『麻雀 昇龍神』は本格的な麻雀ゲームを楽しめるスマートフォン向けアプリで、よくあるオンライン対戦が中心というものではなく、ＣＰＵ対戦に特化しているという、かえって珍しい作品でもある。

個性的かつバリエーションが豊富なＣＰＵとの対戦は、ＡＩ操作によってスピーディな対局が展開するので、短い時間でお手軽に本格麻雀を楽しむことができるだろう。

ゲームレビュー

『麻雀 昇龍神』は麻雀ゲームらしくストーリーは特に何も用意されておらず、主人公は名前以外は何１つ設定が存在しない。プレイヤーはただ１人の打ち手となって、様々な相手と卓を囲み、ひたすらに麻雀を打ち続けるのだ。

対戦できるキャラクターは強そうな男から可愛い女の子まで様々。それぞれに打ち方や癖が設定されているので、好みの３人を選び、対局を設定しよう。対局は細かくルールを設定することができ、とことん自分好みの状況を作り出すことができるだろう。

『麻雀 昇龍神』では１日に無料で挑戦できるゲーム数は限られているが、プレイ報酬であるコインを消費すればいくらでも対局に挑むことができる。また宣伝動画を見れば１局分サービスしてくれたりもする。

動画を見ればアイテムが入手できる福引に挑戦することもできるので、基本プレイ無料ということでもあるのだし、可能ならば積極的に広告に協力していこう。ちなみにアイテムといっても対局中にイカサマができるなどといった類のものではなく、スコアを倍にするなどといった、あくまで麻雀外の、ゲーム自体を有利に快適に進めるためのものである。

ゲーム内容はオーソドックスな４人打ち麻雀というか、雀荘の雰囲気がそのままスマートフォン上に表現されたかのような本格的な作りである。ルールの設定が細かくできたり、縦画面でも横画面でもプレイできたりと、かなりユーザーフレンドリーな仕様なのがありがたい。

ただ少々、牌が小さく感じられるので、タップミスなどには注意が必要。

ゲームモードにはイベント戦というモードもあり、ここで優秀な成績を収めることができれば期間限定アイテムやキャラクター、報酬や称号などを獲得することができる。上位戦はきわめてレベルが高く白熱した対局ができるので、自分の実力を試せるいい機会にもなるだろう。

対戦相手はバリエーション豊かで、なかなか個性的な面々が揃っている。打ち筋や性格だけでなく、ステータスそのものが明記されているので、自分にちょうどいい相手を選択したり、挑戦したいと思える相手を選択して、対局に臨もう。

イベント戦などの報酬で、キャラクターをどんどん増やしていくこともできる。スマートフォンゲームらしいやり込み度も充分にあるといえるだろう。

総合評価

グラフィック

「ド派手な演出でダイナミックな対局を楽しめる！」というのが『麻雀 昇龍神』の謳い文句の１つであるが、残念ながらその演出はせいぜい龍が出現したり雷が降ったりするだけで、あまりたいしたことはない。それもグラフィックがとにかく荒く、きわめて低クオリティなため、そうしたところに期待を寄せてしまうとかなりガッカリしてしまうかも。

キャラクターデザイン自体がもう２時代くらい前の脱衣麻雀で見られたようなもので、全体的に古く、安っぽい。それぞれキャラクターには一応ボイスも搭載されているが、それもまた素人の演技ばかりでチープ。

麻雀を楽しむということ以外に期待をしてはいけない作品だ。

レビュアー感想

はっきりいって絵も音も全体的に低クオリティで、ゲームとしても特に完成度が高いわけでもなく、目立って良いというところもなく、目新しさすらも見当たらない。しかしだからこそ、ひたすら麻雀を打つというゲーム内容に没頭できるのではないかとも思う。

自分の設定した状況で、望んだ打ち筋の相手と向かい合い、思考のかぎりを尽して打つ。これは修行である。本作は、麻雀に強くなるために練習し続けるためのアプリゲームなのだ。

ヘルプ機能もルール説明も特に用意されていないという硬派すぎる仕様も、そう考えれば全てが納得いく。純粋に麻雀を打ち続けたい、練習したいという玄人たちにのみ向けられて作られているのだ。

……まぁその練習のご褒美として、ゲーム内で獲得したコインを消費すれば、ちょっとエッチな絵の女性キャラクターを入手できたりもするのだが。

とにかく、ゲームとしての難易度は高いが、上手く打てば勝てるというゲームバランスの良さも評価できる。腕試しにもちょうどいい作品といえるだろう。