『バトルシップオンライン』はiOS専用アプリゲームで、艦隊シミュレーションゲームであり、軍港ストラテジーゲームである。
プレイヤーは提督となって海軍艦隊を指揮するだけでなく、軍艦の建造や鉄工所の建造、さらに研究所などをアップグレードしていき技術や組織を強化して、メインストーリーとなる史実海戦を攻略し、そして他プレイヤーたちの運営する軍港を侵略し、戦っていく。
リアルな描写とグラフィックで描かれた200以上の軍艦を自由に編成し、自分だけの最強艦隊を築くのだ。
ゲームレビュー
特徴
『バトルシップオンライン』には深いシナリオどころか概ねのあらすじすら存在せず、とにかくプレイヤーは新人の提督として、とある軍港に派遣され、あらゆる作戦や増強を独自にこなしていくことになる。
メインクエストとなるのは一応史実に基づいた海戦であるが、オリジナル戦艦によるレイドボス戦やイベント戦など、ステージや状況は様々。
そもそも秘書などの人物キャラクターの絵は明らかに西洋の、しかも某国のものとしか見えない表現なのに、駆使する艦隊は序盤こそ日本軍の艦艇が中心という、艦船のグラフィックがリアル寄りなわりには他の描写はきわめて曖昧で矛盾点も多い。鷲のマークも多用されているので、もしかしたらそういう架空戦記なのかもしれない。
あくまでリアルさを求める人には耐え難いかもしれないが、人によってはなかなか自由に楽しめる余地があるともいえるだろう。
プレイ内容
ゲームを開始すると、まずはチュートリアルが開始となる。やることやれることが山ほどあるゲームなので、しっかりと体得していこう。
本作の肝となる艦艇の建造や施設のアップグレードには資源が必要となるので、まずは鉄鋼やアルミなどの資源を生産する施設を建設しなくてはならない。また本拠地のアップグレードによって、研究所などの多種多様な施設がアンロックされ、建造することができるようになるので、スタート時はこの施設に気を配る必要がある。
史実を基にした海戦の数々がメインステージとして用意されている。その数は既に膨大でボリューム満点。好成績を出して報酬を獲得するというやり込み要素も備わっているので、やり応えも充分にある。
戦闘はフルオートで進行。予め編成した艦隊が、それぞれの特徴にあった攻撃を仕掛け、敵を沈めてくれる。勝利するには、とにかく艦船を強化し、提督のレベルを上げてスキルを強化することが重要だ。あとは敵艦隊との相性を考えて編成を行えばいい。
メインのクエスト以上に重要となるのが、他プレイヤーとの対人戦である。
他プレイヤーには、こちらが攻撃できるということは、相手も攻撃できるということでもあり、むざむざ資源を奪われないようにするためにも、軍港の防衛施設を強化する必要もあるのだ。
総括評価
グラフィック
前述の通り、グラフィックデザインに矛盾点などはいくつか見える作品である。ただそれでも、艦船の描写などはほどほどに細かく、拘りを感じ取ることができる。モーションも少なめながらキッチリと作り込まれているといった印象。
音楽は特に印象にも残らない平凡なものだが、効果音の数々はなかなか良い出来栄えで、戦闘や建造などがたいへん気持ちのいいものになっている。
全体的に演出があえて簡素にされ、スピーディにテンポよくゲームが展開するように作られているところも高く評価することができるだろう。実に小気味好いゲームである。
口コミ
『バトルシップオンライン』はiOSのみでの配信の為、具体的な評価数値というのは算出されないが、現段階でのプライヤー評価を勝手に計算してみると「4.51」というかなり高い評価になっている。
最近の戦艦・軍事系シミュレーションゲームの中には、本作以上にリアルに作り込まれたゲームもあるが、『バトルシップオンライン』は見せ方が上手く、ゲームシステムもバランスが良いため、これだけの高評価につながっているのだろう。
批判的な口コミが少ないので、今後も伸びそうなイメージだ。
レビュアー感想
サクッと心地好く遊べるゲーム。端的に評価すれば、『バトルシップオンライン』はそんなゲームである。
とにかく船の建造や施設のアップグレードなど、ゲームのプロセスが実に分かり易く、簡潔で、誰でも理解することができるだろう。その完成までは時間こそ要するが、それがまた達成感へと直結するというところもミソ。放置ゲームとしての面白さも備わっている。
戦闘も展開がきわめて早く、それでいて爽快感も物凄く感じられる。たいへん優秀な作り。全体的なゲームバランスも良く、無課金でも工夫次第で充分に争えるように作られている。
しかしながら最大の問題点として、あまりにもまんま同種の某作品と同じというところが気になって仕方がない。あちらは陸軍でこちらは海軍なのだからいいではないかと、割り切れる人でないと遊び難いかも。
個人的には気になりすぎてどうしてもゲームに集中しきれなかった。