カードバトルＲＰＧである『BattleHand(バトルハンド)』は、一見してはスマートフォンゲーム市場で大量に生産され続けてきた「ありがち」なアクションRPGゲームにしか見えないが、ただ実際にプレイしてみるとわかる。たった８枚のカードデッキから選択していくといったバトルシステムは、単純でありながらも実に深みのある戦術性戦略性があり、やり応えは充分にある。

クエストの配置とその成果といったゲームバランスの良さや、とにかくチュートリアルがしっかりじっくりと作り込まれているなど、良作といえるデキなので、幅広く多くの人に勧められる作品だ。

ゲームレビュー

ストーリー

物語は王道ファンタジーで、復活した邪悪な女王アメジストに対し、国を守るためにヒーローたちが立ち上がるといった、小さなお子様でも分かり易い、いたってシンプルなものになっている。

初めはメイジ（魔法使い）のおじいさんである「モンティ」しか使えないが、すぐに続々と仲間たちが加わっていく。ファイター（戦士）などのファンタジーＲＰＧおなじみの職業キャラクターたちから、エルフにドワーフと、多種多様なプレイアブルキャラクターが揃っている。

ユニット２体と８枚のカードデッキを好きなように構成し、冒険の旅を楽しむことができるのだ。

ゲーム概要

『BattleHand(バトルハンド)』のコンテンツ数はなかなか多く、かなり充実している。

対人戦や稼ぎダンジョンなど、スマートフォン向けに必要とされるだろうコンテンツは一通り揃っているといった印象。

バトルは８枚で組んだデッキから、ランダムに配布される４枚のカードから１枚を選択し、出し合うといった形で進むカードバトル方式。

ターン制というわけではなく、カードごとに設定されている「発動時間」によって攻撃の順番が入れ替わることになる。つまり戦局を理解し、先を読んで考慮しなければ、強い攻撃を繰り出す前に先に撃破されてしまうといった事態に陥ってしまうこともあるので、この「発動時間」が本作の最も重要な要素の一つとなるだろう。

キャラクターの数は多く、種類も豊富。ガチャなどではなく、プレイヤーレベルを上げることで解放されていく。それぞれに特性があり、単純な強弱ではなく、ステージとの相性でユニットを選択していかなければならないだろう。

育成要素も充実しており、初期のメンバーでもきちんと強く育て上げれば、問題なく使い続けることができるはずだ。

デッキはユニットごとに組めるようになっており、やはり特性を活かすことが重要となってくる。また偏りなどが起こらないように留意することも必要だ。

カードには攻撃や防御だけでなく、回復や特殊効果など様々にある。

入手方法はガチャ。全ては運次第となる。ただカードそのものを強化することもできるので、どんなカードでも強くすることが可能だし、お気に入りのカードを使い続けることもできるだろう。

総合評価

『BattleHand(バトルハンド)』には子どもでも遊べるデザインや物語、単純明快でありながらきちんと奥深さもあるゲーム性、そして何よりも誰しもが遊び易いと感じられるだろうインターフェースの優秀さがあり、たいへん完成度の高いゲームといえるだろう。

グラフィックはなかなか良く、特に戦闘シーンのモーションなどが豊富で、どれもファンシーで、見ているだけで面白い。キャラクターデザインに関しては良くも悪くも洋ゲーといったところで、日本人にとってはかなり好き嫌いが分かれてしまうところだろう。

ただこうした全体的にファンシー寄りの優しく柔らかいデザインや、ゲーム画面やメニュー画面の見易さ分かり易さなど、小さな子どもでも安心して楽しむことができる作りは歓迎できる。

度重なるアップデートで、次々と新しい施設やコンテンツが増産され解放されていることも好印象。今新しく始めるにはちょうどいい作品といえる。

しかしながら、せっかくのゲーム性の足を引っ張るようなバトルのテンポの遅さや、いささか回復に時間がかかりすぎるスタミナ制など、システム面にやや欠陥が見えるところが惜しい。

現代の、しかもスマートフォンというゲーム環境では、ちょっとした合間に進められるゲームこそ歓迎されるというのに、これではなかなかユーザーを引き留めるのは難しいのではないだろうか。ただ前述の通り、更新の頻度が高いので、今後のアップデートには期待できるかもしれない。軽々には見過ごせない作品だ。

口コミでの評判

GooglePlayにおいてもAppStoreにおいても、本作の評判はかなり良い。口コミに書かれている内容を見てもBattleHandが良作だという事が十分に伝わってくるだろう。

批判的な内容も多いが、全体でみると★5評価を付けているユーザーが圧倒的に多いのだ。それだけBattleHandの世界観が各国で受け入れられているという事だろう。