本作は、モンスターの育成と3マッチ式パズルを合わせたパズルRPGで、多彩なモンスターのスキルを扱いながらパズルを解いて敵を倒していくというバトルを楽しむことができる。
これだけなら、他にいくらでもあるようなコンセプトの作品としか思えないが、本作の特色として、パズルが「ルービックキューブ」を題材としている、というところが挙げられる。この要素によって、パズル部分のゲーム性が非常に高いものとなり、かなり歯応えのあるパズルゲームに挑めるようになっているのだ。
骨太なパズルゲームを求めるユーザーにこそ、オススメできる作品といえるだろう。
ストーリー
ストーリーはごくごく簡素なものが添え物程度に置かれているだけで、大掛かりな仕掛けや大展開などがあるようには見えない。
ゲームの目的も「伝説のモンスターを探し出す」という、これまたモンスター集めを題材とした作品によくあるもので、目新しさもない。
ただ、モンスターには精霊からドラゴン、はたまた人間型と、多種多様なタイプが揃えられているので、ユニット収集はかなり楽しむことができそう。
ゲームシステム
ゲームを開始すると、まずは初めのパートナー選びとなる。
お約束ともいえるスタートだ。
可愛い女の子のナビゲートによるチュートリアルが始まる。
指示に従って操作していこう。
ダンジョンというコンテンツで、ステージをどんどんクリアしていくことがゲームの主な流れとなる。
コンテンツは少ないが、クエストの設定などは用意されている。
ステージ数は多く、果てしなき旅となる。
イベントダンジョンが開催されていることもあるので、お知らせは必ずチェックしておこう。
パズルは、列を縦横にスライドさせて同色のピースを3つ以上繋げていくというもの。
よくあるピース1つだけが動く3マッチ式パズルと違って、列全体が動いてしまうというところがなかなかに難しい。
ピースが消えると、その色と同じ色のユニットが敵に攻撃してくれる。
敵を全て撃破すればステージクリアとなる。
ユニットはガチャで獲得できる他に、バトル中にアイテムを使って捕獲したり、クリア報酬で獲得できたりもする。
不要ユニットを素材にして強化することも可能だ。
グラフィックや音楽
グラフィックはそこそこのクオリティで、キャラクターデザインなど悪くはないが、突出した良さや目新しさなどは感じられないもの。親しみ易さはあるが、どこかで見たことがあるようなデザインが多すぎるのはさすがにマイナス点だ。
また、サウンド面は貧弱で、お世辞にも良いとはいえないものがある。全体的にあまり良いデキとはいえない。
特に残念に感じるのは、ルービックキューブというせっかくの新しいコンセプトを少しも活かしきれていない平凡なゲームデザイン。ここを工夫するだけで、この作品の評価は大きく変わったように思える。
ただ、この平凡さは誰にでもわかる、遊べるという、ほどよいシンプルさであるともいえるだろう。小さなお子様でもきっと楽しく遊べるはずだ。
総合評価
既存の作品とあまりにも似通った部分の多すぎる作品なので、同タイプのゲームを既に経験しているユーザーは、素直に楽しむことができないかも。
また、ステージ数こそ多いが、ゲームモードが少ないどころか、ほとんど同じようなデザインとギミックのステージばかりが延々と続くというところは、ゲームに歯応えを求めるユーザーにはあまり合わないところであるといえるか。
しかし一方で、ルービックキューブというそもそも難解なパズルを題材としたゲーム内容はかなり難しいものがあり、パズルそれ自体には歯応えがある。
もちろんそれによって、なんともゲームバランスの悪いものになってしまっているともいえてしまうのであるが……。
コンセプト自体はかなり興味深いというか、大いに可能性のあるものだと思うのだが、それを活かしきれていない作りは、重ね重ね惜しく感じられてしまう。
それでもやはり、前述にあるように、小さなお子様やゲーム初心者など、全体的なシンプルさがぴったり合うライト層には、ほどよく遊べる作品であるともいえる。
モンスターを捕獲していくシステムも、王道中の王道だからこそ安定のある面白さ。どんどん集めて、気に入ったユニットをガンガン育てていくというプロセスは、やはり快感と達成感を得ることができるものであるといえるだろう。