本作は、タイトルの通りマフィアを題材とした作品で、ゲーム内容はリアルタイムストラテジーとなっている。
言わばこれは、マフィア経営シミュレーションゲーム。プレイヤーは、とあるマフィアのファミリーを率いるボスとなって、金と暴力によって縄張りを広げ、権力を手にし、社会支配を目論むこととなる。
逆らう者を排除し、自分のファミリーの力が増し、支配圏が拡大するほどに、さらなる富を得ることができる。そうすれば、美女でハーレムを作ることも可能だ。
男の欲望に直結したようなゲームである。操作もシステムもきわめて簡単なので、誰でも気楽に遊ぶことができるだろう。ストレス解消にもってこいの作品ともいえる。
ストーリー
対人戦がメインの作品なので、ストーリーというものは少しも用意されていない。プレイヤーはとにかくマフィアのボスとして、思うままに行動をとるこができるのだ。
サーバーは全世界同一なので、始まった瞬間から世界中のあらゆる他プレイヤーが競争相手、あるいは自分の富を脅かす敵となる。
やられる前にやれ、盗られる前に盗れと、常に殺伐とした雰囲気の漂うゲーム空間であるが、同盟を結んで協力者や友人を見つけ出すことも可能だ。
全てはプレイヤー次第といえるゲームなのである。
ゲームシステム
ゲームを開始すると、まずはチュートリアル。
美人でナイスバディな秘書ジェニファのナビゲートに従って操作し、ゲーム内容やルールなどを理解していこう。
基本的なゲーム構成は、箱庭ゲーム的なファミリー発展モードと、周辺地域の侵略モードを、ひたすら繰り返すだけ。
発展モードでは、様々な施設を建設したりアップグレードしたり、戦力となるユニットを訓練して育成したり、カジノで遊んだりすることができる。
手下としてパーティに組み込めるユニットは、チンピラから暗殺者までいて、資金を費やして育成することも可能。
さらに、権力を握ったマフィアらしく、美女キャラクターをはべらすこともでき、デートやミニゲームで親密度を上げることができる。
親密度の上昇に伴い、ファミリーに恩恵をもたらすパッシブスキルを習得したりもする他、服を脱がせたり、衣装チェンジしたりすることも可能となる。
カーテンが閉まってハートが飛び交って艶っぽい声が聴こえてくることもあるが、いったい何をやっているんでしょうかねぇ……。
ファミリーの領地を一歩外に出れば、CPUユニットのゴロツキどもがうろつく荒廃した世界がプレイヤーを待っている。
また、他プレイヤーの領地も案外すぐ近くにあったり。
侵攻して勝利すれば、資金や資材を分捕ることができる。
全てのプレイヤーを蹴散らして、世界のトップに立つのだ。
バトルはフルオートで進行。
育成や編成といった事前の準備で勝負は決まる。
グラフィックや音楽
ぱっと見のグラフィックは美しく、キャラクターのイラストなども種類豊富だが、動きが少なく質感も全体的にのっぺりしたところがあり、少々安っぽい感じは受ける。
また、ゲーム画面の構成やコマンド配置などのゲームデザインは、あまりにもテンプレートすぎて、既視感ばかりで少しも新鮮味がない。
ただ、美女の服を脱がせることができるとか、妙なところ…というか、多くの男性ユーザーが最も喜ぶであろう箇所に、やたらと力を入れているところなど、なんとも味わい深いものがある作品でもある。
さらに、着物と竹刀とか、スキンヘッドと火炎瓶とか、狂いまくったキャラクターイラストデザインなどは、かなりのインパクトがあり、印象に残る。
クオリティ以上の力を感じる作品だ。
総合評価
前述にあるように、たいへん個性的というか、独特の味わいを持った作品である。
そもそも取り扱っているジャンルからして特殊なゲームであるということはわかるのかもしれないが、それにしたって前衛が「暴徒」で、後衛が「射撃手」で、遊撃が「暴走族」なんていうユニットのジョブ名は、あまり聞いたことがないというか、他にないと思う。色々な箇所に、変なズレのようなものがあるのだ。
システムやゲームデザインこそありきたりな作品であるが、中身はたいへん変わった作品。ネタ半分で新しく始めてみても損はないのではないかと思う。
自由度が高く、テンポがよく、難易度も適度なものなので、意外とハマってしまうユーザーも多いかも。