帝国から自国を守るために立ち上がった王子「JAVE」を操り、様々な戦場に赴くことになる。
王子はヒーローユニットとして使用することができ、最前線で戦わせることができる。序盤のステージでは無双状態なので、しばらくは王子の活躍で敵軍の足を止めつつ資金を稼ぎ、支援のための防衛タワーを建設する、といった流れになるだろう。
しかし次第に敵が強くなり、攻め入ってくる兵団の数も増えてくると、そう簡単にはいかなくなる。なので今度は、王子が最も充分に活躍できるような布陣を敷く、という方針に変わっていくだろう。
王子の他にも、様々なヒーローユニットがいて、ストーリーを進めていくと解放することができるようになる。
ヒーローユニットには固有のスキル攻撃やパッシブスキルなどがあるので、特性を見極めて効果的に活用していこう。
ゲームシステム
ゲームを開始すると、まずはチュートリアルのステージが始まる。
ご覧のように、本作はローカライズが上手くいっていないようで、グーグル翻訳そのままにかけただけのような粗雑な翻訳となっており、いまいち何と書いてあるのかわからないことが多い。
いっそ言語選択は英語にしておいた方が、よっぽど内容を把握できるかも。
基本的にはステージをガンガンクリアしていくことがゲーム内容となるが、「トーナメント」では対人戦も楽しめるなど、なかなかコンテンツは充実している。
洋ゲーらしくログインボーナスなどの特典もたくさんあるので、小まめにチェックしておいた方がいいだろう。
バトルは、指定箇所にタワーを建設したり、3人まで編成できるヒーローユニットを配置したりして、襲来する敵軍を迎え撃つというもの。
打ち損じてゴール地点を通過されてしまうと、HPであるハートを削られてしまう。ゼロになったら当然ゲームオーバーとなってしまうので、なんとかして守り切ろう。
タワーはクリア評価で集めた星でアップグレードできる。
また、ゴーレム召喚や回復などのお助けアイテムを購入することも可能だ。
タワーと敵には相性があり、効果的なダメージを与えられる相手もいれば、ほとんどダメージが通らない相手もいる。
そうした相性や位置関係を見極めて配置していくことが、プレイヤーに課せられた問題となるのだ。
バトル勝利でヒーローユニットがレベルアップすることもある。
そうしたらすぐにスキルを強化したり、新しいスキルを解放したりしよう。
育成するほどにバトルが楽になっていくだろう。
グラフィックや音楽
西洋の現代絵本に見られるような独特のデザインがまず目を引く。キャラクターも背景も実に味わい深く、日本産のゲームにはあまり見られないようなファンタジー世界を描き出しているように感じられた。
敵キャラクターも含めて、細かいところまで丁寧に動かしているグラフィックは見事なもので、バトルはたいへん見応えがある。
また、サウンドもほどよいアクセントとなっており、耳心地も好い。
惜しむらくは、やはりローカライズに失敗して内容すら読み取れない酷い翻訳テキストか。できれば改善してほしいものである。
総合評価
クオリティも完成度も高い優秀な作品であるが、きわめてオーソドックスなタワーディフェンスゲームという内容は、プレイする前から飽きを感じてしまうユーザーが多いかも。
昨今の何百という同タイプのゲームが溢れている中では、特に目新しさもなく、独自性の高いルールなどもないと、なかなか新しく始めようという気にはなれないだろう。
ただ、そのタワーディフェンスゲームというジャンル自体を好むユーザーにとっては、これだけしっかりした作りの作品はかなり魅力的に映るはず。
というわけで、ジャンルのファン、あるいは初心者ユーザーの入門作品にこそぴったりの作品といえるだろう。