モンスターストライクで有名なＸＦＬＡＧによる新作は、１０マスのフィールドにユニットを配置して戦わせるという、対戦ボードバトルゲームである。

編成してあるユニットが毎ターンランダムに配布されるという、トレーディングカードバトルゲームの要素も含まれており、たいへん戦略性の高いゲームとなっている。

チェインアーツという、ユニットが盤上でコンボを繋いでいくシステムは、なかなかに爽快感溢れるもの。お試しする価値のある作品だ。

ストーリー

対人戦が主なコンテンツとなるためか、とりたてて深いストーリーなどは用意されていない。

ただキャラクター個々の設定はなかなか丁寧に付けられており、プレイヤーそれぞれにロールプレイを楽しめる余地のあるものとなっている。

使用できるユニット……ファイターには、それぞれ所属している勢力（ブランド）というものがある。

攻守のバランスがとれたファイターの集まる「十八番街」に、チェイン繋ぎを積極的に狙える攻撃射程距離の長いファイターの集まる「ＧＧＧ」に、火力こそが全てというパワーファイターが揃った「アスリートクリーチャーズ」に、能力は高いがクセの強すぎる集団「TOYS of the DEAD」に、一発逆転を狙える耐久力重視のファイターが多い「Justice Professionals」に、あらゆる勢力（ブランド）にも属していない「フリーランス」と、かなり多様性があり、そしてどれもたいへん個性的。

対戦の際、プレイヤーは１つの勢力（ブランド）しか使用することはできないが、フリーランスのみがどこにでも自由に組み込むことができるので、まずは自分のプレイスタイルに適した勢力（ブランド）を見極め、足りない分をフリーランスで補うデッキを構築していこう。

ゲームシステム

バトルはターン制。配られたユニット（ファイター）をスワイプで配置すると、設定されている攻撃方向に位置する敵や相手リーダーに攻撃を加えてくれる。

攻撃方向に味方がいれば、連鎖反応「チェイン」が生まれ、より強力なコンボ攻撃を繰り出してくる。

ある意味、パズルゲームの要素もあるといってもいいだろう。

攻撃を重ね、相手チームのリーダーのＨＰを０にできれば勝ち。

主なコンテンツは対人戦だが、まずはＣＰＵ戦で報酬を稼ぎ、チームを強化するところから始めた方がいい。

バトルには１ＶＳ１だけではなく、タッグマッチも用意されている。

また近隣のプレイヤーを探してのバトルや、ＱＲコードを読み込んでのバトルも可能。かなり本格的な対戦仕様である。

ユニット（ファイター）はガチャで入手できる。

本作にはレベルアップなどの育成の要素はないが、専用アイテムもしくは同一ユニットの入手で、バトル中のクリティカル率を上げることだけはできる。

バトル中、ＨＰが２０００以下になると、１度だけリーダーによる超必殺技を繰り出すことが可能。

その威力や効果はユニットによって様々にあるので、最適な発動タイミングを見極めるためにも、事前に効果を確認しておく必要があるだろう。

グラフィックや音楽

グラフィックはまずまずといったところ。ＣＧは粗めに見えてしまうが、演出面が優れているので攻撃シーンに迫力があり、完成度は高いといえるだろう。

ユニット（ファイター）にはそれぞれ声優によるボイスがついているが、それ以上に格闘技試合のナレーションなどでお馴染みの声優・立木文彦氏による実況アナウンスが印象的。プレイヤーや敵の行動の全てに、熱の入ったアナウンスが付けられるので、バトルが盛り上がること間違いなしだ。

総合評価

単純操作でありながら、プレイヤーの戦略性と戦術性が問われる奥深い本格対戦ゲーム。

それに加えて対人戦が主なコンテンツということで、難易度はちょっと高めのゲームでもある。力押しでは限界があり、実力ないしはボードゲームやトレーディングカードバトルの経験値を持つプレイヤーでないと、勝利を重ねていくのは難しいかも。

どちらかといえば玄人向けといえるこの作品……やり込むほどに、さらにタッグバトルなどの多様性あるゲームにも臨めるようになり、より面白くなってくるはず。

現在、アクティブユーザー数はかなり多く、マッチングに時間もかからないほど盛況な様子を見せている。新イベントや新ファイターへの期待も高まっている今こそ、新しく入っていくのに、ちょうどいい時期なのかもしれない。