本作は、オンラインの4人打ち麻雀をベースとしつつ、100名を超えるキャラクターの育成や、特殊スキルを用いての攻防などが行える、RPGの要素も組み込んだゲームとなっている。
積み込みから鳴きキャンセルなど、様々な反則形式の麻雀対戦を楽しめる一方、設定次第でごく普通の「ガチ」な麻雀対戦もできるなど、麻雀ライト層とヘビー層の両方に配慮したような内容だ。
多彩でキャラクターでパーティを組んで戦う「ドラゴン対局」では、点棒ではなくHPを削り合って勝敗を争う。ルールがやや複雑だが、新鮮さはあるといえるだろう。
ストーリー
オンラインの対人戦がメインコンテンツのため、特にストーリーは用意されていないが、ドラゴン対局に使用できるキャラクターには設定や個性などが盛り込まれている。
お気に入りのキャラクターでパーティを編成し、対局に挑戦していこう。
ゲームシステム
ドラゴン対局で使用できるキャラクター「龍遣士」たちは、ガチャで入手することができる。
それぞれにコスト、ステータス、固有スキル、リーダースキルなどが設定されているので、まずは自分の麻雀スタイルに合ったキャラクターを探すことが肝心となるだろう。
またキャラクターは「萬子」「索子」「筒子」「字牌」という麻雀牌の種類にかけた4属性に分けられており、パーティ編成には各属性から1体ずつ選出しなくてはならない。
この時、選出した4人の相性や条件によって、陣形効果というものが発生し、パーティのステータスを大幅に上げることもできる。
そしてキャラクターは、不要キャラや素材を消費して強化育成を行うこともできる。
スマートフォン向けゲームではお馴染みの「進化」も可能だ。
ドラゴン対局も、一見しただけではごく普通の対局に見えるが、実際に始めてみると、パーティに組み込んだキャラクターの特殊スキルが飛び交う、たいへんにぎやかなものとなる。
スキルには配牌時に使えるものから、打牌時に使えるものまで、多種多様にある。すり替え、欲しい牌の引き込みなど、なんでもござれだ。
ただレアなキャラクターほど、スキルがわかり難いというか、たいへん使い難いのが困ったもの。あえて手配交換などわかり易いのが使える低レアキャラクターを使った方がいいのかもしれない。
上がった役、その点数に応じて、相手にダメージを与えることができる。
ロン上がりではその相手だけを攻撃し、ツモ上がりなら全員を攻撃することが可能。
高めの役で上がれたら、ワンターンキルだって成し遂げられるだろう。
対局に特化したコンテンツ。育成と対局の他には、特に何も用意されていない。
ただオンラインによる対人4人対局の他にも、CPU戦や、プレイヤーの傾向をAIに反映させてオートで戦うAIモードなど、内容はかなり充実したものとなっている。
また対局を予想して資金をベッドできる機能などもあり、楽しみの幅はかなり広いといえるだろう。
グラフィックや音楽
グラフィックやサウンドなど、全体的にそこそこのクオリティ。麻雀ゲームとしてはかなり頑張っている方なのではないだろうか。
せっかくのドラゴン対局における戦闘画面などは、もうちょっと演出面で工夫がほしかったようにも思えるが、対局中のカットイン演出などは悪くないし、実況ボイスの設定などはたいへん良いといえる。
ルールこそ複雑だが、画面の作りやデザインは単純で分かり易く、たいへん遊び易いのもまた魅力的なところ。
総合評価
麻雀とRPGという2ジャンルの統合に成功した、まさしく「新感覚麻雀」の看板は伊達ではないという作品。
オンライン対戦に特化したゲーム内容ではあるが、AIや実況など様々なゲームモードを自由に選択できるなど、その幅は広く、ボリューム感は満点。自分の好きなスタイルで麻雀を楽しむことができるだろう。
ただ肝心の麻雀部分のテンポが少々悪かったり、ドラゴン対局におけるスキルがあまりに分かり難く使い難いなど、惜しい点も多い。
麻雀が好きなプレイヤーには程好く新しい刺激となる作品かもしれないが、それほど麻雀に詳しくないユーザーや、RPG部分を中心に期待したユーザーには、ちょっと合わないところがあるかもしれない。