クローバーラボより配信されている本作は、最大108体のキャラクターが画面いっぱいに入り乱れて大乱闘を繰り広げるといった、セミオート形式のシミュレーションバトルRPGで、同社の「バルディリア戦記」という作品の数100年後を描いたものである。
続編といっても、もはや別物といえるほどの大幅進化したものであり、前作のストーリーや設定の細かい説明もきちんとなされているので、前作をプレイしていなくても問題なく遊ぶことができるだろう。
わちゃわちゃしたアクションが楽しいバトルシーンや、小ネタ満載のストーリーテキスト、ほどよい戦略性のあるシステムと、見た目の雰囲気同様にライトな作品。誰でも気軽に気楽に楽しめるゲームだ。
ストーリー
ゲームの舞台となるのは、剣と魔法の王道的ファンタジー世界の、女王「マリカ」が統治する王国「バルディリア」
前作における戦いでようやく平和を取り戻したのであったが、今度は突如侵攻してきた「帝国」によって窮地に立たされることになる。
マリカは王家の宝である「伝説の槍」を守って、辛くも逃走を続けていたが、やがて帝国の騎士団に追い詰められ、絶対絶命。
その時、伝説の槍が光り輝き、その光から勇者が召喚される。
勇者とはもちろん、プレイヤー(主人公)のこと。
プレイヤーは槍の力を使い、マリカと力を合わせて、強大な力を持つ帝国に敢然と立ち向かっていくことになるのだった。
ゲームシステム
コンテンツ数はそこそこで、対人戦や挑戦コンテンツなど、スマートフォン向けRPGによくあるものはひと通り揃えられているといった印象を受ける。
基本的にはクエストで冒険に出て、ステージをクリアし、ストーリーを進めていくことが主なゲーム内容となる。
広大なマップをガンガン進んでいこう。
バトルはセミオート形式。
プレイヤーはタイミングを見計らってユニットのスキルを発動させ、自軍を勝利へと導いていく。
倍速やフルオート機能などが充実しているので、ストレスなく周回プレイができるようになっている。
ステージの前後にはアドベンチャーパートが挿入され、物語を進行させていく。
細かい演出が実に楽しい。
キャラクターは主にガチャで獲得できる。
さらに本作には「兵士」という設定があり、キャラクターごとに様々なタイプが用意されていて、ミニキャラとなってキャラクターと共に戦場を駆け回ってくれる。
キャラクターも兵士も、もちろん育成可能。
レベルを上げたり、進化させたりして、強力な部隊を作り上げていこう。
育成は放置でも可能。
毎回セットしてからアプリを閉じた方が効率がいい。
デザインや音楽
まずは、柔らかく可愛らしいタッチで描かれたキャラクターデザインに目を引かれる。なんとも日本人好みなデザインで、どこか落ち着くような雰囲気さえある。
そうしたキャラクターたちが一斉に画面をちょこちょこと元気よく動き回るバトルシーンは、これまた実に可愛らしいSD調のグラフィックで、画面を見ているだけで楽しい気分にさせてくれるかのよう。
魅力的なキャラクターにはボイスも付いており、佐倉綾音や内田真礼、武内駿輔に小林裕介と、人気の若手声優が中心にキャスティングされていて、よりいっそうにぎやかで楽しい空気を作り上げている。
ただ、音楽はいささか微妙で、耳障りに感じてしまうことすらあるかも。
また、小ネタ満載のストーリーテキストは、好き嫌いがハッキリと分かれてしまうか。ほのぼのギャグ好きにはオススメできるだろう。
総合評価
システムや難易度設定、そして何よりもゲーム全体から感じられる、どこか和やかな雰囲気により、やはりライトユーザーを中心にオススメできる作品といえる。
とにかくゆったりと楽しめる作りになっており、対人戦の成績にこだわったりしないのであれば、どこまでも自分のペースでまったりと楽しめるだろう。
もちろん、高難易度のステージが用意されていたりと、やり込み要素も充分に用意されているので、ヘビーユーザーには物足りないということもないはず。
むしろ、陣形や属性効果という事前準備だけで全てが決定するというシステムは、突き詰めるほどに高度なものとなり、対人戦で勝ち上がっていくにはかなりの戦略性が必要となる。やり込むほどに「ゆるくないゲーム」となっていくのだ。
そういった意味では、遊び方次第で見え方が変わるゲームだともいえるだろう。実は様々な層のユーザーが楽しめる作品なのである。