株式会社Aimingより配信されている『彗星のアルナディア』は、滑らかな2Dアニメーションが特徴的なRPGで、スマートフォンという環境に合った、指先一つの簡単操作でプレイが楽しめるといった内容になっている。
プレイヤーは様々な特性を持つユニットを編成し、タップ1つで繰り出せる強力な固有スキルを駆使して、立ちはだかる強敵たちを打ち倒していくのだ。
ストーリー
舞台は人と魔族、獣人と精霊が共存するファンタジー世界。
ある日、世界に彗星が落下するが、そこには強大な力を得られるという「夢幻の箱」が眠っているという伝承があるため、人や魔族、様々な者たちが伝説の力を求めて争いを始めることになってしまった。
王道的ファンタジーを土台にしつつ、ドタバタギャグと愉快でファンシーなキャラクターたちで語られるという、たいへん魅力的な物語となっている。
ゲームシステム
配信開始からまだ間もない『彗星のアルナディア』だが、コンテンツは一通り揃えられているといった印象。
基本はストーリーモードを進行させていくが、曜日ごとのチャレンジバトルに挑戦できる「地底都市」に、レイドボス戦を楽しめる「厄災の祠」や対人戦を楽しめる「アリーナ」など、なかなか豊富。
また「大聖堂跡」というコンテンツでは、超難敵である魔王に挑戦し、レアアイテムや装備を入手することができるなど、やり込み要素はかなりある。
メインとなるストーリーモードは、主人公たるお姫様「ミルドレッド」の物語を進めつつ、後に仲間となるキャラクターや、魔族陣営側の物語も同時に楽しめるといった、かなり作り込まれた構成になっている。
ストーリーの1つ1つが実に細やかに描かれており、絵本を捲っていくような楽しさがあって、ついついプレイに熱中してしまうだろう。
ステージ開始とクリア後にはアドベンチャーパートが挿入され、愉快でテンポの良い会話で物語を進めてくれる。
使用できるキャラクターは、スマートフォン向けゲーム定番のガチャ以外にも、物語を進めればどんどん増やしていくことができる。たとえレア度が低いキャラでも、本作ではレア度すら上げていくことができるといった嬉しい仕様になっているので、時間と愛情さえ費やせば、どんなキャラクターでも使い続けていくことができるだろう。
バトルは基本手にはオート進行。
プレイヤーはキャラクターのアイコンをタップしてスキルを発動させることくらいしかやることはない。
しかしゲームバランスが絶妙に調整されているため、そのスキル発動のタイミングがステージクリアの成否を決めることになるだろう。意外とやり応えは充分だ。
総合評価
グラフィック・BGM
『彗星のアルナディア』のグラフィックは美麗かつ、ヌルヌルとよく動く素晴らしいアニメーションによって描かれている。
キャラクターデザインはデフォルメされたファンシーなもので、男も女も誰もがたいへん可愛らしい。目の描き方や等身バランスなど、一見独特というか、かなりクセのあるものだが、現代絵本チックな雰囲気はゲーム内容とぴったり合っていて、プレイすればするほどキャラクターたちに愛着が湧き、世界に入り込んでいくことができるだろう。
背景などの作り込みも素晴らしく、ついつい画面に見入ってしまうことも。
ゲームデザインもシステムデザインも、ほどよくまとまっていて、見易く遊び易い。
バトル画面がちょっとごちゃごちゃしているように思えるが、それは大乱闘バトルのにぎやかさだと考えれば気にならないかも?
口コミ・評判
本作はAndroid版・iOS版共に非常に評価が高い。特にGooglePlayでは「4.5点」という驚くべき高評価だ。
ダウンロード数が100万超えているという事を考えると、アベレージポイントでこの高評価は良作だと言わざるを得ないだろう。
CMや広告に力を入れていないため認知度はまだまだだが、確実に楽しめるアプリ。
感想・評価
キャラクターにはボイスが実装されているが、キャストは立花慎之介に水島大宙、後藤邑子に花江夏樹と、技巧派の声優が揃えられているのはまた面白い。
全体的にクオリティはたいへん高く、良作といえる作品。操作方法も簡単で、物語も王道的で、なおかつシステムもしっかりしているので、老若男女問わず誰でも楽しく遊べるはず。
ただギルドバトルなど対人戦を楽しむには、かなりの労力と時間を費やしてパーティーを強化しなければならないところがあったりと、ヘビーユーザー向けとライトユーザー向けの作りが混在しているところがあるため、自分に合うゲームなのかどうなのかを判断し難いところがあるといえるのかも。
また、バトルは絵の動きから背景から実に素晴らしいのであるが、ごちゃごちゃしすぎているように見える点と、スピード感のなさ、スキルを伴わないアクションの地味さなど、気になってしまう点も多い。
まだ2016年8月にスタートしたばかりの作品なので、今後の展開や改良には大いに期待したい作品である。