正式名称を「Black Survival」というこの通称ブラサバは、謎の無人島「ルミア」を舞台に、最大10人のプレイヤーで生き残りをかけたリアルタイムバトルを行うというマルチプレイ式サバイバルアドベンチャーゲームである。
プレイヤーは10人の内の1人となり、22箇所の区域を移動しながら、アイテムを集め、武器などを作り、獣や他プレイヤーと戦っていく。
立ち入り禁止エリアの発生でどんどん狭くなっていくフィールドや、他プレイヤーからの襲撃や罠の恐怖をかいくぐりつつ、最後の1人まで生き残ることができたら勝ちとなる。
1ゲーム中に育成したステータスも作ったアイテムも、次のゲームには全てリセットされるので、かなりの緊張感が持続する、なかなか歯応えのある対戦ゲームである。
ストーリー
30以上のキャラクターから好きなキャラクターを選択し、ゲームに挑むことになる。
このキャラクターたちは「実験体」と呼ばれる存在で、死んでも時間経過によって蘇るという不死の存在。
その「実験体」の開発者であるのか、謎の研究者「ナジャ」は、「実験体」たちを使った殺し合いゲームを行い、何かを「研究」し続けている。
はたしてプレイヤーは「生き残り」続けて、この島と「研究」の謎を解くことができるのであろうか。
ゲームシステム
冒頭では、謎の研究者ナジャとの会話劇が挿入される。
プレイヤーたちに「殺し合いゲーム」をさせるこの女の目的とは、正体とは、いったい……。
謎が謎を呼ぶ中、プレイヤーはとにかく1ゲーム1ゲームを生き延びていかなくてはならない。
ゲームを進めつつ、膨大なテキストによる設定と世界観の説明を読み込んでいこう。
まずはNPCとの「練習モード」でコツを掴めるまでゲームを試してみた方がいいだろう。
このゲームでは誰もが優しくない。うろちょろしてる初心者なんて恰好の的でしかないのだ。
本作には様々なタイプの「実験体」がいて、金貨や課金石によって購入すれば自由に使用できるようになる。
毎ゲームごとにレベル1からスタートするが、それぞれスキルや性能が異なるので、自分のプレイスタイルに合ったキャラクターを見つけ出そう。
入手した後は金貨を消費することで「進級」という育成も可能。これで基本ステータスがわずかばかりながら上昇する。
課金石を消費すれば見た目の変更も可能。なかなか豊富にコスチュームなどが用意されている。
バトルは、22のエリアを探索し、装備を整えつつ、他プレイヤーを殺していくというガチのサバイバル。
時間が経過すると少しずつ禁止エリアが増えていき、どんどん移動できるところが少なくなる。
自分のいる場所が禁止エリアになると死亡。常にタイムが表示されており、リミットが近づくと警報も鳴るので、早急に移動しよう。
もうちょっともうちょっとと、ついつい素材探しに熱中していると、うっかりタイムオーバーしてしまうので注意。
エリアでは、他プレイヤーがいなければ探索や休憩ができ、他プレイヤーがいた場合は毎回1度だけ攻撃することができる。
攻撃は「見つけた方」しかできないので、上手く立ち回れば、一方的に攻撃し続けることも可能だ。
ピンチの時は態勢を「隠密」に変えて逃げに徹することも必要。
上手く敵を倒せたら、相手の所持品から1つだけアイテムを奪うことができる。
グラフィックや音楽
海外産のゲームということで、グラフィックやサウンドなどに、日本のゲームにはない独特の雰囲気というか、不思議な味わいが見られる作品である。
キャラクターデザインは作品世界に合わせてかなり暗く、退廃的な造形ばかりであるが、丁寧かつ繊細なタッチで描かれており、男性も女性も皆、儚い色気に満ちた素晴らしいイラストとなっている。
様々な独自性ある魅力に満ちたゲームだ。
総合評価
対人戦がメインということで、常に異なる展開と結末を見せてくれる内容となり、サバイバルの緊張感も含めて、毎回新鮮なゲーム体験を味わうことができる作品である。
その歯応えゆえに、ライトユーザーにはいささか向いていないといわざるをえないが、感覚を掴み、自分なりの攻略法を見つけ出せれば絶対に面白くなる作品。初心者狩りにもめげない強さを持っているユーザーならば、ぜひ数ゲームは続けてみてほしい。きっと良き体験となることだろう。
ただし1ゲームに20分ほどかかるので、空き時間や移動中のプレイなどでは難しいかも。システム上致し方のないことではあるが、スマートフォンというゲーム環境を鑑みて、もう少し改良していただきたいところではあるか。