本作は、２０１８年４月の現在では新作劇場版も上映されている大人気巨大ロボットアクション映画シリーズ「パシフィック・リム」の世界観と登場ロボットを題材としたアプリゲームで、内容はなんとびっくり３マッチ式のパズルゲームである。

アクションゲームではなくパズルゲームという時点でがっくりときているファンも多いかもしれないが、しかしこれが意外と作品の空気というか、独特の味わいを絶妙に再現しており、不思議なことに良質のキャラクターゲームとして成立しているのである。

とりわけ、パズルを解くほどに蓄積するゲージを消費してのスキル攻撃は、映画での動きを忠実に再現したものとなっており、迫力あるシーンとして熱心なファンほど興奮することができることだろう。

ストーリー

プレイヤー（主人公）は、軍人として優秀な成績を重ね、短期間で環太平洋防衛軍(PPDC)の司令官に上りつめたきわめて優秀な人物だ。

PPDCとは、太平洋沿岸２１カ国が集結して作り出した地球最強の軍隊。

そう、この世界では、人類は災害であり敵である、怪獣「KAIJU」の脅威にさらされているのだ。

異次元と接続してしまった深海の裂け目から次々と出現して襲い掛かってくる怪獣に、人類は滅亡寸前。

そこでプレイヤーは軍の司令官として、世界中から集まった優秀なパイロットチームを率いて、巨大戦闘ロボット「イェーガー」の部隊を作り、力を合わせて怪獣に立ち向かっていくのだ。

ゲームシステム

ゲームを開始すると、まずはいきなりチュートリアルともなる初めのバトルに。

本当にパズルゲームなんだとびっくりしている間もなく、サトウ将官は矢継ぎ早に指示を出してくる。言われた通りに動かして、操作方法やルールを覚えていこう。

バトルはステージ制になっており、その数は膨大。

倒しても倒しても新しい怪獣が出現する。

なんて世の中だ！

パズルはよくある３つ以上同じ色を揃えて消していくといったもの。

基本的には、装備してあるスキルに対応したパネルを中心に消していこう。

そうすればゲージが溜まり、スキルを発動できるようになる。

スキルは、劇場版でも炸裂した大迫力かつ大威力の必殺技！

これで怪獣に大ダメージを与え、一気に倒してしまおう。

敵怪獣のＨＰゲージをゼロにすれば勝利。

当然、怪獣も反撃し、こちらにダメージを与えてくるから注意しよう。

効率よくパネルを消して、早めのターンで決着をつけてしまう必要があるのだ。

使用できる巨大ロボット・イエーガーの種類は多く、作品ファンとしてはこれらを集めていくだけで楽しい。

グラフィックや音楽

映画を忠実に再現したような高品質のグラフィックは見事なもの。演出も良く、たいへん迫力があり、かなりの爽快感を味わうことができるだろう。

音楽のクオリティも高く、映画で幾度となく耳にしたあのテーマが鼓膜を揺らすほど、ファンはきっと胸熱くなれるはずだ。

登場する機体の数も多く、映画前作のあの懐かしいものから、今回の映画でほんの一瞬しか出なかったようなかなりマニアックなものまで、きっちり網羅しているところに、製作者のこだわりというか、熱意を感じられるのであった。

あえて９０年代～２０００年代の日本アニメ調にした色彩も良きもの。随所に至るまで、深い巨大ロボット愛が詰め込まれているかのようだ。

総合評価

意外や意外……といっては失礼かもしれないが、しかしやはりパズルゲームなのに、きっちりとアクション映画の再現に成功しているという点には、大いに驚かされるものがある。実際にプレイするほどに、熱いシーンの連続に興奮することができた。

とはいえ、それでもパズルゲームとしては、よくあるというか、さすがに遊び尽くされた感のあるオーソドックスな３マッチ式パズルなので、パシフィック・リムという作品のファンでないと、楽しむのは難しいところがある。

映画作品や巨大ロボット・イェーガーのフォンにこそ、オススメできるゲームである。