なんとも印象に残る不思議なタイトル「弾幕月曜日」

力はあるが一見して何のゲームなのか分かり難いと、おそらく大手会社の制作では会議で却下されてしまうだろうタイトルだ。

しかしそれも、個人制作であるならば、誰も制止する者はいない。

そう、本作はなんと「MASAYUKI ITO」という個人によって作られたゲームなのである。

内容は敵弾回避を主軸とした「弾幕シューティングゲーム」で、５０以上の豊富なステージと自機育成要素などが盛り込まれた、たいへんボリュームのあるものとなっている。

ストーリー

ストーリーなどは特に用意されておらず、ゲームを開始すると、ただただクールでスタイリッシュなタイトル画面が表示され、次の瞬間にはチュートリアルのステージが開始される。

何のために、誰のために、誰が戦っているのか……全ては余白だ。あとはプレイしながら、プレイヤーが勝手に脳内で物語を展開していけばいいのである。

美しいＢＧＭに酔い痴れながら攻略し続けていけば、いつしかプレイヤーそれぞれに独自の物語が生まれていることだろう。

公式による紹介

弾幕シューティング
– スマートフォンで本格的な弾幕体験！
– 50ステージ以上の大ボリューム！

機体の強化
– ステージをプレイした後に手に入るポイントで、自機をレベルアップ！
– 強化した機体で、チャレンジモードに挑戦！ハイスコアを目指そう！

チャプター
– 各ステージに設定されたミッションをクリアしよう！
– ミッションをクリアして、新ステージを開放！
– チャプターで入手できるポイントを使って、自機を強化しよう！

チャレンジ
– チャレンジモードはチャプターとはひと味違う、本気のモード！
– 強化した機体で挑戦しよう！
– 難易度は、EASY、NORMAL、HARD、HEAVENの4つ！
– 自分の限界に挑戦しよう！

ランキングで上位を目指せ！
– チャレンジモードは、ゲームセンターのランキングに対応！
– 友達とスコアを競おう！
– ステージごと、難易度ごとのランキングに対応！
– 得意なステージを極めるもよし、全てのランキングに挑戦するもよし！

ゲームシステム

ステージは５０以上あり、無料ゲームとは思えないほどのボリューム感がある。

それでいて１ステージが秒内で終わるという潔さというか鮮やかさがまた素晴らしい。これによって、ちょっとした空き時間に１ステージという、スマートフォン向けゲームに適した遊び方が可能となるだろう。

そして１ステージの短さは簡単さには繋がらない。

ステージにはそれぞれミッションのようなものが設定されており、ただクリアするだけではポイントを稼ぐことができないのであった。

繰り返しのプレイで、最適な攻略法を見出していくといったことが、本作の真のゲーム内容といえるだろう。

基本的に操作は指２本あれば充分。操作性も抜群に良く、序盤ステージは弾幕シューティング初心者でも気楽にプレイでき、程好い練習ができるといった絶妙なゲームバランスが設定されてもいることも高く評価することができるだろう。

もちろん、上位の凶悪なステージがその先に待っているわけだが……

……その内、ボムが敵を倒すものでなく、回避するためのものになっていくのだ。

ステージクリアで獲得したポイントによって、自機の強化やボムの強化などを行うことができる。

ノーマルモードなど、実は序の口もいいところ。真のステージは、実はチャレンジモードが解放されてから始まるのだ。その凶悪な難易度の弾幕に挑むためにも、自機をできるだけ強化していこう。

弾幕シューティングが苦手という人でも、序盤ステージを繰り返してポイントを稼ぐということもでき、救済措置となっているのは本当にありがたい。

グラフィックやBGM

タイトル画面からメニュー画面、そしてゲーム画面に至るまで、クールかつスタイリッシュといった雰囲気のアーティスティックなデザインによって統一され、世界観が徹底されている様は、実に見事なもの。

その徹底的な美の追求は音楽にまでも及んでおり、あらゆる場面でプレイヤーの脳を揺さぶってくるようである。

そこにさらに、ステージを進めていけば真っ白な世界にサイケデリックな色彩が加わっていくといった、これまた見事な演出がなされており、難易度は上がるが気持ちよさも上がるといった効果をもたらしているように感じられた。

シューティングが苦手というプレイヤーにも、どうにかこの「美」は体感してほしいと思う。

総合評価

間違いなくこれは傑作といえるスマートフォン向けゲームである。

ここには美しさと気持ちよさと面白さ、そしてゲームとは何ぞやといった根本的な何かが存在しているようにも思える。

シューティングが苦手な人や、１ステージが秒内で終わるといったゲーム展開のスピーディさが合わない人などには向かないゲームかもしれないが、それでもぜひ１度は触れてみてほしい作品だ。

基本プレイ無料でありながら、広告の強制表示もなく、好きなだけ遊べることもあって、できるだけ多くの人にオススメしたくなるゲームである。