本作は、全世界で1500万本以上というヒット記録を達成した大人気オープンワールド式ホラーアクションゲーム「Dead Island」の、初のスマートフォン向けゲームである。
内容はアクションRPG+タワーディフェンスといった複合的なもので、スマートフォンというゲーム環境を最大限に活かした、ダイナミックなアクションと、戦略性の高い熱い駆け引きという奥深いゲーム性を同時に楽しむことができるようになっている。
プレイヤーは立ち向かうのは、もちろんこれまでのシリーズ作品同様、ゾンビである。パンデミックに襲われ、ゾンビだらけとなってしまった島で、生き残りをかけて戦い続けるのだ。
ストーリー
ゲームの舞台となるのは、パプアニューギニアにあるとされる架空の島「バノイ・アイランド」
この島に建設されたリゾートホテルに滞在していた主人公たちは、突如発生したパンデミックに巻き込まれ、大量のゾンビに襲いかかられる。
プレイヤーは、シリーズお馴染みのキャラクターである、ラップ・ミュージシャンのサム・Bなど、総勢9人のプレイアブルキャラクターを操作し、拠点に襲いかかってくるゾンビを撃退し、船による島探索で生存者を救い出し、サバイバルを生き抜いていくことになる。
ゲームシステム
まずはチュートリアル。
船の燃料を求めて流れ着いたサム・Bを操作して、初めのステージを攻略しよう。
島の全てのステージをクリアして生存者を集めきれば、次の島を目指すことができる。
クリア報酬で獲得したトランクは、時間経過で開けることができる。
ゲームはタワーディフェンス&アクション。
開始前に予め兵器やトラップを設置し、拠点を襲ってくるゾンビの群れを撃退すればクリアとなる。
拠点が陥落すればゲームオーバーとなるので、常に全体を見渡して動くことが必要となるだろう。
また、戦闘中にはヒーローユニットを自由に動かして、直接ゾンビを攻撃することができる。
豪快かつ強力な攻撃をガンガン叩き込んでいこう。
ヒーローユニットは今のところ9人。多種多様なアクションとスキルを操って戦うことができる。
ヴァリエーション豊かなので、飽きが来にくい。
もちろん、ヒーローユニットの育成も可能。
金をつぎ込んでレベルを上げれば、より楽に攻略することができるだろう。
ステージ数は多く、ワールドマップは広大。
果てしないサバイバルがプレイヤーを待っている。
特定の倒し方など、こだわりのミッションをこなせば、課金石であるダイヤを獲得することもできる。
育成して攻略が楽になった時は、がんばって狙ってみるのもアリだろう。
グラフィックや音楽
ヒット作のスピンオフ的作品ということもあってか、制作にはかなり気合が入っており、全体的にクオリティが高い。
個性的な豪快アクションの数々は、繰り出しているだけでもかなり気持ちがいいし、手応えも感じられる。
防衛設備やキャラクター装備などは多種多様で、たいへんユニークなものもあり、飽きが来にくい。
ただ、いくらかローカライズに失敗しており、誤訳などが散見できるところがちょっと惜しいところか。
また、クオリティの高さ故に、大容量が必要となる点も注意が必要だ。
総合評価
探索と育成といったRPG要素と、箱庭ゲーム的なシミュレーション要素、そして戦術性と戦略性を兼ね備えたタワーディフェンス要素と、様々なゲームを上手く組み合わせた佳作といえる。とにかくあらゆるパートにやり応えがあり、いつまでも面白い。かなり長い時間を楽しむことができそう。
しかしながら、各要素がお行儀よくまとまったことによって、無難すぎるというか、目新しさは薄く感じられるものになってしまっているようにも思える。
とりわけ、原作ゲームにあった強い個性というか、アクの強さが一切消失している点が気になってしまった。これでは、ファンであるほど不満を覚えてしまうのではないだろうか。
またそうした独自性の薄さは、他の同じタイプのゲームからわざわざ乗り換えて遊ぼうという気持ちを喚起しない。
実によくできた、たいへん完成度の高いゲームだからこそ、余計に気になってしまうのであった。