KingとSnowprint Studiosの提携によって開発された本作は、北欧神話を題材としたパズルRPGで、世界的な大ヒット作となった「キャンディークラッシュ」などを開発してきたKingらしい3マッチ式パズルのシステムを応用した、たいへん戦略性の高いバトルを楽しむことができる作品だ。
プレイヤーは、毎ターンごとにフィールドへランダムに排出できるユニットを制限回数内で動かして、基本的には縦に3体あるいは正方形に4体になるように並べ、ユニットを合体させて、敵陣へと攻撃を仕掛けさせる。
他にも横に3体で防衛ができたり、T字に繋げば…と、パズル要素だけでもかなり奥深いのであるが、さらにユニットと主人公の育成や装備品の収集など、RPG要素もかなり作り込まれており、やり込み度の高いゲームとなっている。
ストーリー
ゲームの舞台となるのは、北欧神話の世界。
プレイヤーは、最後の女戦士となった主人公エンブラを操作し、終末戦争ラグナロクによって滅びつつある世界を救うべく、戦いを繰り広げていく。
9つの世界をめぐり、世界を氷で閉ざそうとする闇の軍勢を打ち倒して、封印されてしまった仲間たちを助け出すのだ。
ゲームシステム
バトルはターン制。召喚ボタンをタップしてフィールド上にユニットを出し、制限回数分ユニットを動かして、組み合わせ、敵陣を攻撃させる。
それが終われば敵のターン。場に出ている敵ユニットが襲いかかってくるが、その列に仲間ユニットがいてくれれば、ダメージを代わりに受けてくれる。誰もいなければ主人公がダメージを受けてしまう。主人公のHPがゼロになれば、当然ゲームオーバーだ。
合体や攻撃、あるいはダメージで消えたユニットは、また手元に戻ってくるので、再び召喚ボタンで排出できる。
ユニットであるクリーチャーは多種多様にあり、ステータスの違いだけでなく、様々な固有スキルを持っている。
最大4体のユニットで自由にパーティを編成し、バトルに挑もう。
新しいユニットは、バトルクリア報酬で獲得できる専用ジェムを集めることで解放できる。
強化スロットによる育成も可能。
レア度の低いユニットでも、育て上げればかなりの戦力になるだろう。
ステージがクリアできなくなったら、一度育成に集中してみてもいいかもしれない。
バトルクリアで得られる経験値で、主人公もレベルアップして成長する。
HPや防御力のステータスが上がれば、バトルはかなり楽になるはずだ。
また武器防具を装備させることもでき、追加攻撃などができるようにもなる。
クリアを重ねてステージを進んでいけば、対人戦を楽しめるPVPモードやギルドなどの他コンテンツも解放される。
ボスバトルやダンジョンなど、スマートフォン向けRPGによくあるコンテンツがしっかりと揃えられているので、遊ぶほどにやり応えが高まっていくだろう。
デザインや音楽
グラフィックやサウンドだけでなく、エフェクトなどの演出面にも随所にこだわりが見て取れるという、たいへんクオリティの高い作品である。
ただ、キャラクターデザインが、洋ゲーにありがちな武骨さがあるだけでなく、ちょっとエキセントリックなものが多いので、合わないと感じてしまうユーザーもいるかも。
それでも、こういったジャンルのゲームにも珍しく、キャラクター同士の掛け合いなどストーリー面もしっかりと作り込まれているなど、魅力的な部分の方が多い。ボス戦の演出などはかなり熱いものがあり、必見である。
総合評価
既存のジャンルとシステムを単に組み合わせただけでなく、互いに発展させて全く新しいジャンルへと昇華させることに成功した、実に秀作といえる完成度の作品。
パズル要素は操作とルールはシンプルでありながら、攻防を織り交ぜたことで深い戦略性を持っており、RPG要素はそんな戦略性の高いパズルの難易度を適度に調整してくれるものとしても機能しており、さらに膨大なやり込み要素にもなって、プレイヤーを長い時間楽しませてくれるのだ。
パッと見こそ、よくあるパズルゲームのように思えてしまうかもしれないが、実際にプレイしてみれば、すぐにそうではないということがわかるはず。まずはぜひ、お試しで遊んでみてほしい。