本作は日本各地や世界各地で古くから伝わる妖怪やモンスターたちなどを題材とした、基本プレイ無料のスマートフォン向けカードRPGで、2017年で配信から5周年となる、たいへん息が長く、多くのユーザーたちに愛され続けている作品である。
プレイヤーは妖怪世界の王を目指して、個性豊かな妖怪たちをまとめ上げ、悪党妖怪をこらしめていく。
ステージ探索やバトルがタップだけでプレイ可能という、ごくごく簡単なゲーム内容なので、誰でも気楽に、まったりとゲームを楽しむことができるだろう。
5年という長い歳月により、既に登場キャラクターは1000を優に超え、ステージやシナリオ数も膨大なものとなっている。また各種ミニゲームも充実しており、ボリューム感は満点だ。
ストーリー
物語の舞台となるのは、妖怪たちが暮らす世界「妖界」
そこでは今、年老いた現王の命により、次の王、つまり後継者を決めようとしていたのだった。
選ばれる条件はたった1つ。それは「誰よりも立派な百鬼夜行を作った者」である。
悪事を働く悪い妖怪たち「夜行衆」と戦いつつ、様々な妖怪たちと出会い、友好を深め、仲間にし、最高の百鬼夜行ができる一団を作り上げていくことが、本作の目的となる。
ゲームシステム
プレイヤー(主人公)は、ひょんなことから妖狐の「尾光(おこう)」と出会い、妖怪たちが連なる「百鬼夜行」を率いるべく、共に旅をすることになる。
「お前様」と慕ってくれるこの狐は、普段こそ幼い子どもの姿をしているが、街の酒場などでは大人モードにチェンジし、主人公に寄り添ってくるなど、たいへん愛らしいキャラクター。他にも可愛らしいキャラクターや、強くてカッコイイキャラクターなど、多種多様なキャラクターが揃っている。
こうしたキャラクターとのやりとりこそ、このゲーム最大の魅力といってもいいだろう。
ステージは、画面をタップして進み、一番奥にいるボスを倒せばクリア、というきわめてシンプルなもの。
進むには体力が必要となるが、新規ユーザーには体力無限期間などが設定されているので、今からでもガンガン進めていくことができる。
バトルもタップするだけの超簡単仕様。
それだけに特にやり込む要素もないため、戦術性などを求めるプレイヤーには向かないところがある。
編成は基本火力というシステムでもあるので、戦略性も薄い。
あくまでカード集めが本作の目的であり、手段ともなっているのだ。
コンテンツ数は多く、縁日のミニゲームだけでも延々と遊べてしまうほど。
ゲームで暇つぶししたいというユーザーにはぴったりの作品といえるだろう。
グラフィックや音楽
グラフィックやサウンドなどは、前時代的というか、ガラケー時代の名残を感じさせる古臭いものであるが、それだけに動作は軽快で、端末のスペックや容量に縛られず、おそらく誰でも気楽にプレイすることができるはずだ。
古臭いといっても、それはCGなどの質感の話であって、キャラクターイラストなどはどれもたいへん美しく、可愛く、かっこよく、魅力的。
また和風+少女漫画的ともいえる独特のタッチは、他のソーシャルゲームにはあまり見られないもので、強い個性となって見る者を引きつけるものがある。
さらに、テキストの質が良く、通常シナリオからキャラクター個別のシナリオまで、たいへん深みのあるものになっていることなども、このゲームの優れている点として挙げておきたい。良きイラストと相まって、キャラクターたちとの交流を存分に楽しめることだろう。
総合評価
絵の質感やガラケー時代のゲームシステムにより、ぱっと見こそ時代遅れ感すら感じられる作品に思えてしまうかもしれないが、実際にプレイしてみれば、丁寧に作り込まれたシナリオや設定、そして強い個性など、様々な魅力を発見することができるはず。
ゲームのボリュームも膨大なので、まったりカードRPGを楽しみたいというライトユーザーや、ストーリー重視のRPGファンなどにオススメすることができるだろう